ダンジョン超人は美人化ペットと無双する〜30年ぶりにダンジョンから出た地上は、女子率99.999%のハーレム世界でした〜 作:ラディ@小説家もどき
「でも結局、やることはシンプルんじゃないか? ボス以外の通常モンスターを捌きつつ、ボスを叩いて操作させないようにリソースを割かせて追い詰める」
乱丸さんが飽きてきていたヴィオラに対して、問う。
昨日美容室に行って、謎に伸びたて色の抜けた髪をセミロングくらいの長さに整えたことによりとてつもなく可愛くなりました。
昨日の今日でまだ慣れない……まだ一瞬「うわ誰⁉」ってなっちゃいますね。
さておき。
確かに、青竜王の時は少し違うけどリソースを割かせることで能力を使わせないようにしたし。緑竜王も遠隔火力による波状攻撃でリソースを割かせてダンジョンの変形を防いだ。
絶災級ボス討伐戦におけるセオリーとなりつつある戦術です。
相手は推定五メーターくらい、大きいけど戦えないサイズじゃない。ヴィオラやうし太郎や六花で攻めて、百一君が発勁を叩き込めば――――。
「いやテイム状態の魔獣に対しても効果を発揮するに決まってるだろ、主様の話を聞いておらんかったのか?」
呆れるようにヴィオラは乱丸さんへと返す。
そうでした。これはそういう話でした。
「小娘の牛畜生程度なら容易く操るぞ。接近すればこの黒竜王にすらも干渉が可能なのだ、小娘共の下僕が使い物になるわけがない」
ヴィオラは平らな声で、私たちの戦闘ペットへの影響を語る。
これもその通りでしょう。
私は六花を信じているし、最高の戦闘ペットだと思っていますが。
……流石にヴィオラにすら影響及ぼす攻撃を耐えられるとは思えない。
「対策方法は?」
百一君はヴィオラへと端的に問う。
「下僕なしで戦えば良いだけだ。しかし多分あいつは逃げるぞ。黄は七竜で……いや世界で最も臆病者で軟弱で卑怯だ、七竜で白に匹敵する気持ちの悪さだ」
ヴィオラは百一君に対して回答を始める。
「まあ私と主様だけでやるとしたら殺せんだろうな。追い詰めてもあいつは第二形態と同じくらいの速さで飛んで逃げる、そもそも戦いとして成立しない。逃げた先で迷宮を生み出して、また氾濫を起こして人らを減らす」
さらりと戦力分析を混ぜつつ、語りを続ける。
「あいつは人らを恐れて警戒している。そもそもこの世界に落としたのは人らがやったことだ。同じようなことをしてくる懸念は消そうしてくる……といってもこの世界の人らは基本的に現実改変……魔法を使えないから、その懸念は無駄だったのだがな」
異世界での話も織り交ぜて、続ける。
「人らだけで乗り込んで行ったら確実に殺されるだろうな、主様以外で魔獣と単身で戦える者はおらぬ。まあ強いて対策とするなら……あまり推奨はしたくないが」
やや苦い顔をして。
「悪樓を連れていけば手出しはしてこれない、あとは黄を逃さないようにするだけだ」
ヴィオラは、黄竜王対策を述べた。
「……あくるって……、マー坊のこと? 戦闘ペットは連れて行ったら操られちゃうんじゃないの?」
向水先輩がヴィオラの述べた対策に対して、頭に疑問符を浮かべながら尋ねる。
「はあ……黄ごときが悪樓を操れるわけがないだろ。そいつは昔、七竜が集まって挑んでも蹴散らして世界を何度も滅ぼした最凶の災害だぞ」
呆れるように、ヴィオラは目線を暗木さんが膝に乗せたタンクへ目線を向けて向水先輩へ回答する。
「…………」
みんなの視線が集まった暗木さんは、特に表情を変えることなく寡黙に視線を受け止める。
「何故『穴』を通じて何処にでも行ける赤が迷宮で機を狙っていたのか、何故水中に特化した姿へと変化した青が海を渡ってこの日本という地から外へと出なかったのか、基本的に空を飛べる七竜は日本からいつでも出れるはずなのに何故この地に留まっているのか……わからんのか?」
つらつらとヴィオラは迷宮災害における長年の謎について語り。
「海を恐れているからだ。この世界の海にも悪樓がいたら死ぬからな」
さらりと、その答えを明かす。
「まさかあの悪樓が人らにテイムされているとは思わなかったが……、まあそれは私も同じだからな。そんなこともあるだろう」
ヴィオラは百一君の胸に頭を擦り付けながらそう漏らす。
待って……色々と整理がつかない。
まずヴィオラは間違いなく、現存する戦闘ペット中で最強。
そのヴィオラが……マー坊をここまで評価する理由が……。
いやマー坊はとても強いし、水を生み出すのは凄まじい有用性です。でもヴィオラに匹敵するような……絶災級相当の強さは――。
「いや待ってくれ、確かにマー坊は強い戦闘ペットだと思うが……七竜を纏めて相手取れるほど強力な力はないと思うが」
私と同じ疑問を乱丸さんは、そのままヴィオラへと向ける。