ダンジョン超人は美人化ペットと無双する〜30年ぶりにダンジョンから出た地上は、女子率99.999%のハーレム世界でした〜 作:ラディ@小説家もどき
正直マー坊に関しては、知ってたというか気づいていたというか効果範囲広かったらマジにヤバいよなーとは思っていた。
それに暗木さんはマー坊を明らかに水へ近づけることをしてなかったし、マー坊の能力や効果についてなるべく隠そうとしていたし。
だから正直、そんなに驚かなかった。
というか戦闘ペットはそもそも危険なものだ。
銃火器の代替とされるくらいに、殺傷力がある。
ダビンチだって車になって人を撥ねたら大変なことになるし、六花だってエスメラルダだって単体で人に危害を加えることはできるし、ヴィオラちゃんだけで日本は終わる。
結局、私たちは共鳴現象を信頼して危険なモンスターを戦闘ペットとして使役しているにすぎない。
ぶっちゃけ共鳴に完全な安全性なんかない。可愛いけどね、でもそれは主観的なものでしかない。
ダビンチはまあかなり自我というか能動的な意思のないタイプだけど、戦闘ペットだって意思のある生き物だからね。
攻略者と意見が合わなかったり、攻略者の指示や思惑を理解できないこともある。
攻略者学校で戦闘ペットとの訓練をめちゃくちゃ行って、信頼関係でそれをなくしていくって感じなんだけど。
完璧はない。
全然モンスターも共鳴も未知だらけの怪奇現象だから。
だから世界を滅ぼしうる力持つマー坊は慎重に扱わなきゃならないってのはわかる。暴走の懸念があるなら、無理はしないに限る。
でも、そこ信頼してかないとダメだべや。そもそも戦闘ペットに依存した活動をしてくんなら許容してかんと。
人も道具もモンスターもダンジョンも、全ては使い方でしょや。
火薬でも人を救えるし、包帯でも人は絞め殺せるからね。
「――――って私は思うんですよ」
私はつらつらと思考した内容を語り終える。
「……いや直球すぎない……? 今私にその話をするの?」
語りを聞かされていた暗木さんは、やや引き気味に困惑しながら返す。
高浜資料館の帰りにたまたま見かけた暗木さんをとっ捕まえて適当なオープンテラスの喫茶店に入って、考えていたことを一気に打ち明けてみた。
「いやなんか気にしてたらあれかなって」
私はあっさりと、テラス席でレモンティーを啜りながら暗木さんへと理由を述べる。
うーん、なんかやっぱりあんまり話さない方が良かったのかな。
ふんわりこの話に触れない空気感みたいなのは感じてはいたけど、私友達いなかったから全然そういうのわからんのよね。
「まあね、でもいつかは気づかれることではあったから」
暗木さんは少し微笑んでロイヤルミルクティーを飲んでそう言って。
「面倒なことになるのわかりきってるから、便利な小魚ってことにしたかったんだけどね」
続けて、マー坊の力について自覚していたことを認めた。
「まあでもとりあえずは大事にはならないですよ。今は攻略が最優先、何か言われるとしても全部終わってからからでしょ。というかその時は多分、全部の戦闘ペット自体の扱いをどうするかとか色々あるはずなんで……まあ面倒なことには変わりないですけど」
私はつらつらと、下手な励ましを並べる。
でも実際、戦闘ペットの扱いに関しては既に懐疑的な意見も上がってはいる。
まあ主に安全性だったりの観点から居住区ごとの条例や攻略隊の規定以上の法整備を進める声もあるにはある。
今は攻略が最優先で、そこにリソース割いて攻略を遅らせるわけにはいかないから封殺されているけれど本来なら論じられて然りなことではある。
世の中に迷宮災害があってモンスターやダンジョンに対抗する力としてとか、女体化症候群の感染拡大防止での鎖国状態からくる原油枯渇で長距離輸送や重機などの代替としてとかの需要がある限りは日本は戦闘ペットに依存せざる得ない。
でも、需要がなくなれば戦闘ペットは危険性のある大型動物になる。
その時攻略者はどうなるんだろ。
ダンジョンがあるんならそりゃ攻略隊も残るんだろうけど、かなり規模は縮小されるんだろうな。
ちゃんとした兵装や自衛隊みたいなちゃんと鍛えられた人たちがいたらそのうち攻略隊自体も必要がなくなるだろうし。
戦闘ペットも必要がなくなる。