ダンジョン超人は美人化ペットと無双する〜30年ぶりにダンジョンから出た地上は、女子率99.999%のハーレム世界でした〜   作:ラディ@小説家もどき

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39・最強黒竜、気が悪い
01今回は黄


 私、黒竜王のヴィオラは主様と一緒に他の七竜を殺して回っている。

 

「よし、ここで休憩にする。俺は警戒を行う、暗木を中心に各自休め」

 

 迷宮の中で足を止め、主様は小娘共へと言う。

 

「休めって……こんな状態で休まらないでしょ……。まあ休むけども」

 

 小娘は文句を垂れながら、魔法鞄から椅子やらを出して並べる。

 

 まあ確かに、休むには煩わしい。

 

 現在、私たちは魔獣に囲まれている。

 だが魔獣共は襲いかからず、一定の距離からこちらを見ている。

 

 理由は一つ。

 

「やはり黄は悪樓を恐れているようだな」

 

 私は魔獣共の様子を見て言う。

 

「ああ、想像以上の効果だ。もう少し戦闘になることも想定していたが……。これならかなり温存して進めるな」

 

 主様は魔獣共に警戒して、老いぼれから貰った刃の付いた『ろくよん』を構えながら私に返す。

 

 まあ私としては想像通りだ。

 黄は悪樓を不用意に刺激出来ない、今頃迷宮の底で震えているだろう。

 

 今回は二月以上も準備に費やした。

 老いぼれから武器を受け取り、老いぼれから死の間際まで武器の扱い方を学び。

 何度も迷宮付近まで足を運んで『魔獣操作』の有効範囲や魔獣の数を確認し。

 

 私の話と何度か主様と小娘が黄の迷宮を見てきた情報から、主様は確定予測演算の域にある戦況予測で作戦を組み立て。

 

 悪樓を盾に、交戦せず黄の迷宮内部まで進んできた。

 

 順調に進んではいるが……まあ時間はかかる。

 今回はテイムした魔獣が使えない為、小さき者のデク人形による移動が出来ないので徒歩だ。

 だから小さき者は『魔獣操作』の有効範囲ギリギリ外で待機。

 さらに待機する小さき者の護衛のために、半端女も一緒に待機させている。

 

 小さき者はデク人形なしでは脆弱すぎて話にならんので連れてきても死ぬだけだ。

 半端女は粘液玉と混ざった影響で魔法が目覚めつつあるので護衛には丁度良い。

 

 つまり主様と私、それと小娘と鎧娘と。

 悪樓とその主で迷宮を進んでいる。

 

 赤、青、緑と殺し。

 今回は黄。

 

 七竜はいつか皆殺しにしておこうと思っていたが、気持ち悪いので気が向くことはなかった。

 しかし主様と一緒だと、あいつらに時間を使わずに殺せるのでとても楽しい。

 

 だらだら逃げたり迷宮に籠もって有利を維持したりとかされたら七竜皆殺しには百年はかかるところだが、たかだか百日程度で赤と青と緑を殺せた。

 順番も良かったな。

 多分青や緑から殺していたら赤はもっと警戒して面倒だった。馬鹿だが用心深い。

 

 だが、そういう意味でいうなら……この順番で次が黄というのは少し具合が悪い。

 

 黄は恐らく既に赤と青と緑が殺されたことに気づいている。

 そして、この私が近づいてきていることから私が殺して回っていることにも気づいているし。

 

 次が黄であることにも当然気づいている。

 

 そうなると奴は私を迎撃する準備をする。

 それなりに硬くて強力な魔獣を生み出したり、他の迷宮から引っ張ってきて自身の周りを固める。

 迷宮の構造も迎撃と、私からの逃走用に変化させている。

 

 今回、黄を殺すための準備に主様は二か月ほど使っている。

 老いぼれからもらった武器を小娘共に試させたり、黄の行動を推測しそれに合わせた全員分の行動を考え小娘共が覚えて出来るようになるまで訓練を行った。

 私も第五形態で何度か小娘共の鍛錬に付き合わされた。まあ主様とも何度かやりあえたから悪くはなかったが。

 

 その間に黄も私を迎え撃つ準備が出来ていたということだ。

 

 黄は臆病で卑怯で卑劣だが、無意味に強気なところがある。

 自身の『魔獣操作』に関しては絶対的な自信を持っている、あいつは能力だけに限定すれば七竜で最強だと自己評価している。

 

 まあ確かに。やろうと思えばこの私の動きに干渉することも出来るし、その隙に黄の飛行速度であれば逃走も可能だろう。

 しかも黄の『魔獣操作』の範囲外から跳んでこれる赤も死んだ。

 まあいつかは追いつくし、追いついた瞬間に黄程度なら一捻りだから殺せるには殺せるが……骨が折れるし時間もかかる。

 

 そうなると、私は確実に飽きる。

 

 黄なんぞに労力を払っているのが馬鹿らしくなり、ほっとくことにするだろう。

 そうなることを黄も知っているので、私が飽きるまで逃げ回る。

 

 だが、それは私だけで黄を狙う場合の話だ。

 

 主様がいる。

 これは単純に戦力が二倍になるということだ。

 

 私が追い詰め主様が殺す、逆も出来る。

 

「――よし、休めたな。このまま進むぞ、ここの構造は単純でトラップもないし一階層が広くもないが深い。サクサク行くぞ」

 

 休憩を終えて、主様はそう言って再び迷宮を歩き出す。

 

 悪樓の主が悪樓の入った水槽を掲げると、囲んでいた魔獣共が道を開ける。

 

 全ての魔獣が海に入りたがらない理由。

 根幹に海という恐怖を刻んだ、根源。

 

 それが悪樓だ。

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