ダンジョン超人は美人化ペットと無双する〜30年ぶりにダンジョンから出た地上は、女子率99.999%のハーレム世界でした〜   作:ラディ@小説家もどき

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03考えるのに飽きた

 私が繁殖……何故だ? 主様に求められたらそうするだろうが、求められる前から何を考えているんだ……?

 

 別に良い、主様となら何をしても良い。殺されてもいい。

 だから生殖行為も当然受け入れるし、そうなれば繁殖という結果を望むという思考の流れ自体は何もおかしくはない。

 

 だが……なんだ? ……違和感がある。

 まさか黄の操作……いや違う。青の『幻惑』のような認識を書き換えられているわけでもない。外部的な思いで影響を受けている感覚はない。

 これは私の思いであり想いなのは間違いないが、何処からこの思考は湧いたんだ? 生殖能力のない生物が繁殖に関する願望を持つ……? 主様から求められてから考えるならまだしも、なぜ私の中にこの思考が生まれるんだ?

 

 私の中に何者かの影響が混ざっている……?

 私の知らないうちに、何者かの思いと想いの重さによる影響を受けている……?

 何処だ? 何処で私は変化した? 私は私にしか変えられない、例外は主様のみだが……テイム時に受けた影響ではこうなっていない……、いやもう少し前? しかしそれは……。

 

 まあどうでもいいか、不思議と違和感はあれど不快感はない。私の根っこの部分でこの思考を否定する気にはならない。

 気が向いたらそのうちゆっくり考えるか。

 

 なんて考えつつ、黄の迷宮を進んで行った。

 

「よし、……この先がボス部屋だな」

 

 主様は迷宮の最深部手前で足を止めて言う。

 

「本当に交戦せず……今のところ作戦通りですね」

 

 剣に手をかけながら鎧娘が呟く。

 

 まあ確かに、もう少しちょっかいをかけてくるくらいのことはしてくると思ったが……やはり黄は臆病だ。

 

「ここからが山場、集中を切らさないように行くわよ」

 

 小娘は『はちきゅう』を構えて同じく老いぼれからもらった柄付きの兜の尾を締めて言う。

 

 まあこれも確かに、ここまでは単なる道中でしかない。

 

「…………」

 

 小娘共の話を聞きながら、悪樓の主は悪樓の入った水槽を前に抱えて何やら考え込んでいる。

 

 しかし……あの悪樓がテイムされるとは。

 最初に見た時は目を疑った。

 故にとりあえず同行させ、観察をした。

 

 長きに渡る封印で弱ったのか、海から切り離されたらあんなものなのか……変わり果ててはいたが間違いなく悪樓だった。

 

 昔のような海を染め上げるほどの殺意はなく、穏やかに……なんというか楽しそうな印象を受けた。

 

 だが悪樓は悪樓だ。

 見つけてしまったからには目の届くところにいた方が良い。

 今は問題がなくとも、たかだか百年もすれば悪樓の主も死ぬ。問題はその後だ、海へと行こうとするなら殺す必要がある。

 

 そもそも悪樓は魔獣ではない。

 

 私を含む七竜は……まあ大きく分ければ魔獣ではある。

 思いと想いの重さによって竜となり、代替わりを繰り返して進化し続けて魔獣の域を超えたが。

 何というか悪樓は別の存在……、詳しくないし実際に見たこともないので存在にすら懐疑的ではあるのだが。

 

 多分、神ってやつだ。

 まあこんなものはあくまでも他に形容することができないだけ。その他って意味でしかない、例外的過ぎて当てはまる一番近い概念がそれしかないだけである。

 

 つまり殺せるなら殺しておいた方が良い存在であるということには変わりない。

 だが半端に手を出すことも絶対に出来ない。

 それが今の悪樓に対する、私の認識だ。

 

 主様は悪樓と悪樓の主を、七竜ぶち殺し回りの戦力として数に入れている。弱っていて殺意もないし、今は殺すことはない。

 

 これは私が悪樓を観察して、主様がいるから故の暫定的な認識だ。

 

 他の七竜は恐れが先に来る、特に黄は慎重にならざるを得ない。

 だからここまで手を出さずに観察を続けていたのだろう。

 

 そろそろ黄も、悪樓の様子が違っていることに気づく頃合いだろう。

 

 つまり黄は…………あ。

 

 考えるのに飽きた。

 

「……さあて、殺すか」

 

 私はごちゃごちゃ考えるのをやめて、殺意のままに口にする。

 

 何をどう考えようと、黄は殺す。

 気持ち悪いし、気に食わないし、殺せる時に殺すだけだ。

 

 思考を単純なものに切り替えて、私たちは迷宮の最深部へと足を踏み入れた。

 

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