ダンジョン超人は美人化ペットと無双する〜30年ぶりにダンジョンから出た地上は、女子率99.999%のハーレム世界でした〜   作:ラディ@小説家もどき

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04モテなさそう

「黒……なんなんだよおまえ……っ、なんで来るんだ! 勝手に悪樓や人間なんか連れてきて……来るなよ‼ 帰ってくれ‼ ほっといてくれよ‼」

 

 踏み入れた途端に、最深部の一番奥から黄がこちら向けて喚く。

 

 視界に入るのは大量の魔獣。

 ざっくり二百……二百五十六くらいか。

 迷宮の最深部はかなり広く造るが、それでもぎちぎちだ。

 いやこんなに詰めたら戦えんだろ……、魔獣同士での相討ちを考慮できていない。やはり黄は馬鹿だ。数を半分以下にした方が空間を使えて効果的な戦いが出来るというに……安心をしたいが為に数ばかりに頭がいっている。

 戦闘に対する理解度が足りていない、なのに人らを殺したがる。自分の力を誇示したがる。

 やはり気持ちが悪い。

 

 見る限り、道中に居た奴らよりもかなり硬そうだ。

 私の迷宮でも多くても数体しか湧かないような頑強さの魔獣も混ざっている。

 基本的に黄の系譜の魔獣だが……わりと緑と紫の系譜も混ざっている、近場の迷宮から操って集めたのだろう。

 だが緑はともかく紫は魔獣を湧かせることに関しては七竜で最も不得意としている。

 紫はそもそも配下としての魔獣を湧かせる必要がないからな。

 

「あ? 誰に言ってるんだ、私の行動をおまえが決めるな。帰るときは勝手に帰る」

 

 私は軽く状況を観察しながら、黄の戯言に返す。

 

 相変わらず気持ちが悪い。

 この黒竜王に対して指図……勘違いも甚だしい。

 

 私以外の七竜は現実改変力を世界に対して向けている。

 自分以外の者を変えることで、自身の力を示す。

 気持ちが悪い奴らだ。

 

 だからこんな頭の悪い勘違いをしやすい。

 この黒竜王は、自身を変えて強くなり続けることで結果的に世界を捻じ伏せてきた最強の竜。

 

 何を混ぜられようが黒が勝つ。

 こいつらに私は変えられない。

 

「じゃあなんでもいい‼ 勝手に帰ってくれ‼ しかし……それは本当に悪樓なのか……?」

 

 黄はぴーぴー囀り、悪樓について問うてくる。

 

 流石に気づいたか……想定通りだ。

 

「ああ、今はあんなもんだ。海から切り離され人らにテイムされている」

 

 私は囀る黄に答えてやる。

 

「はは……ははは、なんだよ怖がらせやがって……悪樓を殺せる好機じゃあないか‼ 黒‼ 殺れ! 協力するぞ‼ 人間は魔獣に殺させる‼」

 

 急に元気になった黄は、私へと雑音を撒き散らす。

 

「はあ……頭が悪過ぎる。だから私以外の七竜は気持ちが悪いのだ……」

 

 呆れ果てながら私は黄へと返してやることにする。

 

「私の行動をおまえが決めるな。さっき言っただろ馬鹿、知性が足りて無さすぎるぞ」

 

 私は再び同じことを言って。

 

「今、殺すのはおまえだ」

 

 それを告げる。

 

「……っ、なんなんだ、なんなんだよぉおお‼ 僕は怖いんだよ‼ 人間も悪樓も‼ ちょっと殺したくらいで殺そうとしてくる……っ、しかも人間を殺したのは僕じゃないのに、操られた魔獣なのに……、僕は‼ 何も悪くないのに……っ‼」

 

 黄は気持ち悪くぴーぴー喚き散らす。

 

「な? 気持ちが悪いだろ?」

 

 私はあまりの気持ち悪さに、小娘共へ共感を求める。

 

「確かに……これはキモいわー。嫌いなタイプね」

 

「うん、マジにキモい。モテなさそう」

 

「はい……これは嫌われますね」

 

 小娘共は嫌悪感に共感してみせる。

 

 うむ、やはり主様を好いているこいつらは私と感覚が近しいようだ。

 主様のような者を好んでいたら、黄のような者は気持ち悪いと思うだろう。

 

「あんまり感情を持つな。あれは災害、今から消すだけだ」

 

 主様はゆらりと空気を戦闘に切り替えて、平らな声で言う。

 

 その通り、奴はもう殺す。

 これ以上何かを考えるのは無駄だ。

 

 黄はもう死ぬ、私が殺す。

 

「殺せえぇぇぇえ――――――――ぇえぇぇええッ‼」

 

 ぴーぴー鳴いてた黄が、不快な音を立てる。

 

 同時に、従えていた魔獣共が動き出す。

 

 来るか。

 見事に想定通りだ。

 

「ヴィオラ、作戦開始」

 

「了解するぞ、主様」

 

 私は主様の声に、いつも通りにそう返す。

 

 さて、ここからは私と主様の時間だ。

 

 なんて主様と魔獣共を蹴散らすことに、この時は心躍らせていたが。

 

 いやはや、本当に最悪というのはいつだって突然訪れる。

 

 まあでも、どんなことになろうと私は主様と一緒ならどうだっていい。

 

 一緒に生きて、一緒に死にたい。

 願わくば私が主様を殺して、私は主様に殺されたいだけなのだ。

 

 だから、悪樓の完全復活なんて最悪は私にとっては些細な問題でしかない。

 

 まあそれでも、最悪な気分になるのは変わりないが。

 

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