ダンジョン超人は美人化ペットと無双する〜30年ぶりにダンジョンから出た地上は、女子率99.999%のハーレム世界でした〜   作:ラディ@小説家もどき

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03女子率99.999%

「少し待ってくれ主様、歩くのが早い。この身体に慣れてないんだ」

 

 黒竜王について思案していると、遅れ気味になっていた黒竜王が言う。

 

 確かに、竜の姿とは重心のバランスも違うだろうし足場も悪い上に裸足だ。

 

「仕方ない、背負うから乗れ」

 

 俺は背を向けて屈んで言う。

 

「ああ助かる、すまないな。せめて背負いやすくしておこう」

 

 黒竜王はそう言って、第二形態に変化しながら俺の背中に飛びつく。

 

 第二形態はかなり小型な姿だ。

 

「……ん? 竜の姿に成れるんなら自力歩行出来るんじゃないのか?」

 

 第二形態の黒竜王を背負ってから気づいたことを問いかけるが。

 

「ふふ、良いじゃあないか。これでも」

 

 黒竜王は機嫌良さそうに俺の背中にしがみついた。

 

 まあいいか、それほど煩わしくもない。

 

 そのまま黒竜王の案内通りに十年かかった道中を一週間ほどで上り。

 

 五十階層まで戻ってきたところで戦闘音。

 

 身を隠して、観察。

 植物型モンスターとミノタウロスみたいなモンスターが戦闘を行っていた。

 植物型には見覚えがある、似たようなやつももっと下層で出てくるし何回か食って腹を壊したこともある。あれは逆に生食の方が当たらないが、苦味とえぐみが凄いのであまり好んでは食べない。

 

 だが、ミノタウロスみたいなやつは初めて見た。

 

 あんな牛みたいな……可食部がちゃんとしてそうなモンスターがいたのか。もっと早く見つけていたら主食にしていたかもしれない。

 

 どちらも三メーター近い、この階層にしてはかなり大きい部類だ。

 

 遠巻きに黒竜王と共に目視で観察していると、植物型のツタというか触手にミノタウロスが絡まって動きを止められる。

 

 ツタ一本一本はそれほど剛性があるけではないが、力の込めづらい拘束の仕方をしてくる。

 複数本が絡まると単独での脱出は難しい、そこからゆっくりと溶解液で溶かしてくるってのがパターンだ。

 

 こりゃミノタウロスの負けか、勿体ない。せっかく可食部が多そうだったのに溶かされちまうんじゃ――――。

 

「――うし太郎! 逃げてっ‼」

 

 俺の思考を遮るように、声。

 

 声の先には、人。

 ティーンエイジャーくらいの女子だ。

 

 目視確認と同時に全速力で駆け出す。

 人命最優先。絶対に保護を行う。

 

 植物型は声に反応して溶解液を噴射。

 ギリギリ女子と植物型の間に割って入り、溶解液を蹴りで弾く。

 

 俺に反応してツタを伸ばしてきたのを掴んで束ね。そのままツタを力任せに引っ張って植物型を引き寄せて。

 

 震脚から、(もう)()(こう)()(ざん)

 植物型は内部から破裂するように弾け飛んだ。

 

 ……やっぱ俺強くなってんな。

 肉体的にはそこまで変わってない気がするが、確実に技量が上がってる。

 

 それより。

 

「自衛隊です。あなたを保護し、このまま避難を行います。立てますか?」

 

 俺はへたり込む女子に声をかける。

 

「た、助かりました。私は向水(むこうみず)ミライ……攻略者です」

 

 女子、向水ミライの返答を聞いたのと同時に組み伏せて拘束をする。

 

「なっ⁉ なにを――」

 

「ダンジョン内への民間人の立ち入りは禁止されている。かつ、攻略者による盗掘行為は犯罪だ。このまま……なんだこれは」

 

 組み伏せた向水ミライが何かを言おうとしたので、容赦なくボディチェックしながら拘束理由を説明するとボディカメラを発見する。

 

「あ! ちょっとそれはライブ配信用の――」

 

 向水ミライが言い終わる前にカメラを握り潰す。

 

 ふざけんな機密情報だぞ? 外国にダンジョン内部の情報が渡ったら……外患誘致でもする気なのかこのガキ。

 

「ブオォオオオオオオオオ‼」

 

 同時にミノタウロスが、怒気の混ざった雄叫びを上げて接近してきたが。

 

 背中にしがみついたままの黒竜王が、殺気を放ちながらミノタウロスを牽制。

 

 殺気によって動きを止めたミノタウロスは、煙のように消えて向水ミライへと吸い込まれていった。戦闘ペット、間違いなく攻略者だ。

 

「な、なにが……がっ」

 

 向水ミライを軽く小突いて気絶させる。

 

「ふー……、担いで脱出する。おまえは自力でついてこい」

 

 俺は黒竜王にそう言って、背中から剥がして向水ミライを担ぐ。

 

「小娘が私の席を……まあ仕方あるまい」

 

 不機嫌そうに黒竜王はそう言って、ふわりと浮遊する。

 

 そのまま一気に五十階層を上りきり。

 

「……外だ…………、外だああああああああぁぁぁああああああああぁぁぁ――――っ‼」

 

 喜びの余り、珍しく感情的に大きな声を出す。

 

 涙腺が正常に動いていたら確実に泣いていた。

 黒竜王を倒した時と同じくらいの感動が、身体を駆け巡った。

 

 あー想像以上に空気が美味い。

 外の空気が気持ちよすぎる。

 

 迷宮作戦群はどうなっているんだろうか……、とにかく一度駐屯地に戻らないと。

 

 俺はダンジョンを背に、地上を歩き始めた。

 

 だが。

 この時の俺は気づいていなかった、三十年ぶりに帰還した日本は。

 

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 俺はまだ、気づいちゃあいなかったのさ。

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