ダンジョン超人は美人化ペットと無双する〜30年ぶりにダンジョンから出た地上は、女子率99.999%のハーレム世界でした〜   作:ラディ@小説家もどき

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05私が一番だから

 おお……? なんだ……? 面白いぞ。もう少し聞いていよう。私は主様の背からまじまじと顔を出して状況を楽しむ。

 

「いや誘ったでしょ! さっき! わざわざ!」

 

 まあまあ本気の怒気を纏いながら小娘は、その通りでしかないことを言う。

 

「あー、あれは分隊編成についての参加勧誘だ。Aランクは好きにダンジョンへ潜れるからな、おまえらと分隊を組んで全国の大規模ダンジョン攻略を行いたいと思っている」

 

 淡々と主様は答えを述べる。

 

「この間の中規模攻略ではこの分隊に手応えを感じた。縞島の輸送移動力、里里の戦闘能力、喜怒の衛生治療、暗木の総合能力、ミライの攻略遂行力、これらを加味した人員編成だ」

 

 つらつらと、主様はこの祭りとは関連性のない話を伝え終えた。

 

 おお……いや、なるほど。

 これはこれで私としては、他の竜王をぶちのめして回れる機会なので楽しみではあるのだが……。

 

「いや……あんた……」

 

 話を聞き終えた小娘が、震えながらそう言って。

 

「「「「「最初に言ええええええッ‼」」」」」

 

 小娘共は揃って、そう叫んだ。

 

 まあそもそも最近人らに混ざったこの私が言えることではなるほどないが……、流石に乙女心というものを……いや主様は男だ。そんなもの知っている方が気持ちが悪いか。

 

「なんだ……? 分隊参加しないのか?」

 

 主様は予想外の反応に、やや困惑しながら尋ねる。

 

「……っ、するわよ! しないとは言ってないでしょ!」

 

 小娘は切り替えて、勇ましく返し。

 

「行きますわよ……私もCランクになりましたからね。攻略者ですから」

 

 鎧娘は遠い目をしながら返し。

 

「や、やる! 私もやるよ!」

 

 小さき者は前のめりにそう返し。

 

「さ、参加するに決まっているだろうが‼ 僕を舐めるなよ!」

 

 半端女は勢い任せに返し。

 

「いいよ、私も行く」

 

 悪樓の主は笑みを浮かべて返した。

 

「よし我々は今後、()()()()()()として行動。目標は七大都市近郊大規模ダンジョンの攻略だ。よろしくな」

 

 人の気も知らず、満足そうに主様はそう言った。

 

 いやはや……、こういう奴を世の中では唐変木だとか馬鹿とかアホとか言うのだろうが。

 

 私はただ、愛しく思える。

 

 主様に注目が集まっていたタイミングで背中から離れ、一瞬で第五形態へ変化し。

 

「さて、話は終わったな。踊るぞ」

 

 私は主様の手を取って、そう言いながら大部屋の真ん中へと引っ張って連れていく。

 

「な……っ、おまえなんだその格好。どうしたんだ、それ」

 

 私に引っ張られながら、主様は驚いて言う。

 

「名も無き小娘共から聞いてな、想像から創造した。頭は編まれた」

 

 私は不敵に笑みを浮かべながら答える。

 

 今の私はあの名も無き小娘共に弄られたまま。

 編まれて上げられた髪の毛。

 紅をさされた頬と唇。

 見せてもらった『どれす』を参考に作った真っ黒な装い。

 

 他の小娘共の見た目には何も反応なかったのに、私には気づいてくれるのだな。

 

「いや多分あるぞ、名前。おまえが聞いてねえだけだろ…………ん? おいおい裸足か、靴はどうしたんだ」

 

 主様は私の足元を見て、尋ねる。

 

「あれは指が使えんので好かん、でも問題ない。私は踊れるぞ、主様」

 

 大部屋の真ん中に着き、私は主様に対峙して言う。

 

「はあ……仕方ない、だが俺はダンスなんてわからんぞ」

 

 呆れるように、肩から力を抜いて柔らかな笑顔で主様は私に返す。

 

「大丈夫さ、私に合わせろ。主様なら出来る」

 

 踊りの音が流れ出したところで、私は主様の手を取って笑顔でそう言って。

 

 私たちは踊り始めた。

 

 足運びや呼吸、力の流れ、互いの思いと想い。

 感じあってぶつかって、混ざって溶け合いながら私たちは足を運んでいく。

 

 迷宮の底で、殺し合い続けていた日々を彷彿とさせるような。

 あの互いの意識が重なり溶け合う感覚……、筆舌しがたい。

 

 強いて言葉にするのなら、野暮だと知りながらそれでも言葉にしたくなるのなら。

 

「ふふっ、楽しいな主様」

 

 私は溢れる思いをそのまま口にする。

 

「ああ……、悪くないよ」

 

 主様も包み隠すことなく、素直に言う。

 

 ああ、気分が良い。

 遠目から、驚愕する小娘共の視線が刺さるのも心地よい。

 

 私が一番だから、当然だ。

 この幸せな日々を、私は誰にも譲らない。

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