ダンジョン超人は美人化ペットと無双する〜30年ぶりにダンジョンから出た地上は、女子率99.999%のハーレム世界でした〜   作:ラディ@小説家もどき

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02ちょっと違う

「え、ええ……? まあ終わったらゆっくり休むんなら……あ、暗木さんと縞島さんが戻ったらお風呂沸かしてもらいましょ!」

 

 私は頑張る里々ちゃんにそんな提案をすると。

 

「いえ、走り終わったら自重トレーニングがありますしお昼と夕方にも別のメニューがありますから。身体は軽く流す程度にしておきます。佐々崎先生に相談してメニューを組んでもらって……あ! よかったらご一緒にやりますか?」

 

 さもありなんと、里々ちゃんはとんでもないことを答えて私を誘う。

 

 オーバーワークだ。

 そこまでのトレーニングは意味がない。

 

 それに佐々崎先生に相談……? あの吐くまで走らせて吐いた生徒に罰としてまた走らせることでお馴染みの超厳しい根性論教師だ。

 

 私も一年生の時死ぬほど走らされた。

 生徒が口答えにしたら「うるせえ走れ」「じゃあ走ってから死ね」「おまえが口答えする度に連帯責任が発生している、そろそろ仲間に殺されるぞおまえ」「よしじゃあ後五キロ追加」なんて……容赦なく走らせ……いや自分も走ってたか。

 

 めちゃくちゃ嫌われてるし私も苦手だけど、実は理知的で事務的なところは融通を利かせてくれる良い人ではある。

 

 でもトレーニング内容を相談は絶対にしないかな。

 

「ううん全然、遠慮しとく」

 

 私は佐々崎先生名前に恐れをなして即答する。

 

「そうですよね。向水先輩には不要なものだと思います。それでは、お先に」

 

 笑顔で里々ちゃんはそう言って、ロープで括った古タイヤ二つを引きながら走り出した。

 

 ええ……? マジじゃん、すっごい真面目な子なのね。

 まあ私も私で走りたい分だけ走ろっと。

 

 そんな感じで適当にランニングして戻ったら、里々ちゃんは背中にタイヤを三つ載せて腕立て伏せをしていた。

 

 ……声はかけずに私は汗を拭いて、着替えた。

 

「男子厨房入らずで生きてきたから、僕は料理なぞ出来ん。やる気もない」

 

 食事の準備をしているところで、喜怒さんがふんぞり返って宣う。

 

「いや最低限は出来なきゃダメよ。野戦行動能力には炊事も含まれてるんだから」

 

 私は包丁でじゃがいもの皮を剥きながら、呆れつつ炊事参加を促す。

 

「……! む、向水先輩……ピーラーを使ってください。じゃがいもが勿体ないです」

 

 里々ちゃんは手際よくにんじんの皮を剥いていちょう切りにしていく。

 

「里々ちゃん上手! へー手先が器用なのね」

 

 私は里々ちゃんの手際の良さに驚いて返すと。

 

「いえいえ、ただひたすらやって来ました。将来子供を育てるのに料理できないとダメだと母に言われて」

 

 里々ちゃんはそう言いながら、薄らと傷跡だらけの手でじゃがいもの皮を器用に薄く剥いていく。

 

「……ふーん、ああ出来た。こんな感じね」

 

 私は里々ちゃんの真似をしてじゃがいもの皮を薄く剥くことに成功した。

 

 なんとなく、里々ちゃんって子がわかってきた。

 どうにも私とはちょっと違うのかも。

 

 私は出来るようになるまで訓練をした経験があまりない。大体やってみたら出来るからね。

 出来たことを磨くためだったりより良くする為の訓練や鍛錬はしているけど。

 

 何でも出来るなんておこがましいことは思わないけど、少なくとも攻略者として困ったことはない。

 多分攻略者として以外の道で生きていく時に私は沢山困ることになるんだと思う。

 強いていうんなら百一とヴィオラにはボッコボコに負けたりしてるけど、別に私は百一を倒す必要はないしね。悔しいし腹立つからいつかは畳むけど、重要度はかなり低い。

 

 里々ちゃんの優秀さは徹底的な反復練習や過剰な訓練量から生まれたものだ。

 

 私とは違うタイプの優秀さみたい。

 よかった、変な共感求めなくて。わかんないことへの共感ってめんどくさいからね。ダルい先輩にならずに済んだ……。

 

 理解や共感だけが仲間ってわけでもない、違うなら違うでそれもまた楽しみなだけだ。 

 

 そんなことを考えながらカレーを煮込んでいると。

 

「厄介なことになった」

 

 ()()()()()()()()()()()、帰ってきた百一はそんな不穏なことを言った。

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