ダンジョン超人は美人化ペットと無双する〜30年ぶりにダンジョンから出た地上は、女子率99.999%のハーレム世界でした〜   作:ラディ@小説家もどき

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02身体の使い方が下手だな

 ……まあ確かに気になる。

 あの乃本が全幅の信頼を寄せるほどの実力者なら、見ておきたい。

 

「私も問題はありません。よろしくお願いします」

 

 里里も構えながら事態を受け入れる。

 

「おお、頑張れ。俺は縞島と話してくる」

 

 そう言って乃本は去っていった。

 

「……まあ、じゃあ……始め!」

 

 よくわからないけど、とりあえず僕は模擬戦の開始を宣言した。

 

 ほぼ同時に里里が飛び込むように左のボディジャブを突く。

 

 僕との模擬戦でもやっていた動きだ。

 狙いは腹打ちから耐えて前のめりになったところに後ろ足からの蹴りを入れる動きだ。

 

 正直フルコン空手で死ぬほどやられたコンビネーションなので僕は対応出来たけど、みんながやるくらいには良いコンビネーションだ。

 

 しかし、謎の美人はボディジャブを柔らかく逸らして距離を縮めて蹴り足の太腿を踏みつけるように蹴りを潰しながら崩して。

 

 そのまま襟首を取って転がすように投げる。

 

 こりゃあ上手い、かなりの手練というのがわかる。

 

 そのまま里里ごろごろと転がって、泥だらけになりながら立ち上がる。

 

「うむ、まだやれるな。さあ来い」

 

 その様子を見て謎美人は可愛い笑顔で言ってのける。

 

 そんな煽りとも取れる余裕の言葉に、里里は勢い良く飛び込んで前蹴りを放つ。

 

 謎美人は特に構えず、当たらないように距離で前蹴りを躱して蹴り足を戻すのに合わせて接近して里里を軽く突き飛ばす。

 

「……っ!」

 

 重心を後ろへ移動させていたところを押されてバランスを崩すように里里は尻もちをつく。

 

 そのまますぐに立ち上がり、謎美人の斜を取るように踏み込んで左フック気味軌道の掌底を放つも。

 

 謎美人はフック軌道のさらに内側に潜り込むように踏み込んで、そのまま里里の左腕を掴んで引っ張り背中で持ち上げるように投げ。

 

「動きが大きすぎる、無駄に力みすぎている」

 

 淡々と里里へ指摘を始める。

 

 投げられた里里は再び立ち上がり、今度はコンパクトに左のジャブを突いて上に意識をさせてさらに踏み込みながら右のボディストレートを放つ。

 

「流れが途切れている、居着きが丸見えだ」

 

 そう言いながら謎美人はボディストレートを踏み込みながら、胸の中央に手のひらを合わせて少し強めに突き飛ばす。

 

「……ぶ……っ⁉」

 

 里里は一瞬息が止まり、動きも止まる。

 

 そこに謎美人は、強い踏み込みから背中を使った体当たりを当てて里里をぶっ飛ばす。

 

 これは震脚からの()()()ってやつだ。

 乃本も使っている中国武術……八極拳の技だったと思う。

 

 乃本と同門なのか、威力は乃本より低い……いやかなり軽く当たったように見えたし手加減をしているのか。

 

「地を踏めていない、力が歪んでいる」

 

 ぶっ飛んで転がる里里に謎美人は指摘する。

 

 里里は……ああ、今のはかなり通ったな。

 これ以上は怪我をする。

 

「そこまで!」

 

 僕は二人に割って入り、終了を宣言する。

 

「ふむ……あれだな。鎧娘は身体の使い方が下手だな、私ですらこの程度には使えているのに……まあ虫けら共には難しいことなのか」

 

 涼しい顔で謎美人は辛辣な総括を語り始める。

 

 む、虫けら共……乃本はこういうのが好みなのか……?

 

「だが、正解の動きと感覚を知り日常的にその動きをし続けていれば流石の虫けらも出来るようになるだろう」

 

 堂々と謎美人は腰に手を当てて、そんな助言を里里に向ける。

 

「そ、その正解の動きとは……! 教えてください!」

 

 ゆっくりと身体を起こしながら、里里は問いかける。

 

 これは僕も興味がある。

 乃本もこの謎美人も、武道家として僕より先にいる。なんかしらの達人の域にある人物だ。

 

 空手や剣道や柔道とは違う、身体操作というか動き方は非常に興味がある。

 正直わりといやいややってきた武道だったけど、長くやってるとそれなりに生活に染み付いてしまっているし武道自体は良いものだとも思っている。

 

 こういう機会はなかなかない。存在は謎すぎるが実力は本物だ。

 

 僕も固唾を飲んで、謎美人の言葉に耳を傾ける。

 

「………………知らん。なぜ出来ないのが理解できんから教えようがない。他を当たれ、飽きた。散歩に行く、じゃあな」

 

 謎の弩級美人は少し考えてから、気怠そうに宣ってそのままぺたぺたと裸足で何処かへと去っていった。

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