ダンジョン超人は美人化ペットと無双する〜30年ぶりにダンジョンから出た地上は、女子率99.999%のハーレム世界でした〜   作:ラディ@小説家もどき

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03人らの幼体

 面倒過ぎる。

 誰かに決められた価値に、この私が当てはまることはない。

 私の価値は私が決める、もしくは主様に決められたい。

 

 だから私には向いていない。

 まあ当然か、これは人らの文化であって竜を含めたものではないのだから。

 

「なんだ? もう戻るのか? 他に見て回らんのか?」

 

 建物を出て歩き出した鎧娘へと問う。

 

 ずらりと並ぶ建物の中にあんな色々なものがあるとは思っていなかったので、他の家にはどんなものがあるのか少しだけ興味が湧いた。

 

「買い出し自体はこれでおしまいですね。私の担当は食料品や調味料の補充です。乃本君と向水先輩がマジックバッグを持っているので、お米や醤油や精肉や鮮魚に関しても保存が効きますから大量に購入しても良いみたいです」

 

 先ほど受け取った物品を詰めた袋を手から下げ、鎧娘は答える。

 

「なんだ? おまえに押し付けて他のやつらは遊んでおるのか?」

 

 鎧娘の答えに、さらに問いを重ねる。

 

「いえいえ武装類の補充は乃本君と向水先輩が行っていて、暗木さんと喜怒さんは攻略隊女川支部で仙台ダンジョンの情報収集を行っていて、縞島先輩は車両変型の種類を増やすために資料集めに行っています。みなさん忙しいのですよ」

 

 私の問いに鎧娘は他のやつらの行動を述べる。

 

 はー、主様は武装類の補充で並べていたのか。

 んで小娘が外へ調達に行かされていたのだな……納得だ。

 

 だが……うーむ。

 

「そんな万全を期せずとも、勝つ時は勝つし死ぬ時は死ぬだろう」

 

 私は率直に思ったことを言うと。

 

「どちらにおいても万全を期して、全力を出し切ったと思えた方が良いでしょう。だから事前準備も含めて、私たちの全てをぶつけていきたいのですよ」

 

 鎧娘は即座に切り返す。

 

「ほーう? なかなか良いこと言うじゃあないか、確かにその通りだな。全力で殺し合うのは良い……」

 

 私は鎧娘の返しに納得してしまう。

 

 これ以上なく、全力を出し切れる殺し合いは素晴らしい。

 主様との戦いの日々を経験してしまうと、他の戦いが陳腐な児戯に感じてしまう。

 

 ああ、また主様と戦いたいなぁ……。

 

 そんな話をしながら、鎧娘と共に路地を歩いていると。

 

「うぅ……、ひっ、ひっく……うう」

 

 何やら泣いている、かなり小さな……いや人らの幼体か。

 

 かなり小さいな。木偶人形を動かす小さき者よりさらに小さい。ぶん投げたらよく飛びそうだ。

 

「どうしましたか?」

 

 幼体に向けて鎧娘はしゃがんで目線を合わせながら尋ねる。

 

「おかーさんの……ところ、行こうと思ってたのに……わからなくなっちゃったの」

 

 尋ねられた幼体は泣きべそをかきながら答える。

 

「はは、迷ったのか。マヌケめ」

 

「貴女も迷子でしょう」

 

 私が幼体を嘲笑うと、鎧娘が即座に述べる。

 

 ……確かに、というか主様もそうか。じゃあマヌケではないか。この幼体は成体になる頃には大物に成るかもしれんな。

 

「わかりました。では私がご案内しましょう、住所はわかりますか?」

 

 鎧娘は幼体に向けて、案内を申し出る。

 

「ああ? なんだ、戻らぬのか? 私の案内はどうする気だ」

 

 私もしゃがんで目線を合わせて、鎧娘へと問う。

 

「この子を送り届けたら戻りますよ。どうせ貴女は暇でしょう」

 

「確かに。私は暇だな」

 

 鎧娘の返しに、すぐに納得して立ち上がる。

 

「し、知らない人に……ついてくのはだめだって……」

 

 幼体が私たちにそんなことを言うので。

 

「私は里里里々、攻略隊所属のCランク攻略者です。よろしくお願いします」

 

 鎧娘は幼体に向けて名乗る。

 

 ああなんかそんな名前だったか、全然覚えられる気がしない。

 

「攻略者さんなの⁉ すごい! 戦闘ペットもいるの?」

 

 名乗りを聞き、幼体は打って変わり嬉々として反応する。

 

「六花!」

 

 鎧娘は鎧を召喚する。

 

 基本的に共鳴した者の中に溶けて収まり、呼ばれて出る。

 共鳴時に体内に擬似的な迷宮のようなものを創り上げるらしいが、私やら悪樓のような収まる器がない者はそれがないようだ。

 

 まあ私は主様に抱きついてれば良いので必要性は感じないが、脆弱な個体には必要なものなのだろう。

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