ダンジョン超人は美人化ペットと無双する〜30年ぶりにダンジョンから出た地上は、女子率99.999%のハーレム世界でした〜   作:ラディ@小説家もどき

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04邪魔するな

 自分以外は全て雑魚としているヴィオラが、脅威として認めている。

 

 ヴィオラと同等の脅威と想定して良いだろう。

 だとすると俺一人だったら討伐に二十年かかることになる。

 

 そんな時間はかけられない、あれは俺がダンジョン内ではほぼ不死身ということを利用した強行策だ。ただの無茶でしかない。

 

 戦闘行動は短ければ短い方が良い。攻略隊という迷宮災害対策を目的とした公的機関に属しているというのは理解しているが……俺は未だに攻略者を民間人の延長として考えてしまっている節がある。

 

 俺にとって、いや全ての自衛隊員にとって死とは職務上のリスクでしかない。

 でも、彼女たちを民間人の延長とするなら……使っていい命じゃあない。守るべき対象だ。

 

 この考え方は一度捨てるべきだが、捨てきれるものでもない。

 

 どちらも尊重するだけだ、俺は日ノ本特殊防衛人造超人だ。日本のために命を使う、日本人は減らさせないし根絶可能な災害は日本から消し去るだけでしかない。

 

 頭の中で赤竜王を想像する。

 得られた情報からより具体的に、まあ最終的にこのイメージは必ず実物との差異があるので払拭することになるが今はあくまでも想定できる動きを探るための想像だ。

 

 さらにヴィオラとミライ、縞島、暗木、喜怒、里里……うし太郎、ダビンチ、マー坊、エスメラルダ、六花を想像して動かす。

 

 緻密に、各員の癖や技量を正確に想像し様々なパターンで動かす。

 

 これは日ノ本特殊防衛人造超人ならできることだ。姉の九十九も兄の百太郎も出来る、九十九に関しては中隊規模の作戦行動でもより多くのパターンを同時進行で想像出来た。

 

 討伐は前提、その上で全員の無事を兼ねてなくてはならない。

 

 初動から、何千何万通りのパターンを想定し最適な動きを選択していく。

 

 俺がこうしてミライがこうで暗木がこうで、こうなった喜怒を縞島がこうで里里が――――。

 

「ちょっと、あんた大丈夫なの? 鼻血出てるけど――」

 

「――黙ってろ殺すぞ小娘。もう既に戦いは始まっているんだ、主様の戦いに関する深度は……本当に惚れ惚れするほど素晴らしい。これを邪魔するな」

 

 考える俺に何か声をかけたミライにヴィオラが何かを返した気がする。

 

 聴こえているけど聞けていない。

 音としてしか脳が認識できていない。

 

 全ての脳のリソースを、戦闘想定に回す。

 想定できる全パターンを総当たりに、想定。

 

 脳細胞が悲鳴を上げて、熱を帯びて血管が暴れて粘膜や網膜の毛細血管が破裂する。

 それをも無視をする、ここはダンジョン内だ。ほっとけば治る。

 

 全力全開……、死ぬ気で、頭の中で赤竜王と戦い続ける。

 

 そして、結論が出た。

 

「――()()()。これから太白山ダンジョン攻略作戦を共有する」

 

 鼻血と血涙を拭いながら、俺は各員に通達を始める。

 

 一旦全員を焚き火の前に集めて、端末に纏めた作戦行動を共有しながら口頭で説明していく。

 

 各員、眉をしかめながら時に頷き時に首を傾げながら作戦を聞いた。

 

 おおよそこれも想像通りの反応だ。

 実際、かなり無茶を通さなくてはならない作戦だ。

 

 しかし早期決着でなければ攻略は不可能だ。

 長期戦になれば、ダンジョン復元によって赤竜王は無限に回復する。

 撤退を繰り返し消耗させて少しずつ削り勝つということができない。

 

 長引けば長引くほど、消耗するのはこちらだけだ。

 

 回復速度を上回る畳み掛けで一気に決める。

 俺はこれをヴィオラへ決めるのに、二十年掛かった。

 

 しかし、この隊であれば二十年も掛からない。

 

「――――なるほど……いや言っていることはわかるが、こんな先というか終局まで読み切るのか? 後半ほとんど未来予知だぞ。おまえプロ棋士とかになった方が良かったんじゃないか?」

 

 作戦の全容を聞いた喜怒が、そんな感想を向ける。

 

「棋士を舐めるな。相手が同等以上の頭脳や勝負勘を持つ相手に同条件で戦う棋戦と、獣害対策作戦が同じわけあるか」

 

 俺は喜怒の感想へ冷静に返す。

 

 そういや棋士って今どうなってるんだろうか。

 女体化症候群で女性しかいないのなら、女流棋士が主流になっているのか……? それとも女性棋士が誕生していてタイトル戦とかやっているのか……?

 

 まあ全然関係ないことだが、気にはなるな。全部終わったら調べてみよう。

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