ダンジョン超人は美人化ペットと無双する〜30年ぶりにダンジョンから出た地上は、女子率99.999%のハーレム世界でした〜 作:ラディ@小説家もどき
「俺は正確に測った実力で作戦を組み立てている。おまえは俺が他人の実力も測れねえような凡人だと思ってんのか……? それは流石に舐め過ぎだ」
淡々と、俺は里里に思惑を伝える。
そう、里里は俺を侮っている。
恐らく里里にそんなつもりは全くないし、自覚もしていない。
だから怒ることではない。
でも、これは俺の超人としての性能に懐疑的だと言われたのと等しい。
まあ里里は自衛隊員でも日ノ本特殊防衛人造超人計画に携わっている役人や科学者でも医者でもない。
攻略者という公人ではあるが、そもそもわりと最近できたばかりの民間上がりの組織でしかも十五そこそこのティーンエイジャーだ。
俺の性能を正確に理解できないのは仕方ない。
というか恐らく、俺の性能を正確に理解出来ているのはヴィオラくらいなものだ。
そもそも性能を全部見せるような場がないし。
それに「俺はもっと凄いんだぞ!」なんて話をしたいわけじゃあない。
でも、日ノ本特殊防衛人造超人は伊達じゃあないんだ。
俺以前、日本のために命を使った百の超人たちもひっくるめて侮られるのは頂けない。
早いところ超人として信頼してもらえるように務めないとな。不甲斐ないところは見せられん。
「里里なら可能だと判断した。それに、万が一失敗したり発揮し切れなかったりしたところで俺がどうにかしてやる」
俺は里里に対して、真摯に伝える。
「言ったろ、俺は絶対におまえらを死なせない。上手くいかなかったら上手くいくように捻じ曲げてやる。その為に俺はここにいる」
努めて穏やかに、緊張させすぎないように俺の存在を簡潔に宣ってみせた。
「………………」
里里は俺の話を聞いて、静かに押し黙りながらゆっくりと咀嚼する。
まだ納得しきれてない様子だが、まあ正直にいえばそれも織り込み済みだ。
こんなものはまだ言葉だし、行動で示さなければ意味を持たない。
里里が俺を信じることができれば、俺が信じる里里の実力を里里自身が信じられるようにもなる。
どれだけ自信がなかろうと、どれたけ目を逸らそうとも、もう認めざる得ない。
里里はそろそろ自覚するべきだ。
この分隊における主力である事実を。
弱いから、未熟で劣っているから、鍛えて強くなりたいという考え方は立派だ。
しかし、里里のそれはもうその域にない。
ここからの鍛錬は、強いやつがさらに強くなるためのものとして積んでいかないと意味がない。
里里にはここで、更新してもらう。
ここから迷宮攻略分隊は、一カ月で最下層へ。
休息や訓練も挟みつつ、一日平均三階層のペースでの進行。
想像以上のハイペースだった……、色々良い方向に噛み合ったのもあるが。
こんなスムーズに進行出来た最大の理由としては。
「赤なんかの迷宮に長居したくはない。気配の強い方を教えるからそっちに行け。どうせ探索しても大したものはない」
と、ヴィオラが進行に協力的だったことに尽きる。
馬鹿にできない精度で、これには想定外に助けられた。
いつもは全く協力的ではないのに……やはり赤竜王というのはそれだけ強敵ということなんだろう。
進めば進むほどトラップやモンスターは強力に、より苛烈になっていくが接敵は最低限にして進むことが出来た。
実際、壊災級やら滅災級のモンスターを確認したが戦闘を避けることに成功した。
本来であれば女川居住区を拠点にして長期的にマッピングを行い、安全な経路を割り出して万全な状態でボスへと挑む。
可能であればボスも何度か偵察を行い、戦力分析も行うつもりだったがこれもヴィオラからの情報で一気に短縮出来た。
一カ月の間には対赤竜王戦想定訓練を行い、細かい修正などを繰り返しより練度と精度を上げて。
さあ、大規模ダンジョンのボス攻略。
相手は推定、絶災級。
現在討伐不可能とされている脅威等級、黒竜王と同じランクの災害だ。
俺たちは今日、日本から一つ災害を消す。