ダンジョン超人は美人化ペットと無双する〜30年ぶりにダンジョンから出た地上は、女子率99.999%のハーレム世界でした〜 作:ラディ@小説家もどき
01思想を持った災害
私、里里里々は迷宮攻略分隊として現在は仙台の太白山ダンジョンへと潜っています。
七つある大規模ダンジョンの一つ。
ダンジョン出現から三十年間、未だに調査すら終えられていない超高難易度ダンジョン。
最下層までも確認が出来ておりません。
攻略隊の帰還率が著しく低いのです。
まだ人類が攻略出来ていないダンジョン。
その攻略を目指し、一ヶ月間をかけて。
最下層、ボス部屋の前まで辿り着きました。
「――――よし、準備は良いな。このまま進行する」
乃本君が各員に号令をかける。
ボス部屋前にて、しっかりと装備の最終確認。
攻略作戦と各員の動きに関しても入念にすり合わせました。
準備が万全となり自ずと心の準備も、覚悟も固まる。
「「「「「了解」」」」」
各員同時に、覚悟の炎を目から揺らして返した。
緊張感の中で、ゆっくりと乃本君は扉を開き進み。
ボス部屋に入ると中もかなり綺麗な……大理石の床や壁や柱、金や銀の凝った装飾、広さは運動場が三枚分はあるし天井もとても高く明るい。
そしてその部屋の中央……、巨大な玉座に座る赤い巨躯。
一目で理解が出来る、間違いない。
「ほう……来たか
巨大な玉座から特に体勢も変えることなく、淡々と赤竜王はそう言った……というより脳に直接届くような声。
無理やり頭に言葉を作らせて理解させられているみたいです。
人語を解するとはいえ、ヴィオラとは違いますね。
そうか、そもそもヴィオラは乃本君から日本語を覚えて発声できるけど赤竜王まで辿り着いた攻略者は私たちが初めてだから日本語に触れてないのでしょう。
高い知性と超常的な力……いきなり見せつけられていますね。
「ああ貴様を殺しに来た。そのうち殺るつもりだったが、良い機会だったのでな。死ね」
赤竜王の問いかけに、ヴィオラが飄々と返す。
話に聞いていた通り、顔見知りなようです。
「そんなことだろうとは思っていたが……ん? おい、その周りいるのは人か。今気が付いた、人らを連れて来ていたのか? この赤竜王の前に……下等な人らなどを頭がイカれたのか?」
赤竜王もさもありなんと返していたところで漸く、私たちに気づいて触れて圧力を強める。
凄まじいプレッシャー……でも、これも聞いていた通り。
赤竜王は人間を、まるで脅威として考えていない。文字通り眼中にないようです。
見下していて見くびっていて侮っています。
「あ? なぜこの私が貴様如きに気を使わねばならぬのだ。私が誰と行動しようが勝手だろう」
ヴィオラは赤竜王の圧力に全く引かずに、さらりと返す。
ヴィオラもヴィオラで、全く赤竜王を恐れていない。
七竜……絶災級ボスモンスターで最強を自称するだけのことはありますね。
「待て……貴様……っ、まさかテイムされているのか?」
ヴィオラの様子に赤竜王が尋ねる。
「ああ、今は主様と共に生きている」
優しい声色で、ヴィオラは即答する。
テイム……というのは共鳴現象のことを指すのでしょう。
でも確かにヴィオラは正直、戦闘ペットになるようなモンスターではありません。
高い知能に、形態変化で巨大化に加え高速飛行能力や遠距離火力やさらに迫撃特化の姿になることも出来るようです。
「まさか……考えられん。曲がりなりにも七竜が脆弱な人間などに飼われるだと? 理解が出来ん……虫と変わらんのだぞ」
ヴィオラの答えに赤竜王は慄きながら漏らす。
それは驚くでしょう。
同格とするヴィオラが、眼中にすらない人間と共に行動するのは。
「やはりこちらの人間も特異点が存在するのか……、竜王すらも脅かす存在が。やはり……世界はこの赤竜王が統べ、人らは管理下に置くべきだな」
顎の髭……
「迷宮も増えた。そろそろ狩りに動くか」
歪んだ笑みで、そう言った。
これも聞いていました。
赤竜王の目的は、人間を支配下に置くこと。
自身が最も優れていて、最も強く、最も偉いと考えている。
その傲慢さから、愚かな人類を自身の配下に置いて管理しダンジョンに飲ませて新たなモンスターを生み出そうとしているらしい。
今まではこの大規模ダンジョンに籠もりながら、周囲に中規模や小規模ダンジョンを増やして自身の思いを溶かしたモンスターを生み出して機を伺っているとのこと。
こんな脅威は他にありません。
確実に討伐しなければなりません。