ダンジョン超人は美人化ペットと無双する〜30年ぶりにダンジョンから出た地上は、女子率99.999%のハーレム世界でした〜 作:ラディ@小説家もどき
ここは次のフェイズの為にとにかく数を減らす。
その間に乃本君とヴィオラは巧みな連携で、赤竜王に攻撃を通していく。
あっちはもう次元が違う。『穴』から多角的に振り抜かれる巨大な爪を躱したり足場にしたりしながら、的確に打を通していく。
とんでもない運動性……、男性の方が骨格的に筋量が多いとかの話じゃあない。人間を超えています。
私がああ成れることはない。でも六花と共になら、私も。
乱丸さんとの受け身稽古を思い出し、剣を振った勢いや力の流れのままに動いて斬り伏せていく。
さらに乃本君に習った立ち方のバランス調整法によって、跳ね返りがなくなって出力が上がりました。
まだまだ乃本君や向水先輩の足元にも及ばないし、縞島先輩や暗木さんや乱丸さんのように必要不可欠な存在にも成れちゃあいない。
でも少しずつ、確実に私は前に進む。
私たちは怒涛の勢いでモンスター群を蹴散らしていきました。
順調。
でもまだ、これは第三フェイズです。
ここから
「……っ、いい加減にしろ……羽虫がぁ……調子に乗るんじゃあ無ぁいッ‼」
乃本君とヴィオラに翻弄されながら叩かれるのに苛立ちを露わにして、赤竜王は怒鳴り散らし。
身体中の筋肉を隆起させて、地面を砕く凄まじい勢いで跳ぶ。
踏み切りの衝撃で六花が震える、あの質量の生物がまるで猫のように跳躍。
その跳躍の勢いのまま『穴』へと飛び込んで、部屋中を複雑な機動で跳び回る。
地面や壁を爪で削りながら暴れまわる。
発生させたモンスター群も巻き込みながら、縦横無尽に跳んで駆け巡る。
無茶苦茶だ。
こんなの……まさしく災害としか言い表せない。
巻き込まれたら六花を纏っていても間違いなく即死でしょう。
でも、これも想定内……ではある。
ここまで苛烈な勢いとは想像できてなかったけど、赤竜王が『穴』を使って跳び回ること自体は乃本君の想定通りです。
ここから私は縞島先輩たちの位置に合わせて、次の配置へと移る。
その間、乃本君は『穴』の位置から赤竜王の動きを特定して安全地帯を指示する。
凄まじい衝撃、地震と台風が一緒に来たみたいな。
パニックになりそうなところを集中力だけで、薄皮一枚のところに留める。
慌てる暇も驚いている暇もない、遂行するしかないのですから。
そんな中、何とか配置完了。
暗木さんと向水先輩も、縞島先輩たちに合流して配置についている。
発生したモンスター群は依然として私たちを狙うが、赤竜王の無秩序な攻撃によってかなり数を減らしている。
想定よりモンスター群の減りが早い、でもこれは想定以上に赤竜王の攻撃が苛烈だということでもあります。
でも慌てない、想定外のことが起こるのは想定内。
全ての事象は必然の連鎖、落ち着いて目の前で起こる出来事を因数分解して落とし込む。
冷静さは集中することで保たれるのです。
「さあ、やるか? 主様よ」
「ふ――――――……よし、ヴィオラ! 来ぉい‼」
ヴィオラからの問いかけに、大きく息を吐いて乃本君が答える。
するとヴィオラは赤竜王の攻撃を巧みに躱しながら、乃本君の背中に飛びついて。
光輪を展開し、超高速で飛ぶ。
ヤマタノオロチ戦で見せた、合体技です。
高速で移動する赤竜王よりもさらに速く、光輪の残像だけを置いて『穴』から『穴』へと飛び移る赤竜王を。
叩き落とす。
「――ぐあ……ッ⁉」
凄まじい加速度の乗った弩級の発勁は頑強な赤竜王の内部へと通り、内側を爆発させるように掻き混ぜられ赤竜王は苦痛の声を漏らしながら地面に叩きつけられた。
同時。
「ェェエスメラルダァァァ――――ッ‼」
乱丸さんが叫び、エスメラルダを伸ばして赤竜王と地面にくっつけるように取り付く。
さらに同時。
「うし太郎ッ‼」
向水先輩がマジックバッグから射出したワイヤー付きの杭を、うし太郎がハンマーで地面に打ちつける。
赤竜王を拘束。
だが、あの巨体を拘束できるはずもない。
前に向水先輩が乃本君と戦った際にヴィオラへ同様の拘束を試みたらしいですが、一瞬動きを封じた程度の効果しかなかったらしい。
でも逆を言えば、一瞬であれば効果があるということ。
うし太郎が杭をハンマーで叩いたのと、ほぼ同時。
私も動き出す。