ダンジョン超人は美人化ペットと無双する〜30年ぶりにダンジョンから出た地上は、女子率99.999%のハーレム世界でした〜 作:ラディ@小説家もどき
僕の使える魔法『念力』は、物質を浮かせて任意に操作する。
自分の体重を超えると操作どころか浮かせるのも難しく、大きすぎても浮かせられないし同時に浮かせたり操作したりする数にも操作範囲にも限界はある。
つまり魔獣や人間自体を持ち上げたりも出来ないし、大量の
それほど強力な魔法ではない。
でも、魔法は心の力で威力や効果が強くなる。
僕は今、これ以上なく心が燃えている。
なんなら爆発している。
髪の毛が逆立って、目から炎が漏れ出ている。
「総員! かかれえい‼」
そんな号令によって、僕を囲んでいた第三の騎士たちが一斉に飛び掛かってくる。
ああ急いでいるのに、面倒臭い。
脅威は、徹底的に排除する。
僕は飛び掛かる騎士を間合いに入った順番通りに、斬る。
狙いは
腕を斬り落とす。
肘から下、鎧の篭手から先。
右腕二本と左腕二本を斬り飛ばし『念力』で浮かせて操作する。
「……こ、こいつ! 『六本腕』だ‼ 剣を奪われ――――」
僕のことを知っていた騎士が僕の戦術を共有しようとしたので優先的に首を跳ねて殺し。
剣を奪って滞空する腕に握らせる。
これが僕の基本戦術であり、異名にもなっている『六本腕』だ。
普段は『念力』で鎧の篭手部分を二組対空させて両手剣を握らせて自前の剣と合わせて三本の両手剣を扱う。
剣をそのまま操作することもできるが、剣自体の重さを上手く扱えないので操作したもので剣を操ったほうが強い。
他には滞空させた篭手にナイフや片手剣を握らせたり、盾を滞空させたり、掴んで動きを止めたりっていうバリエーションもあるが基本は六本腕三本両手剣のこれだ。
滞空させた篭手を破壊されても魔獣や敵の腕を斬り飛ばして利用するこで腕の補充も出来る。
火や雷や氷も出せないし、回復能力もない。
魔獣や人を飛ばしたりも出来ない。
空も飛べない、遠距離攻撃にも使えない。
技未満、特技ともいえない曲芸未満の一発芸だと揶揄され続けてきた。
しかし僕はこれで剣術大会を優勝し。
リライラ様に認められて正規騎士になった。
だから僕は、これで他の騎士に後れを取ることは有り得ない。
追加で腕を飛ばした騎士が落とした両手剣を拾って、六本腕三本両手剣を完成させる。
さあ、突破する。
一秒でも早くリライラ様の元へと向かう。
間合いに入った障害や脅威は、全て殺す。
僕が握る剣を相手が受けたのと同時に『念力』で握る剣で斬る。
斬り込んできたのを剣で弾いたのと同時に斬り殺す。
太刀筋は可能な限り腕を巻き込む。
今使ってる腕が壊されても、替わりとして使えるように準備しながら殺す。
一太刀で腕と首を落とすくらいには鍛えてきた。
脅威を排除出来れば、方法なんでも良い。
火だろうが雷だろうが槍だろうが斧だろうが、命に届けばそれで良い。
肉を斬り骨を断てば、必ず命に届く。
これを繰り返せば、殺し続ければいつか脅威は消え去る。
リライラ様の安寧の為に、誰が敵でも世界が敵に回ってもリライラ様を守る。
ただひたすら斬り続けて。
「はぁ――――――っ、はぁ――――――っ…………ふ――――……」
大きく息を吐いて整えたところで。
北の迷宮へと到着した。
第三騎士団はほとんど殺した。
第五騎士団も大体斬った。
生き残ったやつは尻尾を巻いて逃げた。
残りはリライラ様を救出してから殺しに行く。
息を整えて『念力』で身体能力を補助して一気に迷宮を駆け抜ける。
最高速度、僕は止まらない。
二日間ぶっ通しで駆け抜けて、最深部に到着。
そして、
魔獣の軍勢、そして囲まれる――――。
「リィィィィィィィィィ――――ライラ様ああああぁぁぁぁあああああッ‼」
僕は叫びながら、魔獣を斬り伏せ駆け寄る。
「!……リック……っ」
ボロボロで、『生物操作』によって何とか耐え忍ぶリライラ様が僕を見てそう言った。
ああ良かった、ご無事……いや無事ではない。
迷宮に置き去りにされて二日以上を『生物操作』の魔法をフルに使って耐えていた。
体力的にも精神的にも限界は近いはず。
ああ……でも、生きていた。
後は僕が、魔獣共を蹴散らして迷宮から救い出すだけだ。
「もう少しのご辛抱を‼ 必ずお助けいたしますッ‼」
魔獣とリライラ様の間に割って入り、リライラ様を背に宣ってみせた。
僕は第四騎士団、正規騎士リチャード・ガルド。
またの名を『六本腕』のリック。
第四王女リライラ様より二つ名と愛称を賜った。
この名に恥じぬように、鍛え抜いてきた。