ダンジョン超人は美人化ペットと無双する〜30年ぶりにダンジョンから出た地上は、女子率99.999%のハーレム世界でした〜 作:ラディ@小説家もどき
これは……ヴィオラの尾か、巨大化して飛行しているのか。
向水が尾にしがみついたところで、映像が安定する。
「ほれ、尾に掴まらせてやる。特別だぞ。このまま適当な場所に降りる」
ヴィオラの声が聞こえたのと同時に。
「「「「「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ――――――…………」」」」」
スピーカーを壊さんばかりの五人重ねた大絶叫が続いた。
「――はあ……」
俺は胸を撫でおろす、どうやら総員無事なようだ。
ヴィオラはゆったりと旋回するように下降し。
「――――こちら迷宮攻略分隊乃本、総員無事を確認。問題はないが現在地不明、加えて太白山ダンジョン攻略の可否も不明です」
無事に着陸した乃本が向水のライブ配信カメラに向かって顔を見せながら通信端末で、俺に報告をする。
ちなみに乃本以外の隊員は高高度からの落下と、尾にしがみついて力を入れ過ぎたのと叫びすぎたので全員ぐったりと倒れている。
当然だ。ダンジョンであれだけの大立ち回りをした後に高高度からの落下なんてカロリーが高すぎる。
「こちら攻略者学校教員佐々崎……ライブ配信でおおよそ状況は把握している。総員無事、了解した……お、丁度女川攻略隊から報告が来た」
俺は乃本の報告を受けるのと同時に女川からの報告も受けて。
「太白山ダンジョンの消失が確認された。よくやった……、日本から一つ災害が消えたんだ」
そのまま乃本へと共有をする。
噛み締める。
三十年停滞した日本が今、復興へと動き始めたんだ。
ああ泣きそうだ、でも泣いてる場合じゃあない。
まだ一つ目だ、まだまだ日本奪還には遠い。
大きな一歩ではあるが、一歩は一歩だ。
「現在地に関しては通信と上空からの映像解析で……恐らく
俺は努めて冷静に、乃本たちの現在地を伝える。
千六百キロ……、鹿児島か。
よりにもよって札幌から一番遠いところへ……。
仙台から一度札幌へ帰還させるつもりだったが困難になった。
装備の補給や追加人員などについての相談も行いたかったが……。
「鹿児島……把握しました。ここからは川内《せんだい》居住区と玄海《げんかい》居住区を経由し、小倉ダンジョンを目指します」
乃本はやや眉をひそめるも、即断即決で次の動きを報告する。
そうだよな、止まるわけにはいかない。
「了解した。まずはしっかりと休養をとってくれ…………いやしかし……本当に良くやってくれた。一国民として、感謝する。ありがとう」
俺は改めて賛辞と感謝を伝え。
「流石……、
少し、踏み込んだ話をする。
「俺は九十九と同じ隊に居た。だから君について……超人についてを知っている」
周りの人間に日ノ本特殊防衛人造超人計画が漏洩しない範囲で、俺は乃本へと伝える。
「! 九十九と……」
乃本は少し驚きの反応を見せる。
「札幌ではなかなか話す機会がなかったが、伝えておこうと思う。日乃九十九について…………ん?」
俺が語り出したところで、受話口から声が聞こえなくなる。
続けて、ライブ配信の画面が固まりそのまま配信が終了する。
「おい、聞こえているのか? おーい! ……通信が切れたか……」
そう呼びかけるも返事がなく、通話を終了する。
恐らくこれはバッテリー切れだ。
予備バッテリーや手回し充電などは行っていただろうが、一ヶ月間太白山ダンジョンに潜り端末とカメラを用いてライブ配信をしていたわけだ。そろそろ電力がなくなっていてもおかしくはない。
俺はインカムを外して、部屋から出ると攻略隊は大騒ぎだった。
まあそりゃあそうだ。
大規模ダンジョンの消滅、さらにはこれで仙台の開放が可能となったのだ。
めっきり騒がしいのが得意じゃなくなってしまった、老いた俺はそそくさと抜け出して。
隠れるように、貴重な煙草に火を点ける。
「……脳が痺れるほどうめえ…………」
一吸いして俺は呟く。
そうそう手の出せる嗜好品じゃあない、でもこんな時くらい噛み締めたい。
あ、そうだランク昇格……。
絶災級ボス討伐と大規模ダンジョン攻略。
全員纏めてSランクとするのか否か……里里や暗木辺りは一旦Aランクか? いや暗木はまた断るかもしれんが流石にBランクは受け入れてもらわんとならんがどういう調整になるかは俺にはわからない。
まあ少なくとも乃本と向水は、Sランク確定だろう。
かさかさと破った口から覗いてタバコの残りを数える。
残りは六本。
は、こりゃあ丁度いい。
次もまた美味いタイミングで吸わせてもらおう。