ダンジョン超人は美人化ペットと無双する〜30年ぶりにダンジョンから出た地上は、女子率99.999%のハーレム世界でした〜 作:ラディ@小説家もどき
「薄く切っていけばいいですか? 豚肉に近いんですかね……一回軽く炒めてから煮込みます?」
縞島さんが前のめりで百一の調理を手伝い始める。
「あー野菜と一緒にうま味調味料と味噌ぶち込んで煮込めば食えそうだが、確かに一回炒めるか。熱は通せば通すだけ良いだろ」
百一もあっさりと適当に返しながら調理を進める。
ええ……? マジに食べるの? モンスターを……?
正直めちゃくちゃ抵抗あるんだけど。
私は多分、この中だったら一番色んなダンジョンに潜っている。数だけでいうなら百一より上。
その分色んなモンスターを見てきたし、殺してきた。
…………うーん、モンスターは思っている以上に危険というか何をしてくるのかわからない。
なんならまだちょっと火にかけたら爆発するんじゃないかって懸念がちょっとあるくらいには警戒してしまう。
流石に私は百一を信用しているからそれはないけれど、同じくらい私は私のモンスターに対する経験値や警戒も信じている……。
なんて考え込んでいる間に、豚汁ならぬモンスター汁が完成。
言っていた通り、鍋に具材を炒めてうま味調味料と味噌をぶち込んでことこと煮込んだだけのシンプルなものだ。
「…………うん、奇跡的に美味い。マジかこんなポテンシャルあったのかこの肉……熱通すと柔けえ」
器に盛って味見がてら食べた百一が感想を述べる。
「主様、私も! ほれ、あーんしてくれ! …………うん、まあまあ美味いぞ!」
百一の背中に貼り付いていたヴィオラも催促し、百一に口に運ばれたモンスター汁を口にして嬉々として喜ぶ。
まあそらここは食うでしょうよ超人と竜だし、でも私たちは――。
「……うっまぁ。えーなんか普通に具沢山な豚汁っていうか……え? ちょっとジビエ感あるけど、熊より全然食べやすい」
私が断ろうと考えていたのをよそに、縞島さんがモンスター汁を食べながら感想を述べる。
え、ええ⁉ 待っ、食ったけど! 躊躇なくいったけど! 勇気が、え? 縞島さんってなんなの? 伝説の勇者とかそういうあれなの?
「ん?……あー、他の居住区だと結構モンスター食あるのよ。これだから都会っ子は……あらおいし」
声も出ないほどに驚愕していると、警戒から戻ってきた暗木さんがそう言ってモンスター汁を器にもって食べ始める。
ええ……、これワンチャン分隊全滅までありえることなんだけど。え? 私がおかしいの?
「うん、本当ですね。思ったより癖がない、美味しいです」
続けて里々ちゃんが上品に食べて、口元を隠しながら感想を述べ。
「うん美味い。これ焼いても良かったかもな、次は焼肉をやろう!」
ぺろりと一杯たいらげて喜怒さんが嬉々としながらそう述べる。
あれ……? モンスターって意外と食べれるの……?
いや確かに私は潔癖症ってわけでもない。
モンスターを殺した際の返り血だとか体液だとかもばっしゃばしゃ浴びてきたけど、お風呂入ったら全部リセット扱いしてる。
謎の病原菌とかも最初は考えなかったわけじゃあないけど繰り返してたら気にならなくなったし気にしてたら仕事にならない。
あ……、これってそういう話?
「ほらミライ、まあ別に食わんでもいいぞ。残ったら残ったで俺とヴィオラで食うし」
「…………っ」
考え込む私に、百一がモンスター汁をよそってそう言いながら手渡してくるのに息を呑む。
……いや、食べよう。
虎穴に入らずんばなんちゃらら。
私はAランク攻略者、リスクヘッジを超える無茶でリターンを得てきたからAランクなんだ。
私は意を決して、器を手に取り箸で具材を口へと運ぶ。
「! …………う――――――――まっ、マジ? 全然ありなんだけど」
口の中に広がる旨味に、懸念は一気に吹っ飛んで私は素直な感想を述べる。
味付けはまあうま味調味料と味噌だけど、肉とか野菜から良い出汁が出てる。
脂身の甘みがいい感じに溶けてるし、肉も柔らかいし臭みもない豚肉に近い。
野菜類にも味が染みていて、単純に美味い。
それとこの芋みたいなのがまた……っ、味噌汁のじゃがいもアリ派の私としてはクリティカル。
うおぉ……こうなると七味もかけたい。
いや無くてもいいけどもう完全に青空の下で食べる豚汁が美味いみたいなモードに身体がなってる。
これもうちょい寒い時期だったら日記に書くレベルだったかもしれない。
えー、ダンジョン潜ってモンスター殺すだけでこれ作れるの? 全然食費抑えられるし、これ攻略隊から安く卸したり出来るんじゃない?
もっと広まっていいでしょ……モンスター食の時代来るよ。
うわーもうこれダンジョン潜った時にモンスターが食べ物に見えてきちゃうかも。