ダンジョン超人は美人化ペットと無双する〜30年ぶりにダンジョンから出た地上は、女子率99.999%のハーレム世界でした〜 作:ラディ@小説家もどき
「ああ、俺はとりあえず何でも食うが全然毒あったりめちゃくちゃ臭かったり苦すぎて飲み込めないとかもあるから結構博打だけどな。実際何回も死にかけた。これに関しては一応毒味はしてるが未知の生物の肉だから、後でどんな健康被害があるかはわからんぞ」
温かいモンスター汁を啜りながら、百一は淡々と場が凍りつくようなことを言う。
「な、なんで食べてから……? 恐ろしすぎるからやめてくんない?」
私は慄きつつ、百一の言葉にそう返した。
何だかんだで完食、食糧問題は解決……まあ解決でいっか。
そしていつも通り何だかんだでモンスターと戦闘を挟みながら縞島さんの運転で進んで、野営をすることに。
「縞島さん今日百一のモンスター汁いきなりいったけど、モンスター料理食べたことあったの?」
私は夜警のルーティンを終えて仮拠点で二人になった縞島さんに、昼間のモンスター食の件を聞いてみた。
「え? 全然初めて食べましたよ。思ったより美味しかったね」
あっけらかんとお茶を淹れながら縞島さんは返す。
「は、初めてだったの……? 怖くないの? 躊躇なかったけど」
私は縞島さんの返しに慄きながら尋ねる。
縞島さんはリスクヘッジに関してかなり理解度が高い。
非戦闘員のサポート専門という立ち位置だからこそ、安全性や利便性や効率化ってところに分隊で一番リソースを割いている。
野営の度に、野営拠点の居住性が上がっているし車両もどんどん乗り心地も走破性も上がっている。
正直、縞島さんなしで迷宮攻略分隊は成立してないくらいにお世話になっている。
当初は……いや戦闘面に関しての評価は論外。
Aランク攻略者として、こればっかりは断言する。
でも、彼女のサポート能力は多分攻略隊の中でもトップクラス。少なくとも札幌ではナンバーワン。
これに気づけなかった札幌攻略隊の損失たるや……、いやでも学生のうちに気づけて良かったけども。
そんな彼女は何をもって、リスクに飛び込んだのかを知りたかった。
「うーん、まあ乃本さんも食べてたし戦闘要員のみんなよりサポートの私の方がお腹壊したりしてもなんとかなるから。今は乃本さんも通常の車両変形なら運転できるし」
あっさりと、縞島さんは回答する。
そん……え? そんだけ……?
「それに単純な好奇心かな、モンスターの味は知らないから食べてみたかった。私は機械工学とかを中心に知識を入れてるけど、それ以外の知識もあって損はしないから。これは食べれてこれは食べれないってデータをまとめていけば、ここからの攻略にも役立つでしょ?」
困惑する私に、縞島さんは淡々とお茶を啜りながら補足説明をする。
く、クレバー過ぎる……。
自分の身体で反応を見て、今後の攻略に活かす……。
まだ私は縞島さんを侮っていたのかもしれない。
この人は、攻略者だ。
全身全霊をもって、日本奪還を本気で成そうとしている。
攻略者の使命は迷宮災害の根絶。
ダンジョンを消滅させ、モンスターを駆逐して、かつての日本を取り戻す。
そのために共鳴した戦闘ペットを用いて、自身の命を懸け戦う。
私は札幌攻略隊Aランク攻略者、これは当然のことだと思っている。
危険は付き物だし、死すらも職務上リスクだと飲み込んでいる。もちろん自分の命の価値も理解しているから、全然死にたくないけどね。
でも攻略者の中にはこれを当然に思えていない人も存在する……いや、多くの攻略者が当然だとは思えていない。
攻略者は戦闘ペットを召喚し、戦わせるための役割として捉えている人は未だに多い。
元々、攻略者というのはモンスターと共鳴して戦闘ペット得た民間人の集まりだった。
迷宮災害と女体化症候群により、自衛隊や警察組織の弱体化によって政府が急遽民間人だった攻略者たちを迷宮災害対策組織として纏めたのが攻略隊だ。
つまり、根っこのところで志や大義がない。
流石にこれはまずいということで、攻略者学校にて教育や教習を行う運びになったけれど……それでもまだリスクを受け入れられない人は多い。
まあでも、それはそれで仕方のないことだとも思っている。
私だって遵守出来ているか、遵守し続けられるかどうかわからない。
でも少なくともこの迷宮攻略分隊は、攻略者として遵守出来ている。
百一がそういう人を集めた。
でもまさかサポート要員の縞島さんまで、がっつり攻略者だとは……百一見る目ありすぎでしょ。ここも侮ってたみたい。
戦闘ペット用いて、戦闘はせずに知識と技術で戦い続ける攻略者……。
凄い……、