ダンジョン超人は美人化ペットと無双する〜30年ぶりにダンジョンから出た地上は、女子率99.999%のハーレム世界でした〜 作:ラディ@小説家もどき
「縞島さんってこんなに面白い人だったんだね。ねえ! 成子ちゃんって呼んでいい?」
私の中で爆発的に上がった好感度でストレートに距離感を詰めようと提案すると。
「え? 先輩なんだけど。私三年、あなたは二年」
お茶を啜りながら淡白に凄まじく遠くへ突き放すように縞島さんは返す。
「う、嘘でしょ……? 打ち解ける流れじゃないの? すみませんでした縞島先輩……」
あまりのショックに私は、崩れて倒れるように項垂れながら言う。
「うそだよ。じょーだん、友達いなかったから冗談が下手なの。私もミライちゃんって呼ぶね」
にこにこと笑顔で、私の湯呑みにお茶を注ぎながら成子ちゃんはそう言った。
そこから成子ちゃんと他愛もない話をした。
好きな食べ物とか、動物とか。
お互いの戦闘ペットのこととか。
乗り物につけてほしい機能とか、改善点とか。
佐々崎先生の悪口とか、良いところとか。
そんなおしゃべりを楽しんでいたところで。
「
「ぶぅ――――ッ‼ なななななな……なに? なんの話?」
成子ちゃんが突然ぶっこんできた質問に、私は驚愕してお茶を噴き出しだから問い返す。
「あれ……、恋バナだけど。なんかみんな多かれ少なかれ乃本さんのこと好きなのかと思ってた」
あっけらかんと成子ちゃんは恋バナを続ける。
「え、そんっ、そっ…………そ……、そうなの?」
私は慌ててどぎまぎしてるところから聞き捨てならないことに対して前のめりに聞いてみる。
みんな多かれ少なかれ百一が好き……? え……そうなの?
「まあ私は単純に、攻略者として推薦してもらったのもあるしサポートって道を示してくれたし。乃本さん強いし頼れるし初めて見た男の子だったし、そんな感じで好きだけど。まあ……そんな一番になりたいとかではないかな? 多分憧れの方が強いかも」
優しく笑みを浮かべながら、成子ちゃんは自身の思いを赤裸々に語る。
うっわ、なんかどきどきしてきた。
顔が熱い……えー、なんでこんなに余裕なの成子ちゃん……三年生ってすげえ。やっぱ先輩なんだ。
「見てる感じだけど、里里さんはメロメロだね。あれはもうちゃんと恋してる感じがする。乃本さんと同級生だし、一緒に訓練してる時間も長いし」
そのまま続けて成子ちゃんは里々ちゃんについても語る。
……あ、そう! へー……あーそうなんだ。里々ちゃん、へえー。全然気付かなんだ……。
「喜怒さんは全然自認男性じゃなくて結構乙女だね。男らしい乙女。だからなのか……なんか一歩引き気味な感じがするし、私と同じくベースが尊敬な感じがするね」
さらに続けて喜怒さんについても語る。
これは私も気付いてたというか、一緒にいると節々から乙女が漏れ出ているし身体も女性のままにしているから自認男性ではないんだろうなって思ってたけど……はー喜怒さんも百一を……はあー……。
「暗木さんは面白いものが好きなんだと思う。だから乃本さんって男性で攻略者で最強って面白さてんこ盛りな存在が好きみたいな、恋かどうかは一番大人だから私にはその辺がわからないけど好意はあるよ」
さらにつらつらと暗木さんについても語る。
く、暗木さんも……! 十歳くらい年の差が……いや違うアイツ三十年ダンジョンに潜ってたから実年齢はかなり百一の方が上なのか……? うわーこれ知ったらもっと面白がりそうだな、あの人。
「そ…………そうだったんだ……へ、へえ〜。よく見てるのね」
私は努めて冷静を装い、成子ちゃんにかろうじてそう返す。
割と衝撃的な話で頭の中で色んな情報が無重力でぶつかり合ってケスラーシンドロームのように広がり続けている。
あー、そう……そうなのね。
いやまあ、べ、別に私はあれだけど……なんかこう……ざわざわする。
「ちゃんと聞いたわけじゃないけど見て取れた行動から……なんだろ観測した情報を因数分解して本質的な部分を見つけていくみたいな……? ほら失敗して原因の特定とかする時にやるやつ」
空いた湯呑みにお茶を注ぎ直しながら成子ちゃんはさらりと言ってのけるけど。
「あー……私あんまり失敗しないからわかんないかも」
ちょっと共感できないので私はそう返すと。
「うーわそら天才だからだべや……、こっわぁ」
「あれ、私が引かれるの? 絶対に成子ちゃんの方がヤバいターンだったよ、今」
顔を引きつらせてドン引きする成子ちゃんに対して、私は困惑してそう返した。
なんだかんだでがっつりガールズトークに花が咲いて、成子ちゃんと仲良くなれた。
こうして迷宮攻略分隊は少しずつ相互理解を深めながら、次の目的地である川内居住区へと足を進めた。
しかし、この時の私はまだ。
縞島成子という隠れた天才……いや
まあ、つまりもっと仲良くなれるかもねって話なんだけどね。