殺戮の天使は その片翼を失うか?   作:三日月ノア

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殺戮の天使の二次創作小説があまりにも少ないので自給自足です。。。。


第1章:僕は物語に登壇するか?
プロローグ:僕は私を自覚する?


 

 

 

 

死なねばならない。

 

 

 

もはや希死念慮はマグマのように燃えたぎっていた。

 

 

 

 

僕は死んだのだ。確実に死ねると思ったのだ。

 

 

 

次こそは失敗しないと、

 

 

 

 

 

 

そう思っていたのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

間違いないはずだった。

 

 

 

………確かに僕はビルから飛び降りたはず。

 

 

 

飛び降りている最中に感じた風圧も重力も、それはまさしく自分が死に向かっていると確信するに足るものであった。

 

 

 

 

 

それがどうだ。

 

 

 

さっきまで視界に広がっていた地上は何処にもなく、見えるのは暗い真っ暗闇。

 

 

 

 

もし意識が残っているのだとして、視界には血で満たされていないとおかしい。

 

 

 

 

では、もしも飛び降りた自分がすでにこの世にいないのだとしたら、自殺が成功したとしたら、

 

 

 

 

 

この暗闇はなんだろうか。

 

 

依然として暗闇が変わることはない。もどかしい思いと非現実的な状況の狭間に揺れて定まらない気持ちだ。

 

 

少し待っていた。

 

 

 

するとさっきまでの暗闇が失せ、溢れんばかりの光がまぶた越しに映り込んできた。

 

 

 

ここは何処だろうか。また失敗したのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

そもそも瞼を開くのにもかなり苦労が必要だった。

 

 

 

 

 

ここはどこだろうか。

 

 

 

再び、同じ疑問が浮かび上がる。

 

 

 

自分が今いる場所にはピンとこない。

 

辺りを見回してみるとおおよそ西洋風のインテリアであることは掴める。ソファ、キッチン、リビング、テレビ、カーペット。他にも目に付くものは溢れているがそんなところか。

 

生前、アメリカのホームドラマでやっていたようなバカでかい家の内装そっくりだ。子供の頃は外国の家はお金持ちばかりなんだなあなんて勘違いしてたが、そもそも日本の国土面積が基準になっている時点で比較しても仕方ない。

 

 

ん?生前だと?

 

 

どうでもいいことを考えて今気づいた。

 

自分のものと思われる体が妙に軽すぎる。そりゃあ、暴飲暴食しないように最低限は意識してたし、年齢相応に健康オタクな一面があった。

 

 

 

 

 

だが、それを差し引いたとしても異常な軽さ。

 

 

それにさっきから片方それぞれの耳から何度も同じ単語を呼ばれている。

 

 

 

 

 

これだけ情報が揃えば嫌でも理解する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あいにく耳の方は聴覚が発達してないからなのか彼らの言葉は聞き取れないが、つまり…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分は彼らの子供、しかも生まれたての赤ん坊というやつである。

 

 

 

 

 

 

何か罰でも当たったのだろうか。輪廻転生を信じているわけではない、が否定するつもりもない。そういう類のものは可能性の話であって科学的なものじゃないと……

 

 

 

 

だが現実に私を目にして喜ばしそうな気色でいる推定今世の両親がそれを現実であると教えてくれる。

 

 

 

 

 

 

参ったなぁ……こんなことになるなら自殺なんてするんじゃなかった。自殺する人に言っておきたい。

 

 

 

 

幼児プレイが嫌ならそんな大それたことはやめておけと。

 

 

 

なんだ……? 赤ん坊が眠るようなカゴらしきものに入れられたみたいだ。

 

 

しかしこれからどうすればいいのだろう。

 

 

 

 

私は来世を願ってあんな馬鹿げたことをしたわけではないはずだ。丁度、一段落ついたのか私の部屋から出ていく両親を見やる。

 

 

すまない、君たちの子供に異物が紛れ込んでしまった。だが、私だって望んだことではないのだ。試しに私の意識に本来のこの体の持ち主の意識が隠れているのではないかと探ってみる。

 

 

 

駄目だ、というかそんなの分かるわけない。完全に現時点ではいない。私の意識が覚醒する前の意識があれば、と思ったが赤ん坊にそんなことは自覚できないよな………

 

 

 

 

 

今は見えない彼女を主人格とする。私のことは便宜上は副人格とでもしておこうか。

 

 

 

 

 

 

そういえば、この体は女性らしい。というのも先ほどから必死に聞き耳を立てていたおかげなのか単語を途切れ途切れに聞き取ることに成功しつつある。

 

主人格の両親は扉の向こうにいるわけだから私に聞かせるつもりはないだろうな。私が聞いたところで理解する事すら想像してない。

 

 

 

 

 

その主人格の両親だが、明らかに日本人の容姿には見えなかった。部屋の内装を見ても懐かしい日本特有の間取りやインテリアではないからそうか。欧米人というやつだ。

 

 

 

 

これは見た目だけの話で、日本人にだって欧米人の顔つきをしている人だっている。私の容姿も恐らく欧米人特有のものということか。

 

 

 

 

 

 

戦地や治安が悪い地域だったり、日本の頃の生活水準から格段に落ちるような地域でなかったことは幸いなのか。徳を積んだつもりはないがそれでも運がいいのは間違いない。

 

 

その場合でもどうにか生きるしかないが。

 

 

このようなことが起きると分かっていれば自殺なんて二度とごめんだ。

 

 

 

 

 

 

年代はどうなのだろ…………う………か……

 

 

なんだ、眠くなってきた……。

 

 

 

そういえば赤ん坊は1日のほぼ全てを眠りに費やすのだったか。睡眠不足の日本人として例に漏れずそんな事を聞いたことがある。今は日本人ではないか。

 

 

 

 

 

 

寝心地は良さそうだし、ここなら安全上の問題はないだろう。お休みなさい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これで主人格が戻ってきてくれたら、なんてことはないよなぁ………

 

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