「先生っ、今日はお買い物に付き合ってくれて、ありがとうございます☆」
初夏の陽射しが降り注ぐステンドグラス。
煌めく道を、先生の隣に付きながら歩いていく。
「構わねぇよ、慣れてる」
「むっ、先生?今は別の女性のこと考えちゃ、めっ! ですよ!」
先生の横顔に映った哀愁のあるその表情に、私の心がざわつく。
私が隣で歩いているのに、そんなことを考える悪い先生の頬っぺたは、指で突っついちゃいますっ。
「確かに失礼だったな、悪かったよ」
「そうですよっ☆」
「んで、買い物に付き合って欲しいって頼まれちゃいるが……何を買いに来たんだ?」
そういえば先生には肝心なことを説明していませんでしたねっ。
本当は欲しいものがあると言うよりかは、二人だけの時間が欲しい……なんて、照れくさくて言えませんが……
「……えっと、今度対策委員会の皆で海に行くことになったんですが、そのレジャーセットと、あと水着を買いに」
「……言っとくが、水着の方は付き合わねぇぞ」
「ふふっ、先生照れてるんです?可愛いですねっ☆」
ちょっとしたおふざけのつもりで先生をからかってみたりして……
あれ?でも、先生の横顔、なんか赤いような……?
ふふっ、先生、意外とこういうのに弱いんですね……
なんだか私まで恥ずかしくなってきちゃいましたね……
そっと先生の手を掴んで、私は駆け出す。
「先生っ、向こうの雑貨屋さんも見てみましょうっ☆」
「分かったから、強く引っ張るなよ。時間はまだたくさんあるだろ?」
そんなことを言う先生が、優しく微笑んでくれる。
その顔に、私の心がドクドクと音を立てて弾ませる。
そんな軽い足取りと反比例して重くなる心臓のリズム。
それすらも楽しみながら、ショッピングを楽しんでいく。
「先生、この小物どうですか☆ 色合いとか先生に良く似合ってると思うのですが?」
「なるほどな……俺はこういうのも行けるのか」
先生に髪色と同じ猫耳カチューシャを渡してみると、それをつけた姿を見せてくれる。
……ここにシロコちゃんが居なくてよかったです。居たら……はい、色々と危なかったですね。
「ノノミ、お前さんはこういうのには興味ないのか?」
「それは……ハンチング帽ですか?」
次に入ったお店で、先生が後ろから私の頭に帽子を被せてくれた。
先生がいつも被っている帽子は、確か中折れ帽でしたっけ……
どちらかというと……私もそれを被ってみたかったりするのですが……
「俺のセンスも悪くねぇもんだ。似合ってるぜ」
「買ってきますねっ」
先生が似合ってるなんて言ってくれたのなら、買う以外の選択肢がないじゃないですかっ。
こうやって、お互いに似合う物を見つけていく……
アビドスのみんなとするのも楽しいですけども、異性の方とするのは初めてで、とても新鮮で、楽しい。
結局、恥ずかしがった先生のために水着は諦めて、帰り道につくことになった。
水着は、また今度みんなで買いに行きましょう。
どうせなら、先生にサプライズの方がいいですもんっ。
「ノノミ、楽しかったか?」
「ショッピングの事ですか?はい☆もちろんですよっ」
「あー、いや、それもあるんだが……まぁ、言うのも野暮か」
帽子を深く被りながら、先生はそそくさと前に行ってしまう。
……もしかして、バレバレだったんですか……?
いつからでしょうか……もしかして、誘った時から……?
自然と私の足取りが速くなる。
前を歩く先生の大きな背中に飛びついて、そっと言葉を零す。
先生、貴方は私の思っている以上に私の心の側にいるみたいです。
同じように。貴方の心の側に私は居ますか……?
「先生っ、その、もう少しだけ一緒にいませんか?」
ノノミの絆ダイアローグ聞いた瞬間、吹き飛ばされて顔が無くなった作者です。
ノアのASMRもとんでもないですけど、ノノミも……捕食者四天王の本気が見える……