キヴォトスのガキ共は俺の知っている奴らに、負けず劣らず変わった奴が多い。
やたらと賭け事を仕掛けてくるアホやら、爆発へのトリガーが早すぎるバカ二人やら、すぐに詐欺に引っ掛かる天然記念物とかな。
まぁ、だけどもだ。
今、俺の目の前にいるこいつは別格に変わっている。
「先生、こうして会うのは初めてですかね。C&C所属 コールサイン・04 飛鳥馬トキです。ピースピース」
表情を鉄仮面の如く微動だにせず、俺に対してカーテンシーでお辞儀をした後に、両手でピースをしながら挨拶をしてくるメイドが、早朝の仕事場にいた。
今日の当番は、確かネルのはずだったんだが……?
目の前にいるのは、確かエリドゥの時にケイに操られていたリオの懐刀のトキだったか?
何でいるんだ?
……とりあえず俺が寝ぼけてるだけかもしれねぇな。
そっとドアを閉じる。
「先生、何故ドアを閉じるのですか?先程のピースが効いたのですか?」
ドンドンと音を立てながら、何度もドアを叩いてくる。
普通位置が逆だろ。
ってか、力強ぇな、ドア壊れるぞおい。
渋々ドアを開けると正拳突きの構えで、拳を振り抜こうとしていたトキの姿が目に映る。
なんなんだこいつは。
とりあえず、席に着くか。
朝からどっと疲れるな……
「はぁ、トキだったな……? リオからの命令か?」
「ようやく開けてくださいましたね、今は会長の直属から外れていますので、個人の意思でここにいます」
「一応鍵かけてたと思うんだが……」
「はい、ですので解錠させてもらいました」
はぁ、朝から頭が痛い。
鍵の種類を変えねぇとか……?
そりゃ、ミレニアムの会長の懐刀だもんな……
簡易的な鍵じゃ無理か。
「……んで、用事はなんだ?」
俺がそう彼女に聞くと、顔つきが変わり、シワを伸ばしたかと思えば、姿勢を正して俺に対して直角にお辞儀を行う。
「この度は、私の主人であるリオ会長の命を救って頂き、ありがとうございます」
「俺は俺の仕事をしただけだ、礼を言われるつもりはねぇよ」
表情筋が動かねぇから分かりにくいが……
意外と真面目なところもあるようだ。
まぁ、こっそり忍び込んで、鍵を勝手に開けて、朝まで待機するその神経の図太さには眉を顰めるがな。
俺の言葉を聞いたトキは、肩肘を緩めて、口を開く。
「そうですか、ではこの話はここまでにして、今日は私が──「おう!先生!おはよう!仕事手伝いに来てやったぜ!」ネル先輩、今日はお帰り頂いて結構です」
随分とあっさりとリオに関しての話を終わらせたトキがなにか喋ろうとした瞬間、執務室の中にネルが入ってくる。
そのネルにお辞儀をしたトキは、手を振って帰るように促す。
こいつ怖いもの無しか?
「あぁ!?……って、トキじゃねぇか、テメェなんのつもりだ??」
「今日は、『キヴォトス最強』を目指す私が完璧な補佐を務めますので、ネル先輩は御足労様です」
「あたしを前にしてキヴォトス最強のメイドだぁ? 随分と舐めたこと言ってくれるじゃねぇか新入りィ」
明らかに怒髪天をついているネルに対して、なんの躊躇いもなく煽り続けるトキ。
まだ朝の9時だぞ。
さっき便利屋達を見送ったばかりなんだがな。
「先生、ネル先輩とメイド対決をすることになりました。勝ったらご褒美ください」
少なくとも今日1日、俺から平穏の2文字が無くなったことは約束されたな。
「おや、疲れ目ですね、マッサージ致します。ブイブイ」
ユニガムさんリクエストありがとうございました!
タイトルを思いつくのに二日かかった話します?
全く浮かばず結果的に若干のタイトル詐欺という……
何となく声優ネタですけども、弊キヴォトスのトキちゃんは何処ぞの銀河打者をイメージして書いてしまいますな。
キャラ崩壊してたらすみません……
こんな感じでリクエストにお答えしてますのでもしよろしければ活動報告をご確認いただけると……