単調駄文続きの中、どこまでいけるか……
石が整然と並び、偶に十字架がある地を行く。
それらに何の意味があるのか理解出来ないマインクラフターだったが、時々ゾンビが地面から出てきたり、その十字架に磔にされた黒服ゾンビがいる奇妙さは面白いと思った。
だとしても認める事は出来ないから、剣を振るい松明を差す。 黒服ゾンビには金のリンゴを押し付けた。 ここでも実験だ。 正常化するならそうだろう。
「……はっ! ここは……わたくしは確か、ゾンビが発生する原因を調べに来て、ムゴゴッ!?」
「騎士様、それ以上不思議な金リンゴを押し付けるのはお止めください!? 彼女は既に敬虔なる聖女に浄化されております!」
やはりそうだ。 正常化が可能だ。
牛村人も興奮のハァンを上げる。 仲間が増えた喜びの鳴き声か。 小麦とベッドを与えれば繁殖するかも知れない。 帰ったら実験だ。 或いは今も十分に興奮している。 このまま眺めているのも良いか。
「私は教会より派遣された浄化の姉妹、リーリアです。 何があったのですか?」
「そうでした……墓守です! 墓守が邪悪な魔術で亡者を操り、生者を襲っているのです!」
「そんな、なんということ」
「墓守は亡者を増やしていき、やがて町を襲撃するでしょう。 リーリア様、そして私を浄化してくださった聖騎士様、どうかお救いを!」
「たぶん、町の方は大丈夫ですよ。 大きな城壁に囲まれていますし、魔除けの松明も沢山輝いておりますから簡単には陥落しないかと」
「はい? わたくしが亡者になる呪いを受けている間に、町ではナニが起きたのです!?」
増えない。
やはり発情アイテムが必要なのだ。 小麦か。 パンか。 ビートルートか。 ベッドか。
「とにかく、私は今から墓守を止めて、死者への冒涜をやめさせます。 行きましょう騎士様……騎士様?」
まあ良い。 今は元々の目的を果たすときだと頷きを繰り返す事数回……周囲を見て、ツルハシをシャベルをと振るう。 勿論松明も忘れない。
「突然ツルハシとシャベルを!?」
「ああ、騎士様がまたも奇行を……」
道をハーフの石畳に。 光源は見た目を気にしてグロウストーンとする。 木のフェンスを用いて街灯とした。 埋め込み式と悩んだが、どこも陰湿な雰囲気だ。 広範囲を払拭するようにして、より目立つようにした。
カボチャが収穫できるようになれば、ジャックオランタンにするのも良い。
「あっという間に道と灯りが整った……」
「これが町の変化の原因です」
「聖騎士ではなく創造主だった……?」
ブランチマイニングを拡大せねば。
この分だと石が足りない。 シルクタッチで石を丸石にせず回収すれば時短になるが、いっそ丸石で道を舗装するか。
あいや妥協は良くない。 その繰り返しの果てが、最初の村の粗末さに繋がる。 大規模な工事はしばしば、際限の無い拡張工事と資源の消耗を加速させるから、つい手抜き工事をしたくなるものだ。 だがそうした先の悲劇をマインクラフターは知っている。
「急に辛そうな顔をして黙祷を……」
「きっと、死者への祈祷でしょう。 文化や魔法が違えど同じ人間。 偲ぶ心は1つです」
「そうですね。 共に祈りましょう……」
アレは駆け出しの頃だ。
つまり松明と光源の管理が甘かった頃だ。
視界を最低限確保すれば良いという甘えで新築を建てていたところ、ソイツは現れた。 クリーパーだ。 奴らは音もなく忍び寄り、クラフターが愛した建物と付随する景観を台無しにしてきた。 剥かれた穴の中で悔し涙を味わい、土で埋める作業がどれほど屈辱的であった事か。 しかも己の体を爆発四散させてまで成し遂げる匠だ。 どう足掻いても復讐が叶わない。 その仕事ぶりを称賛する以外、何が出来ようか。
そうやってクラフターは身に染みて、光源の重要性を理解した。 当時の痛みや苦しみは経験したくない。 2度と。
「先に墓守の元へ向かいます。 騎士様は心を落ち着かせてから来た方が良いでしょう」
「わたくしはアルセゾン修道院へ報告する為、町へ戻ります。 どうかご無事で」
クラフターはスニーク姿勢で右往左往。
思い出してモヤモヤした気持ちを晴らすように、いっそうと松明を周囲に差した。 心と現実の霧を晴らしていく。 刹那。
「きゃあっ! や、やめ、放しなさいっ!」
牛黒服の悲鳴だ。
いつの間にか松明の無い場所に進んでいたが故の悲劇だ。 村人とは高所や井戸に落ちて動けなくなるなど、時に愚かしい行為をする生物だと知り得ているが、それは黒服もらしい。
とはいえ貴重個体だ。 放置はしない。
現場に急行して見やれば、そこには。
「へっへっ……お前もゾンビだ。 その前にたっぷり楽しませて貰おうか……」
「いやあああ!! やめて、やめてぇ!! なんでこのような卑劣な真似を!」
「復讐だよ! おらを虐げてきた連中へのなぁ!」
「な、なにを言って、ああんっ♡!?」
「嫌がるフリして楽しむ淫乱聖女様がよ!」
「そ、そんなわけ、ありませ、んんっ♡!」
顔色の悪い村人が牛黒服に覆い被さって、クラフターもするような愉快な腰振りダンスを披露していた。
衣服が乱れるほどの愉快な腰振りだ。 微かにグチョグチョパンパンと奇妙な音までする。 変わった挨拶と悦びの表現だなと思う。 牛黒服は苦悶の表情をしている辺り迷惑そうだが。 面白いから藪陰から観察する。
「さあ、次はゾンビになるんだよ……!」
「ああ……助けて、誰か……騎士、様……」
今度は磔にされ、棒を振るわれている。
その度に妖しい光が出て、牛村人が青ざめていく。 次の瞬間。
「あ、ああ……ゔぼぁ……」
なんとゾンビになってしまった。
白目を剥き、灰色の肌となり呻きを上げる。
この辺のゾンビはウィッチ的な奴の攻撃により発生するのか。 既知の村人はゾンビの攻撃を受けるとゾンビ化したが、随分と回りくどいものだ。
まぁその方が助かる。 村にゾンビが1匹くらい現れても直ちに影響は出なさそうだ。
取り敢えず今は、と前に躍り出た。
「……誰だ。 騎士? だがこの数相手に勝てるか」
金のリンゴで戻す。 わざわざ磔にして、与え易くしてくれている事であるし。
その為なら……邪魔してくる奴は倒す。
クラフター、剣を振り回して吶喊。 腐肉の山を築きながらも、ボスへ斬り込んでいくのであった……。
後書き
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【墓守】
墓場のボス。邪教徒と化した神官に魔術を教えられ、ゾンビを増やすようになったらしい。
元は村人の1人だったが、先天性の障害?で迫害を受け、押し付けられるように墓守になったとか。 その復讐からか、このような死者への冒涜を行うようになったのだろう。
リーリアが負けちゃうと中◯しされた挙句、磔にされて、呪いをかけられてゾンビにされてしまうぞ!
なお、呪いが半端な内に修道院にいるハーニャを訪ねれば呪いを治して貰えるが、呪いのせいで食糧と人間の境が曖昧な故に彼女を襲う選択肢が出て、選んじゃうとリーリアがハーニャちゃんをムシャムシャし始めちゃうんDA⭐︎食べられるハーニャちゃん可愛いね♡
なお、原作と違い当作で少し喋べらせているが、喋り方のイメージはゼ◯ダの伝説の墓守ダンペイを少し参考にしていたり。
【金のリンゴ】
マイクラの決戦アイテム。
リンゴと金のインゴットか金塊を組み合わせることでクラフト。コストが高いが食べると一時的に体力が増加する。 上位と下位のランクで分かれる。
また、村人ゾンビを正常化するのにも用いられた。