上位存在マイクラ   作:ハヤモ

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前書き
クオリティ低下等、不安は常にありつつ。
最終的に聖堂を目指しますが完結なるか。
今はDLC2追加ダンジョンを消化せねば。


カエルモドキとシルバーフィッシュモドキ

牛胸に追従した先は、またも陰湿な場所だった。

それはもう想像の範疇として、今までと違うのは此処が地下という事だ。 それも拠点の足下に広がるダンジョンとは。 既に出来上がった地下探索もまた久しく郷愁にも似た感覚が蘇る。

 

 

「町の下にこのような場所が……話の通り、魔物の気配があります。 薄暗く足元が不安定です。 慎重に進みましょう」

 

 

泥濘の地面に松明を刺しながら周囲を一瞥。

地下水脈か何かだろうか。 全体的に水が張っていて、所々土が盛られ島のようになっている。

光源がない癖に疎に橋があるなど、人工物がある様は、いつかの沼地にも似ている。

 

 

「橋がありますね……見た目は古く、娘が作った訳ではなさそうです。 かつて排水路として作られた際の、整備用のものかと思います」

 

 

クラフターは此処が坑道だと当たりをつけた。

正確には違うだろうが似た様なものだろう。

 

地下に人工物がある光景は別に珍しくない。

坑道然り。 遺跡然り。 エンダードラゴンがいたジ・エンドに行く為のポータル遺跡も例に漏れない。 ガーディアンがいた海底遺跡は少し特殊だったが。

共通してチェストやらスポーンブロックやらと何かしらの報酬がクラフターを待っていた。 此処もそうに違いない。 この奥地にはきっと宝がある。 そうでなければならない。

クラフターはワクワクし始めた。 やはり冒険は心が踊る。 違っても魔改造するだけだ!

 

 

「そんな落ち着かずに見回して……旦那様も我が子の安否が不安なのですね」

 

 

そう思えば建築欲まで湧いてくるまである!

拠点の地下という良物件も気に入った。 放置する手は無い。

何を作ろうか……地下鉄駅や倉庫は基本として、自然湧きのトラップタワーを建設するか。 いや農業プラントか。 ネザーゲートも作ろう。

嗚呼、目眩く想像の創造道。 堪らない。

そんな事をつらつら思いつつ湧き潰しを急ぐ事暫し。 水が跳ねる音が聞こえてきたから抜剣。 牛胸を庇うように前に躍り出て臨戦の構えを取った。 スライムだろうか。 そこまで深度は無いがバイオームがそうさせるのか。

その内に灯りに照らされ其れは来た。 己の背丈以上のスライム。 否。 蛙が現れた。 相変わらずというべきか人面である。 この辺はその手が多い気がする。

 

 

「魔物! やはりいましたか! それも蛙のような……水中に沢山いるようです! 町の下がこんな事になっていたなんて……直ちに浄化します!」

 

 

牛胸が鳴くや、弓矢で射抜き始めた。

相手もそこそこの数がいて、騒ぎに駆けつける様に水の中からも次々と跳ね上がり、牛胸に肉薄していく。

だが動きは単調。 スライムと大差ない。 当然の様に牛胸に易々と射抜かれ、クラフターにも切り刻まれて経験値になるばかり。

この作業にも流石に慣れてきた。 人面モンスターにもだ。 今まで豚やスライムモドキと相手してきたクラフターである。 今更動揺なんてしない。 寧ろ出会う度にドロップ品が気になり狩猟本能が騒ぎ出す。 騒ぐがままに駆り立て、水中にいる相手に釣竿を使ってでも引き寄せては始末を繰り返す。

 

 

「……そうですね、容赦はいりません。 大丈夫。 娘はきっと無事です。 奥へ参りましょう」

 

 

それも宝探しに似て非なる興奮だ。

大抵は碌でも無く、そうした記憶が心を冷やしては冷静さを取り戻すを繰り返すのだが。 それもまた人生か。 クラフターは云々と頷きを繰り返しながら奥へ邁進する。

勿論、道中の松明を忘れない。 橋が崩れていたり、そもそも無い場所は牛胸用に架けてやる。

湧き潰し優先なので簡単に土ブロックを並べるだけだが。 水中で動きが遅くなる牛を見る趣味は無い故に。

 

 

「ありがとうございます。 いつも不思議な魔法ですね。 土でも石でも、空中で綺麗に浮かせられるなんて……」

 

 

それ以外にも燻る不満があった。

他の村人同様に牛胸も誉め処が違うからだ。

土ブロックをハッチで囲った植木鉢や、ハーフブロックで作った棚といった家具も無視すれば、意匠を凝らした建物の拘りに全然興味を示さない癖に、かまどやチェスト、ツールそのものに感嘆の声を漏らす。 意味が分からない。

かつては自己防衛に動く様を評価してやったが、向こうの返しは素材そのもの、道具そのものの利便性に傾いている気がしてならない。 クラフターも効率を求める節はあるが、趣味の方向性が違う。 所詮は別種の生物だと諦めている。

今なんて空中移動用の土にハァンと鳴いている。 理解に苦しむとまで言わないが、たぶん分かり合える日来ないだろう。 努力は報われない。 唯一、足場作りをしていた村人が希望か。

……そろそろ様子を見に行こうかな?

 

などという思いに水を差すように、またも邪魔が入る。 水中から一際大きな人面蛙が飛び上がってきた。

 

 

「ッ! 他よりも大きく成長した個体!? ですが動きはそんなに変わら……旦那様!?」

 

 

 

来たから、ややあと斬り捨てる。

蛙はノックバックのままに吹き飛び、ひっくり返っては動かなくなった。

背中のゴツゴツから、いつかの肉糸のような敵が噴出してきたが、顔面に掛かる前に全て切り刻む。

たわいない。 多少大きく工夫して生まれてきた処で所詮は蛙。 ドロップ品も特になし。 有用性がいまいち思いつかないから、この手は殺し尽くすだけだ。 中途半端に厄介な分、シルバーフィッシュや蝙蝠より面倒かも知れない。 スライムの方がまだ可愛気があると評価した。

 

 

「今日も頼もしいです……」

 

 

牛胸の鳴声が木霊する中、気にもせず前へ前へ突き進む。 松明を適当に刺しながら。

奥行きがあり、そこそこ広い。 点々と人工物があるのも冒険心を擽られる。 湧き潰し後はやはり何かを作らねば。

村人には勿体無い。 持て余す建材と建築欲を此処にぶつけず何と成す。

 

 

「……何か、奥から奇妙な音が聞こえませんか? 娘かも知れません」

 

 

気持ちは一転、地下に居ながら晴れやかに見学を続けている内に、奥からチュウチュウと奇妙な音が響くのに気が付いた。

照らせば、足元をシルバーフィッシュに似た生物がチョロチョロしている。 しかも噛んできて地味に痛い。 挙句に毒持ちらしい。

 

 

「ネズミ!? しかもかなり凶暴……使役されているようにも見えますが、この奥に親がいるのでしょうか」

 

 

スリップダメージを急ぎ牛乳で中和しつつ始末していく内に、クラフターはソレを見た。

大釜から煙を焚き、そこに棒を突っ込み撹拌、手に毒々しいスプラッシュポーションらしき物を装備する村人を。

 

 

「噂の魔女!?」

 

 

ウィッチだ!

とうとうこのバイオームにもスポーンしたか!?

それか村人に落雷直撃か!? 拠点にあれだけ村人がいるのだ然もありなん!

何故だか鼻がぶらんとしていないし、高台のトーチカのような場所に籠っているし、少し動作が妙な気がするが、ポーションを扱うならウィッチの類だろう。

クラフターは御自慢のフルエンチャントダイヤ剣を抜剣。 吶喊していく。 この手は悪性ポーションを投擲される前に一気に接近して倒す必要がある。 間合いを詰めて奴の拠点に勇み飛ぶ。

 

 

「ッ! どうやら話の通じない、邪悪な存在のようです。 しかし人間であるのなら私の浄化の魔法が効き難いかも知れません。 それでも止めなくては。 娘を見つける為、町の人たちの安全の為にも!」

 

 

牛胸も鳴声を上げ、弓矢で援護してくれる。

そうだ。 そうしなさい。 寧ろ毎度そうして。

弓矢も活かさず突撃して俘虜になる趣味は理解の外側にあるのだから。

 

しかし、ウィッチを守る様にシルバーフィッシュモドキが集ってきて邪魔をされ、毒を受けたりと少しばかり手間取る事になるのであった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────────────────

町・リーリアの娘視点

リーリアの娘の計画は頓挫。 撤退し地上に遁走。 そこで不幸にも町人に発見され騒がれてしまう。

当然、家とする修道院に連行、チクられる。

必然……怒られる……! ハーニャ達に!

 

 

「ご無事でしたか! 良かった……全く心配を掛けないでください!」

「私も母と父のように浄化の仕事を、可能ならば建築をと魔が差しまして……町の外に出なければ良いものと」

「出なければ危険な行為をして良いというものではありません。 確かに貴女には能力があります。 ですが修行中の身、過信は禁物。 実際に危険な目に遭い、こうして戻ってきたのでしょう?」

「はい。 申し訳ありません……」

 

 

逃げ帰ってきた者の末路……説教!

シュンと項垂れ、けれど素直に謝罪する娘。

こうして己の非を認められるのは救いであるが、ここでふと肝心な事を思い出したハーニャは、己の子を抱きながらも娘に尋ねる。

 

 

「お母様とお父様は一緒ではないのですか?」

「いいえ。 どうされたのですか?」

「どうされたも何も、貴女を捜索しに排水路に向かったのですよ。 どうやら入れ違いが起きたようですね」

「それは……私とは違う入口から入ったようですね。 これは私の責任。 2人を探しにもう1度戻って……」

「駄目です。 此処に居なさい。 最悪は二重遭難になります。 というか貴女、単に行きたいだけではありませんよね?」

「…………まさか。 そんな訳ないですヨ?」

 

 

そう言いながら目を逸らす娘。

善悪がついて反省はしても、目を離すと懲りずに繰り返そうとする。 挑戦的というべきか蛮勇というべきか。

ハーニャや周囲は溜息を吐きつつも、今すぐする事は合流では無いと咎めておく。

 

 

「はぁ……貴女の両親、特にお父様はとてもお強い方です。 今は信じて待ちましょう」

 

 

そんなお父様、マインクラフターもまた、どこか問題を見せる時もあるが。

……そこも親子らしい、というべきだろうか。

 

胸に抱く我が子もまた、同じ父親である。

今から将来が少し心配です……ハーニャは冷汗をひと筋流しつつ、愛娘に微笑んだのだった……。




後書き
次回は魔女退治や地下改造等で纏めたい
魔女含め、神官など人型の敵に喋らせるべきか
戦場にいる間、ずっとリーリアが1人で喋っているのも……何だか単調だなと悩んだり
文字数や、文の書き方自体も……
ヤラレは……グロは回避したい

腹痛等体調不良、精神不安定もある中……
当作、完結なるか……
いつも応援、ありがとうございます

カエル
このエリアの主な雑魚敵は蛙型の魔物
マイクラの蛙ならスライムを捕食する生物
この魔物の有用性があれば装置に組まれそう
大型の個体が中ボス?として登場
しかし、クラフターの敵では無かった模様

ネズミ
小さく素早く、集られると悲惨な目に遭う
苦手な人には尚更に地獄絵図
マイクラ的にシルバーフィッシュが近い?

魔女
直接攻撃の効果が薄い、排水路奥地のボス
マイクラにもウィッチはいて、攻撃も似るか
共通してポーションを扱ってくる
攻略方法は異なるが、どちらが、上かな?
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