古井戸を発見、その先へ…
はよ聖堂で淫紋ヤりてぇな俺もなぁ(キモ欲
無心に邁進する。 掘削に整地にと腕を振る。
そこら辺の断崖にダイヤツルハシで横腹を開けて採石し、直ぐに作業台に載せて加工する。 出来た洞穴は何かに使おう。 そんな事をつらつら考えながら、一先ず松明で照らして後にする。
そして側に佇む牛胸のハァンを作業音に、再びツルハシやシャベルを振るい、周囲を松明で照らし、時々ポテトを食べてを繰り返す。
「旦那様は勤勉ですね。 奉公であれ、普通は苦行である土木工事も嬉々として取り組むのですから」
作業台に横に並べ載せ、出来た白くて艶のある石ハーフブロック。
これを使用して、階段の麓から此処までを舗装。 谷底に道路を敷いた。 丸石の道路より手間がある分、明るくて良い。
更に明るくする為、木材からフェンスを作り、棒状に組み合わせると、その上や横合いにカボチャと松明を合わせた照明……ジャックオランタンを付けて街灯とした。
「そうして人が寄り付かないであろう谷底であっても妥協せず、あっという間に道路を舗装し、ユーモアのある照明まで作る。 そして次に何を作ろうかと笑みを浮かべる。 寝る間も惜しむくらい物作りを楽しんでいる。 心の赴くまま、求めるままに生きていく」
ゾンビが蔓延っていた地でもやっていた手法だ。 目新しさは無いものの、谷底という雰囲気にはそれとなく合致していて良い。
松明でも良いが手間故の味気と遊び心がある。 道路や照明をも作品と見做した時、クラフターは必ずしも合理性を求めない。
「魔物が蔓延る世の中でも物ともせず、笑える毎日が、人生がある。 その道に皆が続き感謝する。 己を殺さず、それでいて英雄両道。 素晴らしい生き方だと思います。 私には勿体無いくらいに」
やはり谷ならば。
左右に聳え立ち、圧迫感のある断崖の双璧共に価値を見出したマインクラフターは、凄い勢いでツルハシを振るっては、中をくり抜き始めた。
部屋を設けて絶壁に窓を幾つも開け、余った石を用いて、対岸目掛けて架橋した。
地上の橋を直すより先に建設してしまったが、幾つあっても良い。
「……本当に。 私だけの者に収まらない」
谷底だけでなく、双璧の窓から松明の光が音も無く漏れ出る光景に仕上がった。
地上から見れば、大地の割れ目から眩い光が黄金のように漏れ出している。 さも宝箱の隙間風。 或いは光を連ねて谷間を流れる黄金の道。
誘われるは己のような同志か、或いは牛胸のような村人か。
「その力が、これからも私達を照らしてくれますように」
そんな牛胸を見やれば一瞬、寂しげな目をしていたが、己と目が合うや憂いを吹き飛ばしたようである。
そうだ。 そうしなさい。 笑顔でいなさい。
牛に陰鬱は似合わない。 バケツとの親和性を誇りなさい。 君は豚とは違うのだから。
「ご心配をなさらず。 私は大丈夫ですよ」
顔を上げ谷を見渡す内に、ふと空を見た。
暗黒を白々と照らす、音もなく丸く浮く月。 久々に見た、冷たくも温かい、この世の理。
浴び慣れた黄金色で分からなかったが、いつの間にか曇空は幾許か晴れている。 後少しで晴天という段階だ。
地に足をつけながら改修や開拓ばかりで見上げもしなかった。 そんな夜空に気付かぬクラフターに牛胸は憂いたのか。 もしかしたら世界の本質に、その普遍に気付いて欲しかったのか。
世界にはクラフターの手によらず、延々とあるがままの姿を保つ景色もあるのだと教えたかったのだろう。
「旦那様?」
だからというべきか。
手を止め考えた。 しんみりとした。 ベイクドポテトを齧る。 齧りつつ世界と向き合う。
俗世に跋扈し、行く手を遮る有象無象の魑魅魍魎を鎧袖一触に始末し己の糧としてきた。
そうして改修に開拓に、掘削に建築にと様々に生きてきた。
その時々は決まって松明やらで地を照らし、集落や拠点なんかは、まるでそこだけは日中のように暗がりを寄せ付けない在り様を徹底した。
しかし、本当に良かったのか?
もしこの世界丸ごとが、1つの作品なら?
それをクラフターが台無しにしているのでは?
既存の作品は、成る可くあるがままでいて欲しい。 何故ならその作品はそうして完成されているのだから。
そのような信条を持つ身として、果たして己の創造性は、赦されるものなのか?
もしかすると、このバイオームは月を奉じた土地だったのかも知れない。
夜空の星海のように、幽玄さを目指した世界だったのかも知れない。
しかしそれを容認出来ないから、クラフターは夜空に拳を突き出した。
空と地を見比べれば、闇に覆われているのは地の方だ。 それが現実だ。 理想の空は儚く美しく、憧れるが故に理解から最も遠い。
マインクラフターはいつだって闇と隣り合い、迫り来る脅威を打ち祓い生きている。 いやまぁ素材収集もあるけども。 火薬とかエンダーパールとか糸とか、やっぱり火薬とか火薬と火薬に難儀している。
「私は旦那様に相応しい妻で、侍女でいられるでしょうか。 旦那様の情熱の瞳に、私はいつまでも映りたい」
牛胸が物欲しげに寄って来たから、ベイクドポテトを1つやった。
そら食うが良い。 家畜であれ村人であれ、食糧の提供こそが最も友好で有効な関わり方だ。 牛胸ら黒服村人は食が細い気がするが、食わない訳ではない。 もっと食べさせれば薬の手間なしで全員豊乳になれそうな気がする。
「……本当は分かっています。 旦那様は1つの所に縛られる方ではないのだと。 旅をして、開拓し、建築して。 そうして生きていくのですよね。 人生を楽しく、誇りを持って」
なんでクリーパーがいないのか。
闇夜の荒野を走り回っても、ゾンビだのスライムモドキだのミニガストだのがいるだけで徒労に終わった。
他にもエンダーマンがいない。 どうしていないのか。 大蜘蛛はいたのに。 ジ・エンドのように、どこか別の世界かバイオームに行かねばならないというのか。
「そのような顔をなさらないでください。 ここアルセゾンに蔓延る、忌み子の呪いの問題が解決したら、私とハーニャは教会に戻る事になるでしょう。 その時、旦那様の意思を尊重したく思います。 けれど、もしついてきてくれるなら、その……嬉しく思います」
いやまだだ。 まだ終わっていない。
ここ谷底だって、まだ隅々まで見ていない。
思えばこの先に小さな井戸があったのを思い出した。
何やら梯子で中に入れそうだったが、探索は後回しにしていた。 ついて来た牛胸が落ちても詰まらなかったし。
村人が中に入り、ジャプジャプと喧しく水音を立てて出られないという、懐かしくも忌まわしい光景を見下ろしたくなかったのもある。
「この先にある古井戸に向かうのですね。 分かりました、私も使命を持ち、この地に来た身。 最後までお供します」
井戸まで来る。 マジマジと覗き込む。
深淵を覗く。 深淵もまた此方を見ていた。
「ここから聖堂へ行ければ良いのですが」
望む所だ。
勇み飛び込み、左手で松明を地面に壁にと刺しながら奥へ奥へと進む。
……突き当たりは何故か肉肉しく赤かった。
「何やら邪悪な気配を感じます。 ここは私が様子を見て参ります」
ネザーと似てなくもない。 となれば掘り返せば、そうしたバイオームにでも行けるのでは?
そう思ったからか。 主人の意を汲んで、牛胸が吶喊する。 その反応からして、危険な場所だと直ぐに判った。
同時にこの後の展開に、それとなく察せるものがあった。 伊達や酔狂で牛胸と共にいる訳でもなしに。
「きゃあああ!?」
刹那、下から大きな口が伸びて牛胸を丸呑みにしてしまった!
流石だな……クラフター、うんうんと頷く。
最早、様式美である。 そして無視も出来ない。
クラフターも牛胸に続き勇み飛び込み、更なる深みへと旅立つのであった!
後書き
次回は新章となる予定
…歳はとりたくないね(闇目
その癖、発想力や読解力等もなく…
当作に限らず、自身はメンタルや文才の無さを言い訳にし、承認欲求や寂寥感を慰める為の作者公開◯◯◯◯をしていると批難されても否定出来ず
自分の言葉ではなく、ネットで溢れている出来合いの文章から良さそうな言葉を抜粋、羅列しているだけではないかと
だけど剽窃とならぬよう、時々思い出したかのように文体を変えて浅ましい悪足掻き。それに独自性があると己に言い訳をし続けて書いていく…
或いは評価され最もらしい権威ある作品や感想等で見られる批評を自分の作品の中で繰り出して、手に入れたつもりになっているというね…
突然長文すみません。ダークサイド(笑)に…
(以下当作設定等)
古井戸
昔に作られた水汲み場。降りれるようになっていて、その下は立って歩き回れるくらいの広さがある。
一見、水が枯れただけに見えるが、奥に進むと異様で恐ろしい光景へ