英雄のいない世界で   作:タク-F

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意外と早く執筆出来ました!(但し短め)

今回は亜樹の価値観の片鱗をどうぞ!




トリオンモンスター

 千佳が狙撃用トリガーで基地の壁をブチ抜いたと私達に速報が届いた。正直に言えば予測できたトラブルだ。

 

「嵐山さんすみません……フゥ〜空閑君! すぐに烏丸先輩に連絡! 私はレイジさんに連絡する! 

 

「わかった。とりまる先輩をどこに呼ぶんだ?」

 

「狙撃手訓練ルーム。合わせて私が支部長にも報告するから!」

 

「…………判断が早いな三雲ちゃん。まるで想定していたかのような対応だ」

 

「一応アキは想定してたよ。今の状態は予想外だろうけど」

 

 空閑君が嵐山さんと話している間に私はコールする。

 

「レイジさんすみません……()()()()()()()()()()()()()()。詳細は不明ですが監督していた嵐山隊によると基地を損壊させたとの事です。至急対応をお願いします」

 

『三雲か。雨取が基地を損壊……? あり得……いや、まさかな。状況の詳細を把握しろ。京介を連れて俺達もすぐに向かう』

 

「これから支部長に報告して現場に向かいます。事の次第では支部長に対処依頼をするかもしれません」

 

『十中八九だが支部長か迅による思惑がある。支部長には悪いが出向いて貰う事になるだろう』

 

 レイジさんはそう告げると通話を終えた。次は……

 

『亜樹か。どうだ遊真は? 目立ってるだろう?』

 

「単刀直入に伝えます。千佳が基地を損壊させました。これより事態を把握して対応にあたります。既にレイジさんと烏丸先輩に連絡済です」

 

『…………早いな。拗れる前に俺も動こう』

 

「1つ確認させてください。わかっていましたか?」

 

『想像に任せるさ』

 

 確信した。この人達は予見して実行させた。確かに必要な事だけどね……

 

「お待たせしました。現場にお願いします」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「申し訳ありませんでした」

 

「気にするな。訓練中の責任は現場監督者の俺達にある。それにしても君のトリオン量は凄いな」

 

「東さぁ〜ん! どうして俺を庇ってくれないんですかあぁ!!」

 

 鬼怒田さんは……まだいない。ひとまずは間に合ったか? 

 

「遅くなりました玉狛の三雲です! チームメイトがトラブルを起こしたと聞き急行しました! 既に支部長へのトラブル発生は報告済ですが状況をお願いします!」

 

「玉狛……なるほど。俺は正隊員の東だ。掻い摘んで話させて貰う」

 

 そうして東さんは千佳が外壁をブチ抜くに至った経緯を教えてくれた。ちなみに佐鳥先輩はその最中に到着した鬼怒田さんに怒られていた。

 

「わかりました。この度は千佳の騒動発生誠に申し訳ありませんでした。その……千佳のトリオン情報は共有されていましたか?」

 

「残念だが林道支部長からは何も。だが思惑はある程度想像出来る。状況から君達玉狛支部の隊員に責任が無いのは明白だからその点は安心して良いだろう」

 

「ご迷惑おかけしました」

 

 私が鬼怒田さんに頭を下げていた頃だ。

 

「む? お前は三雲か! 聞いた話ではお前も玉狛所属と言う! この娘の面倒はしっかり見んか!」

 

「ご迷惑おかけしてすみません」

 

「まぁ……お前がこの訓練を監督しとる訳では無いのは明白な以上これ以上は責めんが……」

 

 あれ……? 思っていたよりも優しい対応だ。

 

「その……もっと責められるかと……」

 

「その方が良いなら実現させるが?」

 

「遠慮します」

 

 私達はレイジさん達の到着まで現場にて待機した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本当に我々の後輩がご迷惑おかけしました」

 

「良いわい。どうせ林道支部長か迅の暗躍なのは想像がつく。お前に責任を問うのは筋違いだ」

 

 到着したレイジさんが詳細を把握して私達は日が落ちる頃に本部を出た。

 

「最初にお前達全員に伝えるが、今回の騒動は支部長が報告しておけば防げた事故だ。責められるとすれば迅と支部長だ。責任は無い事だけは覚えておけ」

 

「はい……」

 

 わかりやすく千佳が落ち込んでる。そりゃ私が到着早々から終始謝り倒した姿を見せて良い気分にはならないだろう。

 

「千佳……無理かもしれないけど覚えておいて。私や先輩達が今日のトラブルで謝り倒したのは自分達でそうするべきと判断したから。そもそも支部長や迅さんがちゃんと報告しておけば良かった話なの。悪い言い方をすればあの人達の怠慢……千佳の責任なんてあったとしたら狙撃目標を外した場合だけど、話を聞く限り貫通したらしいからそれも気にする理由は無い。そうですよねレイジさん?」

 

「そうだ。俺や京介が謝罪したのは全て迅と支部長のせいだ。お前達に一切の責任は追及しない。明日からの訓練は胸を張って取り組め」

 

「とはいえコイツらが流石に可愛そうなのでメシでも奢ってやりません? 確かこの辺りにも行きやすい店はあると思うので調べます」

 

「ほほぅ外食……一体どんな美味しいモノがあるのか……」

 

「学生に食わせられるモノか。お前達に苦手なモノがなければこちらで選ぶが?」

 

「懐感情を気にするならしっかり食える店でも良い。今日だけは食って忘れろ」

 

「だって。ここまで言われてまだ気にする?」

 

「…………っ! はい! ありがとうございます!」

 

「とはいえ女子学生を連れ回せる店……小南先輩はいないので悩みますね」

 

「ファミレスか食堂で良いだろ。ある程度は予測がつく」

 

「む? こなみ先輩は良いの?」

 

「アイツはボスに任せる。送迎まで考えれば都合が良い」

 

 私達は近くのファミレスで食事をする事になった。メニューを見て色々興味を示した空閑君が色々頼んでたけど結果千佳が結構食べていたので問題も無かった。

 

「常識……教えないと駄目かも」

 

 空閑君のフォローをする事で逆に千佳が落ち着いてくれたのはありがたい。尚同日迅さんと支部長はこの件で本部と話し合ったらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの人……B級昇格してすぐ風間さんと模擬戦をしたって」

 

「プログラムとはいえトリオン兵を最速で秒殺した新人が現れたらしい!」

 

「基地の外壁をブチ抜く新人狙撃手ってやべぇトリオンだな! 羨ましい!」

 

 2週間もすればBORDER内で噂になっていた。空閑君は順調に訓練でスコアを稼ぎ、(1日の上限付きで)ランク戦でポイントを稼ぐ。同行の必要性が減り始め私も別れて個人ランク戦を再開する為にロビーに向かった時だった。

 

「ッ! オメーはあの時の……。ちょっと付き合え」

 

「えっ!? 貴方達は確か……」

 

「諏訪さん……女子相手にちょっとぶっきらぼうですよ。っと玉狛所属の【三雲 亜樹】だよね? 俺達はB級部隊の【諏訪隊】だ。ウチの攻撃手は学業の為に今日は休みでね。せっかくだからと思ったが……」

 

「風間が絡んだおもしれー奴だから気になってよぉ! どういう経緯か聞こうと思ってな。ところでオメー……麻雀は打てるか?」

 

「麻雀……ですか。素人ですね……」

 

「ちょうどいい! 堤! オサノ辺りを呼んで来い!」

 

「強引ですね……。まぁ三雲ちゃんに時間があれば付き合って貰えるかい?」

 

「せっかくなので遊ばせていただきます。どうやら長い時間になりそうなので……」

 

 思ってもいなかったけどテーブルゲームは嫌いじゃない。楽しませて貰おう。

 

「じゃあ私は玉狛に連絡を入れます。どうせなら戦術を学ばせて貰いますよ!」

 

「ハッ! シロートなんざハンデ込みでも盗ませねぇよ!」

 

「全くこの人は……。まぁ確かに君達が部隊戦術を組む時の参考にはなるかもね。いずれは俺達と当たるかもしれないし」

 

「ペーペーがいきなり中位帯に来るとは思えねーがその時は揉んでやる。泣きべそかかせてやるぜ!」

 

 その日私は諏訪隊の使う戦術や風間先輩への愚痴を肴に麻雀を楽しんだ。実際はともかくこの人達が前衛的な考えをしているのがわかったことと、その対処に手慣れてそうなのが収穫かもしれない。少なくとも有意義な時間は過ごせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 その翌週も恒例の同行をして別れた時私は声をかけられた。

 

「ねぇお姉さん……俺と個人ランク戦をしてよ。せっかくお互いに正隊員なんだし」

 

「私……? どうして私みたいなC級上がりの隊員と戦うかはわからないけど構わないよ。最近はトラブル続きで中々できなかったし……」

 

 声をかけてきた人物に心当たりはある。その目的にも検討はつく。だけどその思惑には乗るべきだろう。

 

「じゃあ連れに連絡を入れるから待っててね」

 

 私はこれから【緑川 俊】君と戦う。例えソレがトラブルになるとしても……

 




緑川君とのランク戦描写を入れると区切りが悪かったので、敢えて冒頭だけ入れて今回は日常パートに振りました。

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活動報告にて進捗報告を試みていますのでぜひご活用ください
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本作に恋愛要素って期待してますか?

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