「今日は皆さんに連絡です。このクラスに転校生が来ます」
「…………来た」
空閑 遊真……
「転校生……このクラスなのか。じゃあ安心だな!」
「三好君? どうして私を見るの?」
「え? 学級委員の三雲なら間違いなく世話を焼くだろ?」
あ〜……そういう修正力が働くのか。まぁ関わる大義名分が欲しかったからなった役職だから良いけど。
「はぁ……わかった。その転校生の面倒は私が見る。その代わり馬鹿な絡みをする人は排除するからね?」
とりあえず(意味があるかは分からないけど)シャドーボクシングで牽制してみた。
「しないしない! 頼んだよ!」
三好は調子が良いんだから……
「で? 何で君は転校初日に騒動を起こすの? 複数の人間が共同で過ごす環境なら、その環境に合わせた振る舞いをしないと異端扱いされる想像力が無いの?」
「ふむ。ニホンはそういう物なのか。ムズカシイな」
結局空閑君は原作通りの動きをして
「にしてもありがとうな。お前のおかげで助かった」
「あとチンピラの干渉に返したら駄目。面子をつぶされた馬鹿は暴力で訴える動物だから理屈は通じない。徒党を組んで報復に来る。腕っ節が強くてもこの国の法律が報復を許さない…………守れてない馬鹿だから面倒なんだけど君も動物になりたいの?」
寧ろコレは空閑君の報復を許容してるように感じないか不安だ。
「それは……なんかイヤだな。それにしてもお前はどうして俺にそういう事を教えてくれるんだ?」
「性分……と
「ふ〜ん……面白いウソつくね」
「ここじゃ話せない。放課後語り合わない?」
「いいね」
私は空閑君を連れ出す事にした。あとはバムスターに襲われるだけ。凄く複雑だけど
「おいおいどこ行くんだよ委員サマ?」
「馬鹿は相手にしない。行くよ空閑君」
「るせぇ!」
「っ!」
チンピラが感情任せに手を出して来た。想定してたり身体をある程度鍛えているから無防備じゃないけど性差と体格差はキツイ。一撃で私は捕まる。
「という訳でコイツを解放して欲しければついて来いチビ」
「生憎私に人質の価値は無い。逃げて良いよくが「るせぇ! 黙ってろ!」ッ!」
「はぁ……別に構わないよ。ソイツにも用事があったからね」
ぬかった。私に人質の価値が無いと判断したけどそう来たか。無抵抗なのはまずかった。潰すつもりで反撃してれば……
「なんだかんだで警戒区域に連れて来る辺り本当に頭の中空っぽなんだね。そんな死にたがりとは思わなかった」
「減らず口を!」
何度目かの暴力が私を襲うけどその拳は空閑君に止められた。
「その展開は飽きたよ。つまらないよねお前達」
不良3人は空閑君の攻撃に反応できずそれぞれ腹部に拳を一撃ずつ撃ち込まれ気絶した。
「この展開は嫌いだったかお前?」
「嫌いではあるよ。でも話が早いから否定もし難い。少なくとも私は……ね」
そんなやり取りをしていると【門】の発生を知らせる警報が響く。
「嘘でしょ!? こんなのを連れて逃げろっての!?」
現れたのはバムスター……プログラム通りなら撃破は出来るけど……
「守りながらだときっと……」
弱音がこぼれる程にキツイ状況だけど私の心は戦いに備えていた。
「私が時間を稼ぐからそこのチンピラを連れて逃げて! トリガー起動!」
レイガストを構えるけどC級には射程武器は無い。だから瓦礫を掴んで投擲した。
「選ぶトリガーを間違えたかもね!」
言っても仕方ないけど私は挑んだ。だけど投擲した瓦礫はダメージにならず、レイガストの刃は遅すぎて上手く当てられ無い。その上集中力すら落ちてる。それでもあの英雄は逃げなかった。
「それでも私がそうするべきだと!」
私は攻撃を捨てて4人を庇う。たとえ攻撃できなくても逃げる時間さえ稼げれば……逃げてくれれば……
「そんなに消極的だとバムスターの装甲は貫け無いぞ? 代わってやるからそいつらを見てなよ。トリガー起動」
「空閑君!? 何をしてるの!?」
空閑君が放置した不良を保護する為に私が下がったと同時にバムスターは一撃で粉砕された。
「な? 終わったろ?」
「空閑君……もしかして君は……」
「そう。お前の想像通り」
「「
私達の言葉はシンクロした。トリガーを起動したのなら仕方ない。なら私も……
「空閑君が近界民なら話は早いね。そのトリオン量なら持っているんでしょ? 【
「色々識ってるんだね。それで? 他に聞きたい事があるんだろう? つまらないウソはわかるからね?」
「その観察眼こそが【副作用】でしょ? だから私の秘密も教えてあげる。時に空閑君……前世って信じる?」
「ほぅ?」
「私は前世の記憶がある。何なら前世で空閑君の事の断片は識った。そして同じ理由で憧れた英雄がいた。私はその英雄の功績を……」
「面白いね。それで?」
「あの英雄が積み上げた功績は守りたい。それと同時に
「良いね気に入ったよ。名前を教えてくれない?」
「亜樹……【三雲 亜樹】。知識だけを植え付けられた才能の無い、英雄に憧れたか弱い少女だよ」
「おれの名前は【空閑 遊真】。アキ達の言う近界民さ。よろしく」
空閑君は私に手を差し出した。だけど私は【右手】を差し出す
「右手の握手は【敬意】を表すの。よろしくね空閑君。それと私の事は引き続きアキって呼んでよね」
「なるほどね。それじゃあおれも呼び捨てで良いよ。よろしくなアキ」
「そう? じゃあよろしくね空閑…………君。ごめんやっぱ恥ずかしいわ。しばらくは君付けにしても?」
「…………へぇ」
笑ったか。そりゃ本心だからね。
「とりあえずBORDERの隊員がこの場所に来るから撤収しよう。それと……しばらくBORDER本部と事を構えない方が好ましいよ。BORDERには近界民を恨む隊員も少なく無いから」
「忠告了解。それにしてもアキは危ないって分かってて何でこんな事を?」
「さっき話した英雄なら彼等を見捨てないから。私個人なら吐くほど嫌いだけど、憧れの人に顔向け出来ない行動をするよりはマシじゃない?」
「そういうもんか?」
「私は……ね。それじゃあ急ぐよ!」
私は空閑君と急いでこの場所を離れた。
翌日私達は学校の屋上で情報を整理していた。
「なるほど……トリオン体って睡眠を必要としないんだ」
「まぁね。てかその事は覚えて無かったの?」
「予測はしてた。でも確信や証拠は無かった。こっちの質問だけどもしこの世界で空閑君が目的を失ったらどうするの?」
「ん〜そりゃあ帰るよ? おれの過ごしてた世界に」
「せっかくこっちに来る準備を整えて来たのに?」
「無条件に敵対する人間がいるなら居心地も悪いし」
「どんな世界でもそれって変わらないんじゃない? 少なくとも空閑君を送り出した人には申し訳無いと思うよ?
原作知識との噛み合わせと私個人の所見を合わせて情報を整理した。少なくとも原作と大きな乖離は感じない。そうなれば……
「そろそろマズイよね……」
私は南校舎を視界に含めながら呟いた。この後の恐怖に立ち向かう心の準備をはじめながら……
【首刈りウサギ】こと遊真君に原作知識込で多少踏み込んだ質問をしますが、下手に隠せば嘘を見抜かれるので修君以上の綱渡りを強制される亜樹ちゃんでした。
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本作に恋愛要素って期待してますか?
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必要
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不要
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亜樹に関しては必要
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亜樹が遊真のヒロインでは?