生まれた時から最強だった   作:roborobo

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第14話

 

【――ガハルドの夢の中】

 

ガハルド「はーっはっはっはっはっはっは!!!」

 

――ブツブツブツ……

 

ガハルド「いやーーーー! ついてねーのなんの!」

 

ガハルド「ここ最近の魔人族の襲撃!」

 

ガハルド「そのための奴隷の消耗!」

 

ガハルド「んでもって調達しようとして部下は返り討ち!」

 

ガハルド「それに付随して起きまくる各地の魔人族による被害!」

 

――ブツブツブツブツ……

 

ガハルド「そーんないやなことばっか起きてんだから変に酒を飲みまくってりゃ変な夢も見るもんだなぁ、オイ!」

 

――ブツブツブツブツブツ……

 

ガハルド「ほーーーーーーーーーんといやんなるな!」

 

ガハルド「はははははははははははは!!」

 

――ブツブツブツブツブツブツ……

 

ガハルド「そんでもって近くにはなんか人型の光ってるのが独り言でごちってるんだからわけわかんねぇよこぇえよ」

 

ガハルド「……夢? 夢だよな? 嫌に意識ははっきりしてるし、こう……あ、夢見てるんだーって感覚は確かにあるんだが……」

 

ガハルド「……おい」

 

――ブツブツブツブツ……

 

ガハルド「……おーい」

 

――……るっさいな……ちょっとあとに

 

ガハルド「あ、通じた……ってか話せるのかよ」

 

――……ん? えっ?

 

――人……?

 

――あ、あれ? 呼んだっけ……?

 

ガハルド「オイオイオイオイオイ、ご本人もなんのことかわかってねぇのかよ」

 

ガハルド「クソっ、どうせ夢を見せるならもっと希望のあるやつをだなぁ……」

 

ガハルド「で? なんで俺はここにいんだ?」

 

――えー……? なんで……?

 

――あ、てかあれじゃん。ガハルドじゃん

 

――エヒトをあんま信仰してない国の

 

ガハルド「まぁ、信仰うっすーいってだけだけどな」

 

ガハルド「あ? じゃあなにか? 俺事故みたいなもんでここに呼ばれたようなもんか?」

 

――……

 

――特に意味もなく呼んじゃったけど雑談でもする?

 

ガハルド「えー……そんな緩い理由で……?」

 

………………

 

――ふーん、ヘルシャー帝国って今そんな感じなんだ

 

ガハルド「まーな。元々が力で他者を圧倒するってのが俺たちのやり方だしな」

 

ガハルド「力をつけていく魔人族。それに翻弄される俺たち。そんな帝国の市民、貴族共に生活を支える奴隷の調達がうまくいーかーず……」

 

ガハルド「とま、ここんところ悪循環ってわけよ」

 

――……強いハウリア、ねぇ……

 

ガハルド「……テメェ、その口調だとなんか知ってんな?」

 

――……知ってたら?

 

ガハルド「力づくでも聞きだす」

 

――まぁ、別にいいけど

 

ガハルド「……自信があるみたいだな」

 

――お前より私のほうが強い

 

ガハルド「……」

 

――……

 

ガハルド「ふんっ、やめだやめ。不毛だろコレ」

 

――そらそうよ

 

――あ、ゲームやってかない? 一応、トータスの文化基準に合わせたボードゲームとか用意して……

 

ガハルド「いや、いいわそういうの」

 

――えー、こういうのって一緒にやれる機会なんてないしさぁ

 

ガハルド「あのなぁ、こっちだって暇じゃねぇんだよ。なんの実りもねぇ、得にもならねぇことはしたくねぇんだ」

 

――……

 

――……そういえばハジメたちの次の行き先は……(ボソッ)

 

――……

 

――わかった。多少なりとも実りのある話をしてやる

 

――どういう経緯か、ここに来てしまったお前を歓迎してやるためにもな

 

………………

 

――……とまぁ、こういった魔法とかそういうすんごーい魔法とかあるわけ

 

ガハルド「……ま、マジで……? 神代の魔法に……概念魔法……?」

 

ガハルド「そ、それがあれば俺の国も……!! うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!! この力! 帝国のためになるだろ、オイ!!」

 

ガハルド「……あ、でも今の話が本当は限らねぇよな……書物とか、研究者を総動員して……」

 

ガハルド「!! ああああああ! そういえばこっちに迷宮攻略者が来るじゃねーか! リリアーナ姫が協議するとかいって! 引き連れてくる奴ら!」

 

ガハルド「そうだ……! そいつらに裏取りをすれば……!」

 

――うーん、よかったよかった!

 

――……ま、どうせ覚えてられないからいいけどね(ボソッ)

 

ガハルド「? なんかいったか?」

 

――いんや? べつに?

 

ガハルド「んじゃ……うぉぉ!? 浮いてる!?」

 

――ああ、それ帰りの合図

 

――じゃーねー、その情報有効に使ってくれよー

 

ガハルド「お、おう! じゃーな!」

 

――ふぅー……終わった終わった……

 

――……帰ったな

 

――さーて、ちょっくらこっちもステータスプレートを調べるのに本腰……

 

 

バイアス「……んぁ? おい、どこだここ……」

 

 

――……えー……二人目ぇー……?

 

………………

 

…………

 

……

 

【ヘルシャー帝国の一室】

 

清水「……とまぁ、俺たちオタクには性癖の一つとしてNTR(寝取られ)ってもんがあるわけ」

 

檜山「……あー、はいはい! いわゆる横恋慕てきな? 略奪愛的なあれかぁー!」

 

檜山「知ってる知ってる! AVなんかでもよく見る奴だわ!」

 

清水「おぉ、だいぶ話わかってきてるじゃん。まぁ、ここら辺はスタンダードだもんな。有名どころの性癖だし」

 

檜山「俺もだいぶ理解を示せてきた気がするわ……おし! 次もうちょっとワンランク難しいの頼むわ! ギア上げてくれよギア!」

 

清水「あぁ、次のジャンルはな……」

 

清水「TSF、人格排泄、異形化、ふたなり、欠損――」

 

檜山「大丈夫!? いきなりトップギアだったりしない!?」

 

――ギャーギャー……

 

恵里「……なにやってんだあいつら」

 

イシュタル「はぁ、なんでもリリアーナ姫と勇者殿の協議が終わるまで、暇だから暇つぶしでもしようぜーってなことになってるそうですな」

 

恵里「暇をつぶすためにエグイ性癖の話を聞かされる檜山が不憫だな……」

 

鈴「あ、あははは……そ、そうだねー……」

 

恵里「……」

 

鈴「……」

 

鈴「あ、あのね、エリリン……その、鈴たちともお話を」

 

恵里「何を?」

 

鈴「あう……」

 

鈴「いや、だからね……私も……」

 

恵里「話すことなんて何もないでしょ」

 

鈴「……うぅ」

 

恵里「ボクとキミは最初から友達でもなんでもなかった」

 

恵里「それをさ、うざいんだよ」

 

鈴「……」

 

恵里「ボクは単なる裏切り者で、キミはボクが得をするために利用した踏み台なだけ」

 

恵里「……お前に、ボクの気持ちなんてわかりっこないよ」

 

鈴「……そ、それは……」

 

イシュタル「はー、なんともしちめんどくさい話をしておりますな」

 

恵里「何? 裏切り者代表さん」

 

イシュタル「はて、私は裏切った覚えがありませんが?」

 

イシュタル「私は最初から利用されていた哀れな被害者。そこから無事に立ち直り、私は自分の足で明るい未来を目指そうと心掛けているのです」

 

イシュタル「過去は過去、今は今。己の行いを改めて、それでもなお明るい未来をあきらめない。それこそ、人の強さなのです」

 

恵里「……」

 

恵里「嫌なんかすごいええこと言ってる風だけど、あんたには言われたくないな……なんか……」

 

清水(俺もダブルスタンダード染みてると思うの)

 

イシュタル「ふむ、複雑な感情や心情を嚥下し、消化するのであれば舌が二枚あっても足りませんからなぁ」

 

清水(読まれてる!?)

 

イシュタル「現実に起きた情報を自身の中で処理しきれないからこそ、その余裕なき心が『空想』と『妄想』を産む」

 

イシュタル「人は、思っている以上に自分に余裕が持てない生き物です。自分の中の落としどころを見つけられるものは、情報を嚥下し、咀嚼し、消化できる」

 

イシュタル「しかし、処理しきれず、落としどころを見つけられない物はいつまでも口の中にずーっと含ませ続けるしかない」

 

イシュタル「あなたみたいにね」

 

恵里「……何がいいたい」

 

 

イシュタル「あなた、何か過去に後ろめたいものがあるのでは?」

 

 

恵里「――っ!!??」

 

鈴「……えっ?」

 

清水「……??」

 

檜山「……」

 

イシュタル「人は己の犯した罪を背負いきれず、何らかの形で処理をしたがる。その重荷を、放り投げたくなる」

 

イシュタル「神による罰とは、まさにそのための重荷を放棄するための手段の一つなのです」

 

清水「い、いやいやいや……ちゃんと罪に向き合ってることのどこが……」

 

イシュタル「罪と向き合う事と罰を受けることはイコールではございませぬ」

 

イシュタル「むしろ……罪と向き合うことが出来ないからこそ、自分はそれ相応の罰があって、初めて自分は許されたのだと……軽くなることを願うのです」

 

イシュタル「ゆえに、人の人格形成や心の仕組みとは……幼少のころから決まる」

 

イシュタル「神とは、罰とは……そんな人間の心を処理するための手段であるというのならば」

 

イシュタル「あなたの中を処理する『それ』はなににあたるのでしょうかな」

 

恵里「……ばっかばかしい……」

 

恵里「……なんだよ、お前……」

 

鈴「……え、エリリン……?」

 

……ガタッ……

 

恵里「もういい、お腹減った」

 

恵里「ごはん、運んでもらってくるから。ねぇ、あんたたちも何か頼んできなよ」

 

清水「あ、あー……じゃあ俺! チキン! 鶏肉くいたいなぁーって!」

 

清水「あ、檜山はどっちにするー?」

 

檜山「……」

 

恵里「……檜山?」

 

鈴「檜山君?」

 

檜山「……」

 

檜山「ワァ……ァッ……!」

 

鈴「泣いちゃった!」

 

恵里「えっ、ちょ、なんで!? 何があった!? 何したんだお前!?」

 

清水「べ、別になにもしてないよ!?」

 

清水「ただ、いろんな性癖の話をしてるうちに『父親キャラのTSF腹ボテ出産シチュ』のコトを話してあげたら突然……」

 

恵里「加減しろ莫迦!!!!」

 

鈴「処理しきれるかンなもん!!」

 

イシュタル「異文化コミュニケーションは怖いですなぁ」

 

………………

 

…………

 

……

 

【ヘルシャー帝国での一室】

 

ガハルド「ふむ……さて……」

 

リリアーナ「……」ゴクリ……

 

ハジメ「……」

 

雫「……」

 

光輝「……」

 

ガハルド「まーず、何から話をはじめよっか……なぁ?」

 

ハジメ「……」

 

ハジメ(なぁ、姫さん。あんた、さきにガハルドと話し合って俺たちのことを話したんだろ?)

 

リリアーナ(え、えぇ……そのつもりですけど)

 

ハジメ(……奴のところには、すでにハウリアたちのことが伝えられている、はず)

 

ハジメ(あいつらは、奴らに対する抵抗のために俺の渡したアーティファクトで抵抗した)

 

ハジメ(それらの武器はこの世界ではまず見られない物だ。さらに、聖教教会の山で起きた光の柱……)

 

ハジメ(俺というイレギュラーな存在、さらにはハウリアたちの存在……何らかの結びつきを感じてもおかしくはない)

 

ハジメ(だから、先に俺に話しかけて……力至上主義のこいつならすぐに飛びついてくると思ってたんだが……)

 

ハジメ「……」

 

ガハルド「……ふむ」

 

ガハルド「あれだな、変に腹の探り合いをしようとしたところで話進まねーわな」

 

ガハルド「おーい! お前らとっとと引っ込んでていいぞー」

 

――ザワザワ……

 

ガハルド「すっげぇ個人的な話だからよ。聞かせるわけにはいかねーの」

 

ガハルド「とっとと消えろ」

 

――……ススッ……

 

リリアーナ「い、今のは……」

 

雫「『隠れて』たのよ。部下が何名か」

 

リリアーナ「……っ」

 

光輝「何かあったときのために護衛がいたんだろうな。それも、天井裏にも……」

 

ハジメ「……本題に入ろうってか?」

 

ガハルド「あぁ、単刀直入に聞く」

 

ガハルド「オメェ、俺たちに何を頼みに来た」

 

ハジメ「……」

 

スッ……

 

光輝「? 南雲……?」

 

ハジメ(……俺は、この帝国を灰塵にしてやれるほどの力を持っている)

 

ハジメ(このトータスが危機に陥っているのに、俺だけがイレギュラー性を持った、力を持つ個人としてこの世界に存在している)

 

ハジメ(そう、俺は何でもできる。なんでもやり通せる。それは、こいつらを滅ぼすことが出来るということは……)

 

ススッ……

 

ガハルド「……『設計図』?」

 

ハジメ(『得』させることだって、出来るってことだ……!)

 

 

ハジメ「――『自立可動式ゴーレム』の設計図だ」

 

 

ガハルド「……ゴーレムの設計図だと?」

 

ハジメ「迷宮の魔法で得た俺が作り出した特別製のゴーレム。詳しい原動力や能力につい省くが、これはお前たち帝国に対して奉仕するために設計された自立可動奉仕人形だ」

 

ハジメ「日常生活におけるサポート、過酷な労働力に耐えうる耐久性。あらゆる面で、こいつらはお前ら帝国にとって……」

 

 

ハジメ「『奴隷』に変わる新たな労働力になりうる優秀な『道具』だ」

 

 

光輝「……! 南雲……!」

 

リリアーナ(……なるほど、そう来ましたか)

 

リリアーナ(ヘルシャー帝国の今一番の問題点は奴隷の消耗。道具が消耗したのならば新たに買いなおせばいい)

 

リリアーナ(ハウリアを都合の良い道具という、相手と同じ目線に立ったうえで、より優れた『道具』の存在を提示した、か)

 

ガハルド「……」

 

ガハルド「ハウリアの良さは労働力だけじゃねぇ。その見目麗しさによる、肉体的、外見的魅力にある」

 

ハジメ「それについても承知している。次のページを見てくれ」

 

ガハルド「……っ! これは……外見が、ハウリア以上に……!」

 

ハジメ「このゴーレムは、外見を好きなようにデザインできる。客のオーダー次第では、各々の好みに顔、体型、抱き心地による細かな部分のデザインも可能だ」

 

ハジメ「性産業という点では、むしろこちらのほうが都合がいいぐらいだ。なにせ、道具である以上、疲れを知らないし、嫌味な顔を向けることは絶対にしない。しかも道具だから『病気』による心配もない」

 

ガハルド「……ふぅーん」

 

ガハルド「で、これを出す以上は……見返りはなんだ?」

 

ハジメ「……」

 

 

ハジメ「奴隷の解放」

 

 

ガハルド「……ほぉ」

 

光輝(! 本題……!)

 

ハジメ「お前にも見せてやった通り、俺の提案したゴーレムはすべてにおいてハウリアたちの代替になる優れた『道具』だ」

 

ハジメ「扱いようによってはむしろ生きてる奴隷を使うよりかはかなり便利だ。神代魔法によって作られるこいつらは基本的に壊れない、半永久的に利用できる」

 

ガハルド「……」

 

ハジメ「しかも、こいつらはやりようにっては労働力や『女』としてだけでなく『護衛』にも使える。兵士としてもな」

 

ガハルド「……」

 

ハジメ「……答えを聞こうか。ヘルシャー帝国の皇帝、ガハルド」

 

ガハルド「……」

 

ガハルド「あぁ、わかったよ。お前のことが」

 

ガハルド「この提案だが――」

 

 

ガハルド「受け入れるわけにはいかねぇな。そのゴーレムもろとも」

 

 

ハジメ「……っ」

 

光輝「えっ……」

 

リリアーナ「……」

 

雫「な、なぜですか……?」

 

ガハルド「……南雲ハジメ。お前が俺に聞かせたその道具、すっげぇーー……便利だわ」

 

ガハルド「便利すぎる。あまりにも」

 

ハジメ「……訳を聞かせてもらおうか」

 

ガハルド「お前のそれらはな、あまりにも多機能なんだよ」

 

ガハルド「俺たちが亜人族に求めているのは『労働力』、『性産業による人形』の二つくらいが基本で、『護衛』としては求めてねぇ」

 

ガハルド「確かに亜人族と比べてこいつらは疲れや死というものを知らない。それを取っ払ってるからこそ、いつまでも使えるっていう利点がある」

 

ガハルド「でもな、いつまでも使えるってことは『消耗』しないってことだ。増えるけど減らないってことは商品としてどこまで増やしていいか……いわば生産していいかわからなくなる」

 

ガハルド「あいつらのことは殺すし減らす。でも、生きたいという気持ちがあるから勝手に産めよ増やせよと増える(生産)される」

 

ガハルド「それを、季節の果物や野山の山菜のごとく、ちょうどよい感じに取りに行く。それが奴隷商人というもんだ」

 

ガハルド「さしずめ、女の腹はまさに畑ってわけよ。ククク……」

 

雫「っ……最低……」

 

ガハルド「それでもよ、女の体は、それでも年を取れば使えなくなる。だが、それは言い換えてしまえばいい感じに使い捨てられる時期があるってわけだ」

 

ガハルド「それにな……そもそもお前のそれって値段はいくらだ?」

 

ハジメ「ゼロ」

 

光輝「ゼロ!?」

 

ハジメ「俺の魔力ならば実質的にいくらでも造り出せる。需要があるならば、いくらでもな」

 

ガハルド「ほへー、そりゃすげぇや」

 

ガハルド「んじゃ、誰でもお買い求めできるわけだ」

 

ハジメ「あぁ、そうだ。だから……」

 

 

ガハルド「じゃあ、際限なく誰でも買って行っちまうわけだ。それも、平民だろうが貴族だろうが……な」

 

 

ハジメ「……チッ」

 

ガハルド「世の中値段が高い宿屋やら飯屋があることを不満に思うやつらがいたりする。でもな、高い金を要求されるってのは単純に飯やらベッドの質を高めるためじゃねぇ」

 

ガハルド「仕事してる側からすりゃ、その金に見合った客が相手をしてくれるって場合もあるからだ」

 

ガハルド「見合った頭もねぇ、学もねぇやつが、そんな便利すぎるもんを与えりゃどーなる?」

 

ガハルド「しかも……そんなかに、あからさまに露悪的でヤベー奴が悪用しよう、なんてことになったら?」

 

ハジメ「……」

 

ガハルド「便利すぎるうえに、購入層が広すぎる。しかもな、もっとヤベェのが……」

 

ガハルド「『護衛』まで出来ちまう。これが一番最悪だ。つまり一個人が神代魔法の力を宿した『武力』を手に入れちまうわけだ」

 

ガハルド「……この時点でな、お前の『ゴーレム』は『ハウリア』の代替品にならねぇんだよ」

 

ハジメ「ハウリアよりも便利……それでもか」

 

ガハルド「何度も言わせるな。便利すぎるんだよ」

 

ガハルド「お前はもっともっとと色々な機能を取り付けて、そうすりゃ俺が飛びつくと思ったんだろうな。だけど、お前は便利すぎて逸脱させちまった。その時点で――」

 

 

 

ガハルド「お前が売ってるのは『奴隷』じゃない。代替品にならねぇもんを見せつけたところで、この交渉は最初から話にならねぇわけさ」

 

 

ハジメ「……クソッ」

 

ジャキッ……

 

ガハルド「んで、力づくでいくために銃をちらつかせるか」

 

光輝「な、南雲!!」

 

雫「南雲君!?」

 

ハジメ「ハウリアたちを解放しろ。命が惜しければ、無駄な抵抗をしないでくれ」

 

ガハルド「……ふむ」

 

リリアーナ「……っ」

 

ガハルド「お前、あれだな。あんまり誰かと対等に話した経験ってないだろ」

 

ガハルド「すごい力、すごい能力、すごい技術。お前とやり取りして分かったことがある。お前の本来のやり方や、そのやり口も」

 

ガハルド「……なるほどねぇ。自分から逸脱しちまってるわけか。そりゃブレるわけだ」

 

ハジメ「? 何の話を……」

 

ガハルド「あぁ、こっちの話だから」

 

ガハルド「……うん、うん……そうだな」

 

 

ガハルド「わかった。ゴーレムの話はともかくとして『奴隷解放』の部分については呑んでやる」

 

 

ハジメ「……え?」

 

光輝「あ、あれ?」

 

リリアーナ「い、いいんですか?」

 

ガハルド「……マジな話をするとだな、お前がゴーレムの話を持ち掛けようがどーしようが、こっちはどーにもならねぇわけ」

 

ガハルド「魔人族による襲撃、疲弊する帝国。それで亜人族の調達に行ったらやたらめったら強化されてる亜人たち」

 

ガハルド「バカでもわかる。あぁ、慎重に動かなきゃどーにもならんことが、裏で起きてんだろうってな」

 

ガハルド「だからお前がどーしようが、こっちは最初からお前たちに縋らなきゃいけなかったってワケ。腹立たしいことにな」

 

雫「え、えーと……それじゃあ、協力してくれるってこと……ですか?」

 

ガハルド「だからさっきも言ったけど、俺はどんな要求も呑むしかねぇ立場なんだよ。お前らは自覚ねぇみてぇだけど」

 

ガハルド「……そろそろ銃しまってくんない?」

 

ハジメ「あ、あぁ……」チャキッ……

 

ガハルド「……ただ、そうだなぁ……ちょっとだけでも俺の要求を呑んでくれるなら……ふむ」

 

 

ガハルド「南雲ハジメ、俺と決闘しろ」

 

 

………………

 

…………

 

……

 

 

 

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