生まれた時から最強だった   作:roborobo

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第5話

 

 

【???】

 

檜山「……」

 

檜山「……んだよ」

 

檜山「んだってんだよ……」

 

檜山「……」

 

檜山「なんで俺が、なんで俺が責められなきゃなんねぇんだ? あ?」

 

檜山「……なんだよっ」

 

──ガァンッ!!

 

檜山「んだよんだよっ! なんだってんだ! あぁっ!?」

 

檜山「俺をこんな場所に連れてきてよぉ! 俺をこうやって追い詰めようとしてよぉ!!!」

 

檜山「俺がっ……俺がなにしたってんだよ!!」

 

檜山「なにも……っ、なにもっ、してねぇ……!」

 

檜山「……な、にも……」

 

檜山「……」

 

 

──ほんとうに?

 

 

檜山「ひっ……!!」

 

──ほんとうに?

 

檜山「あっ、んだよっ!? な、なにか、何か証拠あんのかよ!!!」

 

檜山「おれがっ、おれがっ……だ、だって……」

 

檜山「あ、あれは事故だったろ……!? 魔法がいっぱい飛んでて、俺もあのバケモンどうにかしなきゃって……!」

 

檜山「み、みんな必死だった……俺はっ、俺はみんなと協力しただけだ!」

 

檜山「だから事故だ! 事故だ!!」

 

檜山「だ、から……っ」

 

檜山「──ぁ゛……」

 

──……

 

──うそつき

 

檜山「……っっ!!」

 

──ガシャァンッ!!!!

 

檜山「ああああああああああああああああああああああああああー゛ー゛ー゛ーーーーーーー!!!」

 

檜山「あ、あ、あ、あ、あ、あっ、あいつ、あいつがっ、わるいんだっ……!! お、おれ、れっ……! おれはっ、ぐ、ぐうぜんだ……!!」

 

檜山「あいつ、あいつはっ、あのクソキモおたくのくせしてっ、おれのっ、おれの、俺の白崎をっ……!!」

 

檜山「あいつは、死んだんだ……! 死んだなら、あいつは俺の、ものになるんだっ……!!」

 

檜山「だ、だれ、もっ……わ、わたす、かっ……!!」

 

──……

 

──ひとごろし……

 

檜山「あっ、うぅ、ぁっ……!!」

 

檜山「ち、ちがぁっ……!!」

 

──……ずーっとお前は人殺し

 

──かわらない、かわらない……

 

檜山「あっ、あっ……ぁぁっ……!!」

 

檜山「あ゛あ゛ア゛------っ!!!」

 

………………

 

…………

 

……

 

【──奈落の底】

 

南雲ハジメ 17歳 男 レベル:???

 

天職:錬成師

 

筋力:30000

 

体力:30000

 

耐性:30000

 

敏捷:30000

 

魔力:30000

 

魔耐:30000

 

技能:錬成……

 

…………

 

グッグッグッ……

 

ハジメ「あ゛ー……気持ちいわユエさんや」

 

ユエ「いえいえどうも」クスクス……

 

ハジメ(みなさんお久しぶりです、ハジメさんです……って、誰に向かって言ってるんだ俺)

 

ハジメ(奈落の絶望へと落ちて行った先にあったのはベヒモス以上に厄介な試練と困難がたっくさん待ち受けていました)

 

ハジメ(……いや、本当によく死ななかったもんだわ)

 

ハジメ(ウサギに狼、熊……あの魔物たちを相手にしていて、俺は何が何でも生き残ろうと戦った)

 

ハジメ(蹴られた、殺されかけて、腕も食われて、ぎりぎりのところをかなり激レアなポーションの原液を呑める場所を見つけて、命を繋いで……)

 

ハジメ(理不尽と裏切りに、怒りで頭がはちきれそうで……)

 

ハジメ(だから、俺は決めたのだ)

 

ハジメ(戦う事を)

 

ハジメ(理不尽から身を守るために、戦い抜くために)

 

 

ハジメ(立ちふさがる奴は──全部、『敵』だ)

 

 

キュッ……

 

ハジメ「……?」

 

ユエ「ハジメ、どうしたの? マッサージ、痛かった?」

 

ハジメ「……いんや、気持ちよすぎて寝ちまいそうだった」

 

ユエ「ふふっ、ありがと」

 

ハジメ「……」

 

ハジメ(身内に裏切られた吸血姫。それが、今じゃ、誰よりも特別な存在だ)

 

ハジメ(傍に寄り添ってくれる彼女の存在か……ははっ、地球ではボッチのオタクだったころを思うと全然考えられねぇな)

 

ユエ「……むぅ、ハジメったらなにニヤニヤしてるの」

 

ハジメ「なんでもないって」

 

ユエ「うそ。絶対何か考えてた」

 

ユエ「ハジメは出会った時からそう。いつも一人で勝手に考えて、勝手に行動する」

 

ユエ「封印されていた私を見たとき、声をかけなかったら出ようとしたのはひどかった」

 

ハジメ「いやぁ……常識的に考えて罠を考えるだろあれは」

 

ユエ「私を撃とうとしたこともあった」

 

ハジメ「あれは……えーっと」

 

ハジメ「すまん。言い訳が思いつかん」

 

ユエ「そもそも言い訳はダメ」

 

ハジメ「言い返すことも出来んわ。ははっ」

 

ユエ「……」ジーッ

 

ハジメ「? どうした」

 

ユエ「ハジメって、故郷でもそんな感じだったの?」

 

ハジメ「は……?」

 

ユエ「身勝手で、わがままで、自分の我を貫き通す感じ」

 

ユエ「あれはちょっとやそっとじゃ根付くものじゃない。故郷でも割と協調性なかったりした?」

 

ハジメ「ひっでぇ言われようだ……あー、うん……」

 

ハジメ「どうだろうな……俺は元々大人しい方だったし」

 

ユエ「……? そうなの?」

 

ハジメ「ああ、そうだ。おやさしいハジメさんはみんなの人気者だったんだぜ?」

 

ハジメ(イジメ方面で)

 

ハジメ(……)

 

ハジメ(俺は、変わってしまったように思う)

 

ハジメ(あれだけ争いごとを嫌っていた俺が、今じゃ敵の命を奪うのに躊躇していない)

 

ハジメ(喧嘩なんて嫌だから、土下座でやり過ごしていたこともあった)

 

ハジメ(……なんつーか、ははっ……これを父さんと母さんに知られたらどう思われるんだろうな)

 

ハジメ(……)

 

ハジメ(眠い……)

 

ハジメ(……)

 

ハジメ(……今日の夢に、『あいつ』は出てくるんだろうか)

 

ハジメ(……もしも、もしも出てきたら……)

 

………………

 

…………

 

……

 

【???】

 

──おっひさー!

 

ハジメ「……」

 

──……うわっ、ちょっ、何その恰好。イメチェンの範囲超えてるでしょ

 

──なに? ハガ〇ンのエ〇? 東京食〇のカ〇キ?

 

──なんか普段の趣味からしてすっごい似合って……

 

ハジメ「答えろ。テメェは何者だ」

 

──んなこた、また今度でもいいでしょ

 

──それよりもそんなんでエヒトに勝てると思ってんの? オルクスの迷宮を攻略したら『アレ』はもう見たんだろ?

 

──このトータスを抜け出して元の世界に戻るには戦うしかない

 

──そのためにも協力してるんだからさぁ……

 

──っべ、っべー! ヒント出しちゃった! っべーーー! 何者なのかヒント出しちゃったよっべーーー!!

 

ハジメ「……」

 

──……オイオイ反応してくれよ。いわゆる伏線だぜ? アニメが好きな人は誰でも好きな……

 

ハジメ「伏線だろうが何だろうが今ここで聞き出せば全部回収できるだろうが」

 

──それなんて打ち切り漫画?

 

ハジメ「……答えろ、お前は何者だ」

 

──……

 

ハジメ「テメェは地球にいたころから俺の夢に出てきていた。つまり、この時点でテメェはトータスから地球に干渉できる何者なのかを答えているようなものだった」

 

ハジメ「俺が考えれるのは二つ。先ほどのオルクスの件を合わせて……テメェは『トータスに連れてきた敵』か……」

 

ハジメ「『トータスに連れてきた解放者……の関係者』ってところか」

 

──……あながち間違いじゃないかな。うん

 

ハジメ「それと……俺のステータスだが……」

 

──ああ、あれか。すごいねー、まさか魔物食ってああなるなんて……

 

ハジメ「問題はそこじゃねぇ。『上がり』すぎだ」

 

ハジメ「当初の頃と比べてステータスが上がるってんならまだいい。問題なのは、俺が食ってきた魔物のスキルの中で、見覚えのない奴がいくつか紛れ込んでることだ」

 

ハジメ「お前……俺の体に……」

 

──あー……ま、ほら。言ったじゃん。協力者だって

 

──攻略しやすいようにたびたびステータスとスキルをちょこちょこ継ぎ足しておきましたってね

 

ハジメ「んな、秘伝のタレ感覚でお前……」

 

ハジメ「……チッ、つまりはこの世界を救ってほしいからお前は俺に干渉してきたってことか」

 

──……それだけじゃない、とは言っておく

 

ハジメ「は?」

 

──私は、実の所を言うとお前のことを個人的に気に入ってる

 

──地球の文化、アニメ、マンガ、娯楽。お前と知ってから楽しめたものを含めて……ほんとうに、充実した日々だったように思ってる

 

──敵意なんてない。なんだったら、友情があるくらいだ

 

ハジメ「……」

 

ハジメ「元の世界に帰る協力はしてくれるんだろうな」

 

──するさ。でも、そのためにもキミはこの戦いに参加するしかない

 

──この、狂った神の戦争……という名の茶番にね

 

ハジメ「……」

 

ハジメ「お前は、この世界を救いたいのか?」

 

──……想像に任せるよ

 

──ただ、友情を感じてるお前に協力をしたい。これは本物だ

 

ハジメ「……」

 

ハジメ「何が協力だよ」

 

ハジメ「テメェが俺をこの世界に連れてこなければ、俺は『変わる』ことはなかった」

 

ハジメ「テメェはこの落とし前をどうつけてくれるんだ? あぁ?」

 

──……

 

ハジメ「……とまで言うつもりはねぇよ。バッカらし──」

 

──『変わった』。本当に、変わったのか?

 

ハジメ「は……?」

 

──……私は、お前は変わっていない様に思うよ

 

──ずっとね

 

ハジメ「……??」

 

ハジメ「いや……いやいやいや……なんでだよ。お前に俺の何が……」

 

──わかるさ。友情を感じてるからね

 

ハジメ「……?」

 

──……一つ、聞いて良いかな

 

──君は、もしも君自身のことを殺そうとした人間に出会ったら……どうする?

 

ハジメ「……」

 

ハジメ「知らねぇよ。興味もねぇ」

 

ハジメ「きっと……適当に見逃すだろうさ」

 

──……そうか

 

──そっか、それだけ聞ければもういいや

 

──……これから、君はとある少女に出会う。彼女との出会いが、君にとって大きな運命の転換点になる

 

ハジメ「……ふーん」

 

──……

 

──あとレアスキル持ちだから故郷に帰るのに役立つよ

 

ハジメ「おっしゃ仲間にしたろ」

 

──うーんこの……

 

ハジメ「! 時間か……」

 

──……また、ここに来るといい

 

ハジメ「ああ、わかってる」

 

──……じゃあな

 

………………

 

…………

 

……

 

【???……幾度目かの会話】

 

──……殺しちゃったんだよ?

 

──殺しちゃったんだよ……

 

檜山「いうな……! いうなぁぁぁぁ……!」

 

檜山「何度も、何度も……! おれの、『夢』に、出てきやがってっ……!!」

 

 

 

檜山「──俺の夢にっ、でてくるんじゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

 

………………

 

…………

 

……

 

 

 

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