トリニティシツジモドキ「お嬢様、こちら午後の紅茶をフレイムスロワーで温めたものになります」   作:ヤツメタウミエル

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オ"ア"ァ"ーーーーーッ"?!(ブルアカ新PV視聴)
あああああどうしようどうしようどうしよう


「コンプラ的な問題でしょうか」

 第一次特別学力試験があった日の夜中。ヒフミの発言に違和感を感じた先生は、ナギサに補習授業部の詳細について尋ねた。

 その結果分かったのは、補習授業部が、エデン条約の障害となる『トリニティの裏切り者』を見つける、もしくは裏切り者ごとまとめて生徒達を退学にするための部活ということだった。そして先生は『トリニティの裏切り者』を探すよう頼まれたものの、それを断る。

 そんなこんなで、第一次特別学力試験を突破できなかった補習授業部は合宿に突入するのであった。

 

「ここが私達の合宿場所です。ようやく着きましたね、ふぅ……」

「しばらく使われていない別館の建物と聞いたので、冷たい床で裸になって寝ないといけないのかと思ってましたが……広いですし、きちんとしてますし、可愛いベッドもあって何よりです。これならみんなで寝られそうですね、裸で♡」

「さっきから何でちょいちょい『裸』を強調するの!? それにベッドの数もちゃんとあるんだから、みんなで寝る必要無いでしょ?!」

「お言葉ですが、雪山や氷河ではそうしないと最悪死ぬような状況もあり得ますよ」

「どういう合宿を想定してるのよ?!勉強合宿よ?!」

「ですがコハルちゃん、勉強合宿ならそういうお勉強も必要ではないでしょうか?」

「ええー?!せっかくの合宿なのに、そんな極限状態まで追い詰められたくありません!」

「二人とも認知がズレてるのよ!せめて方向性だけでも統一して?!」

 

 どこにでもリタが小ボケを挟んでくるせいで、ハナコとコハルのやり取りも妙にこじれていく。ヒフミはどうにか仲裁しようとしたところで、アズサが居ないことに気付いた。

 

「あれ?アズサちゃんは……」

「0930、偵察完了」

「て、偵察……?」

「トリニティの本校舎からはかなり離れてるし、流石に狙撃の危険は無さそう。外への入口が二つだけというところも気に入った。いざという時は片方の入り口を塞いで、襲撃者たちを1階の体育館に誘導した上での殲滅戦が有効になるかな。まあ他に幾つかセキュリティ上の脆弱性も確認できたけど、改修すれば問題無い範囲だ」

「戦術的にはそれでいいでしょうが、アウトレンジからの砲撃にはどう対応しましょうか。老朽化していますから、外壁や天井が破壊されかねません」

「それも問題は無い。倉庫に旧式の無反動砲付き二輪車があったから、長期戦に持ち込めば夜間の破壊工作である程度妨害できる」

「となると、警戒すべきは戦略爆撃ですね。後ほど簡易的な対空砲台を設営して……いや、短期間かつ小規模な拠点ですので、重要施設の隠蔽だけでも大丈夫でしょう」

「いや、たとえ銃座一つでも反撃能力があるだけで精度低下や心理的効果が見込める。余裕があるなら用意しておくに越したことは無い」

「確かにそうですね。御意に」

 

 このままでは、早晩には合宿所が要塞化してしまうだろう。

 

「あの、アズサちゃん・・・・・・私たちはここへ戦いに来たのではなく、勉強をしに来たんですよ……?」

「うん、分かってる。一週間の集中訓練だろう? 外出禁止、自由時間は皆無、24時間一挙手一投足まで油断することは許されないハードなトレーニング」

「えっ?!……せいぜい1日20時間狭い部屋でカンヅメにされて怒号を飛ばされるくらいで済むと思っていたのですが……?!」

「合宿に対するイメージがおかしいですよ?!そこまで過酷じゃないです!」

 

 さらにアズサとリタは、大量の装備を確認し始めた。特にリタは軍用バックパックがギチギチになる量なのだが、おそらく勉強合宿に必要無いものがほとんどだ。

 

「きちんと準備もしてきた。体操着や細かい着替え、衛生面の歯ブラシや歯磨き粉、石鹸、非常食、毛布、水筒……」

「さすがはアズサちゃん、用意周到ですね」

「万が一の敵襲に備えて対人地雷とクレイモアも用意してきた。あとは即席爆発装置(IED)の材料になりそうなもの一式と、対戦車地雷も多少―――」

「あとはこちらを。ブレンMk.3軽機関銃、携帯ガスコンロ、ソーラー充電器、イリジウム衛星携帯、鎖鎌、照明器具、虫よけ、ダイナマイト、手網、浄水ボトル、アルミシート、マクアダムシールドシャベル、水蜘蛛、スパイクナックル付きスペツナズナイフ、八九式重擲弾筒……」

「リタ、装備は取捨選択しないと」

「必要最低限のものだと認識しておりますが……」

「重量や体積が増えると、移動速度が低下して物資を無駄に消費することになる。そうなるといたちごっこだ」

「ああ、それでしたら良い解決策がございます。頑張って早く歩けばよろしいのです」

「根性論で能力を引き出そうとしても、身体の負担を見誤りかねないぞ」

 

 この後合宿所には、人数というボトルネックをトラップや経路によってカバーし、強力な火線を構築可能な要塞が出来上がっていくのだが、それはまた別の話である。

 

「きちんと勉強をして、第二次特別学力試験にはどうにか合格する。その目標のためにここに来たんだ……迷惑は、かけたくない」

「アズサちゃん……」

「私は皆様がドン引きしすぎてキヴォトス一周の旅をするくらい迷惑をかけるかもしれませんが、よろしくお願いしますね」

「アンタはもうちょっと自重しなさいよ」

 


 

 初日はまず、別館の大掃除をすることになった。ヒフミ達は体操服に着替え、運動場に集まっていた。

 

「なんでリタはメイド服なの?!」

「トリニティ指定の体操服が無いので、掃除用に着てきたのですが……やはり似合いませんか。もしくは、C&Cとかのコンプラ的な問題でしょうか」

 

 トキへの対抗心を燃やしているのか、それとも単に着てみたかったのか、リタは数日前モモゾンでメイド服をポチっていた。ミカの執事になってからというもの、彼女のクローゼットは徐々にギチギチになってきているのだ。

 

"大丈夫、可愛いよ!たすかる!"

「ハッピーでございます。いぇーい」

「お待たせしました、みなさん早かったですね?」

「?!」

 

 リタの服装は若干おかしかったが、明確におかしい奴の登場によってその辺は有耶無耶になった。

 

「アウトーーーーー!!!」

「あら……?」

「何で掃除するのに水着なの?!バカなの?!バカなんでしょ?!バーカ!!」

「ですが動きやすいですし、何かで汚されても大丈夫ですし、洗い流すのも簡単ですよ?」

「確かに一理ある。でも、手足の保護ができないのは問題だ」

「ラッシュガードなら完璧ですかね」

「そういう問題じゃないでしょ?!水着はプールで着るものなの!っていうか、だっ、誰かに見られたらどうするの?!」

「誰かも何も、ここには私たち以外いませんよ……?」

「と、とにかくダメ!アウトったらアウト!あんたはもう水着の着用禁止!」

「あらあら」

 

 結局ハナコもリタも、それぞれ体操服と市販のジャージに着替えることとなった。

 


 

 雑草やガラクタを片付け、ホコリを払い、汚れを拭き取っていく。長年掃除されていなかったからか、大幅に綺麗になった。

 

「この辺りは終わりですかね」

「わぁ、ピカピカです!リタちゃん、掃除できるんですね!」

「以前の職で、掃除するよう言われた倉庫を更地にしたことがありまして。基本的なことは教わっております」

「どうして掃除でそんなことになるんですか?!」

「私としては、目標地点の兵力と設備を一掃する以外に、『掃除』というものが存在したことがカルチャーショックでございます」

「今私もカルチャーショック受けましたよ?!」

 

 他の場所でも各自が真面目に掃除をしていき、残すは屋外のプールだけになった。

 

「こうして放置されてしまったプールを見ていると……何だか寂しい気持ちになりますね」

「このサイズだったし、昔はきっと使われていた時期もあったんだろう。元々は、にぎやかな声が響き渡っていた場所なのかもしれない。それでも、こんな風に変わってしまう。『vanitas vanitatum』……それが、この世界の真実」

「えっと……」

「!」

「……?」

「古代の言葉ですね、『全ては虚しいものである(vanitas vanitatum)』……確かに、そうなのかもしれません……」

「しかし結局、今ここには私達がおりますよ?昔の方の言うことはよく分らないものですね」

「……そうですね。皆さん、今から遊びましょう!」

「えぇっ?!」

「水着……いえ、何でもいいので濡れてもいい格好に着替えてきてください!」

"何だかハナコの目が怖い……"

「先生もです!」

"?!"

 

 しばらくして、一同は水着に着替え、プールに戻った。リタは学園指定のものではないものの一般的なスクール水着、他はトリニティ指定の水着を着ている。若干一名を除いて。

 

「待て待て待てっ?!あんた掃除の時は水着でどうして今度は制服なの?!本当にバカなの?!『濡れても良い服』ってあんたが言ったんじゃん?!」

「コハルちゃん、これは各々の美学の問題ですが……水着と制服、どちらの方が濡れた時に『良い感じ』になると思いますか?」

「何の話?!」

「ふふっ、まあ半分は冗談ですよ。ほら、実は中にビキニを着てるんです。先ほどコハルちゃんに『水着の着用禁止』と言われてしまいましたし、確かに学校ではスクール水着の方が鉄板ですが……今日はこれで許していただけませんか?もしくは、下に一切何も……」

「なんで私に聞くのよ?!勝手にすればいいじゃない?!生殺与奪の権を他人に握らせるのはダメ!」

「うふふ、ではそういうことで。あらためて、お掃除始めましょうか!」

 

 皆がブラシでタイルを擦ったり、ハナコが手に持った管から液体をまいたりして、プールの汚れを落としていく。

 

「見てください!虹ですよ!」

「ひゃっ?!ハナコちゃん、冷たいです……!」

「水鉄砲を喰らえでございます」

「甘い。既に手は打ってある」

「なっ、バケツで即席のトラップを……しかし、この程度!」

「っ、あの状態から正確な狙いを……?!」

「掃除中でしょ?!もうちょっと真面目にやって!」

「では水鉄砲の代わりに、こちらの高圧洗浄機を使いましょうか。遊べて汚れも落とせて、一石二鳥でございます」

「それさっきの掃除でも使えばよかったじゃない!」

「あっ」

「バカ!」

 

 途中で『オモチャ枠』に入れられ忘れられていた高圧洗浄機が登場し、手っ取り早く掃除を終わらせたはいいものの、結局プールに水を張るのに時間がかかり日は暮れてしまった。

 


 

「結局、プールに入って遊ぶことはできませんでしたね……」

「そういえば、水を入れるのは結構時間がかかるものでしたね……ごめんなさい、失念していました」

「……いや、謝ることはない。十分楽しかった」

「……綺麗」

 

 プールを眺めていると、リタがプールサイドに歩いていき、アヒルのおもちゃを流した。

 

「ヨーソロー、と」

「わぁ、アヒルのオモチャです!」

「せっかくですから、用意しておきました。マイナス20℃の海を耐え抜いた英雄でございます」

「この時間になるのを見越していたのか。用意周到だな」

「そしてこちらは、ポンポン船でございます。こちらに火を点けると……」

「おお、動いた……!これはどうなってるんだ?」

「これは、蠟燭が水を加熱し、パイプから水蒸気が出てですね……」

「説明できるのか?」

「流石に小学校の範囲ですので」

「……」

 

 アズサ達も船を受け取り、浮かべてみる。なかにはキヴォトスの玩具らしく、極小口径の実弾を発射可能な戦列艦や装甲艦もあった。

 

「ええと、このボタンで主砲を発射して……ああっ、アヒルさんに直撃しました?!ごめんなさい!」

「なるほど、静音性が課題だけど、破壊工作にも……」

「あっ、コハルちゃんの(それ)と私の(それ)が、先っぽを擦り合わせて……」

「ぶつかってるだけでしょ?!どういう言い回しよ!死刑!」

Come all you young sailor men, listen to me.(さあ、若き船乗りたちよ、この歌を聴け。) I'll sing you a song of the fish in the sea(大海原からやって来た魚たちの歌を)......」

「何の歌ですか、リタちゃん?」

「以前、カニ漁船の船長が歌っていたものです。あれは船が故障して氷河を漂流していた時でしたね……」

「あの、これまでに何回遭難したんですか?」

「ハナコ様。あなたは、これまでに食べたしば漬けの数を覚えておいでですか?」

「微妙な頻度なので数えれば数えられそうですが、特に意識しないので覚えていないと」

And it's windy weather, boys, stormy weather, boys,(風の強い日にも、嵐の日にも、) when the wind blows, we're all together, boys(風が吹きつける時、我らは一つになる)......」

 

 補習授業部の夜が更けていく。掃除で疲れの溜まった一行は、その後部屋に戻り、コハルを筆頭に眠りに就いていくのだった。




 ワイルドハントのビジュが最高です。制服かわヨ……エリが刺さりすぎて夢女になってしまう……
 アリウスのストーリーが来るしネームドも増えた?!この先二次創作どうすっべこれ?!とりあえず全員幸せになって欲しいのでプロット崩壊は確定です。でもかなり気に入ってる部分もあるからその辺は変えたくないし……とりあえずストーリーで各々掘り下げられるのを待たないと……
 ナギサより先に作者の脳が破壊されましたが、一・二章あたりはそれほどデカい変化も無いのでこの辺で時間稼いでいきます。最悪の場合、夏空のウィッシュリスト辺りにエセ執事がしゃしゃり出てきたり、存在しないイベントや後日談が出てくるかも……?
 それはそれとして、エデン条約編ではアリウスの他の生徒関連物凄く気になってたからちゃんと触れてくれるの嬉しすぎる……夏空のやくそくでティーパーティー周りがちゃんと立ち直っていってたのもすごい嬉しいし、今度こそ皆幸せになってくれ……
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