軽装歩兵アラン(ハーメルン版)   作:ideafactory

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焔の華

 フランス北東部・シャンパーニュ地方、発泡白ワインのシャンパーニュワインの産地でもあるこの地に、イルカを連想させる見た目の機械人形が姿を表した。

 イルカ型機械人形『フェルマータ』である。

 この機体は水中戦での利用も想定された設計でイルカの可愛いらしいイメージとは裏腹に両腕の物々しいアイアンクロー、内蔵されている電磁レール砲『アステリオン』、配線がむき出しでありながらもイルカのヒレを連想させる脚部、水中ではスクリューを、地上ではホバー移動を可能にしている。

 『フェルマータ』の近くを竜のような形の機械人形が旋回していた。

 竜型機械人形『ネフライトワイバーン』である。

 無塗装の銀色で塗られた銀竜、口から火球を発射可能となっている。

 詳細は誰にも知られていない。

 『フェルマータ』は『ネフライトワイバーン』を引き連れながら、密造酒の製造をしているブローカーのアジトと畑に足を踏み入れる。

 『フェルマータ』の両腕に装備している『アステリオン』の砲身がアジトとぶどう畑に向けられた。

 『アステリオン』から放たれた弾丸の数々はわずか数秒で大地を蒸発させた。

 第一次大戦後、密造酒を製造し、パリの市場で流通させているブローカーたちと闇業者たちが暗躍する。

 このシャンパーニュ地方を彼らは活動拠点にしていた。

 その情報網は『ナチュレ』もキャッチしていた。

 人類は知らなかった。

 人類の生み出した密造酒は『ナチュレ』にとって不浄の酒とされ、忌み嫌われていたことを・・・・・・。

 不浄の酒を葬るべく派遣された『フェルマータ』は『ナチュレ』に強奪されており、消息が分からなかったが、ようやくフランスの大地に立ち、闇業者の活動拠点を第一次大戦の戦場みたいな焼け野原へと変貌させた。

 『フェルマータ』のコックピットから、少女が出てきた。

 人魚の怪人、プリアであった。

 プリアは不思議そうに焼け野原を見つめている。

 「しかし人類って不思議ですね〜。どうして密造酒なんか好むのでしょうか?」

 そう呟くと「それが人類だろう」と女性の声が返ってくる。

 ハチの怪人、サンドラも様子を見に来ていた。

 「サンドラ、来ていたのですね」

 「愚かな人類も、我らの存在に恐怖するだろうな。今日のプリアの活躍でな」

 「本当は、闇業者さんとお話したかったですね〜」

 「あまり人類にかぶれるなよ。連中は海も空も汚す生き物だ。我々とは違う」

 サンドラは忠告を言い残して去ってしまった。

 「でも、人類って、ちょっと面白そうですね。いつか、お話してみたいですね」

 プリアは人類に興味がある。

 彼女は『フェルマータ』に乗り込み、引き上げることにした。

 軍が焼け野原となったアジトに到着したのは、2時間後のことであった。

 

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