~自宅~
「はぁ、疲れた......」
そう言い、寝室のベッドに飛び込む。
自身の疲弊した体を、このベッドは暖かく包む。
今は正直どうでもいいが、これは何処が作ったものなのだろうか。
昔のアビドス生徒会は羽毛の体育マット?なんて物もあったらしいとユメが言っていた。
その影響なのかもしれない。
「...元の僕もこんな心地良いベットで寝れたらなぁ」
そんな下らない...そう、本当に下らない過去の事を呟いていると、ふと自分が連想していた人名を思い出した。
「ユメ...か」
彼女は原作で、砂漠にとって重要な装備であるコンパス、水筒に地図も忘れ、衰弱死してしまった。
「...よし、最初の目標はユメ先輩は絶対に救うことにしよう」
声に出し、決意を固めた僕は案を練り上げる。
ホシノは、最初、ユメの単独活動を遠くから見守っていたが、余りにもその行動が危なっかしいから根負けしてアビドスに入学していた筈だ。
遠くから見ていたと仮定するなら、ある程度の活動の振る舞い、内容から性格は把握している筈だ。
「...そうだな、ポスターの件をどうにかして仲裁か、待ち伏せしてユメを止めれば問題ないよな?」
そんな事を呟いて、布団を被る。
何やかんやで、眠気には勝てなかった僕はキヴォトスに来てからの初夢に堕ちた。
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蒼の澄んだ視界に、空港のベンチに2人の大人が仲良く座って話していた光景が見える。
「おっ、英一!久しぶりじゃねーか!」
「...六眼、無下限、そして俺の御厨子を抱き合わせるとは...贅沢者めが」
(...は?)
「大丈夫さ、約束しただろ?」
___次は、ちゃんと生きるって。
その言葉を遺して視界は暗転し...気がついた頃には朝日が僕の起床を出迎えていた。
暫く何が起こったのか分からず、上の空だったが確信した。
【僕は両面宿儺の生得術式、御厨子を使える】と。
勝手に笑顔がこぼれた。
(僕は...まあ確かに、贅沢者かもな)
そんな"対を成すたった二人の最強さん"のことで思いにふけていると、何故かまた眠気が襲ってきた。
抗おうと脳内で起きろ起きろと主張を続けたが、悲しいことに二度目を初めてしまったことは秘密だ。
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それから、目を開け、霧がかった思考が晴れてくると...ゆっくりと洗面所に向かい、顔を洗った。
ふと目の前の鏡を見える。
「改めて見ても...ヘイローは無いっぽいな、六眼はあるけど」
術式結構欲しかったな~なんて考えていると、家のチャイムが鳴る。
「はーい」
急ぎ足で扉を開けると、予測はしていたが黒服が昨日と同じ絵面で立っている。
(...チャイムを押すぶん昨日よりマシだが、バリエーションとか無いんだな...別に普通だし期待してないけど)
「所属する学園はお決まりで?」
黒服が告げた一言で昨日の会話を完全に思い出し、「あ、そうだったな」と頷きながら返した。
学園に関しては、勿論決めている。
「アビドス高等学校で」
キッパリと旨を伝えると、黒服が珍しく驚いたような顔をしていた。
「クックックッ...本当にそれで良いのですか?」
「いいんだよ、それで」
(...んだよコイツ、警告か?)
つい頭の中で愚痴をこぼしながら返すと、黒服は【分かりました。準備は急いだ方がいいですよ、入学式は明日なのでね...】と言い残し、黒い煙に巻かれて消えていった。
「え、明日!?」
だが、僕
の思考も取り残されていた。
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〜入学式当日〜
さっきの疑問の答え、術式は持っていた。
キッカケは入学の準備を終えた当日、自室の机で呪力強化をした指でネリケシを作るという明らかにアホなことをしていた時だった。
結局うまく行かずに消しゴムがボロボロになったので同じく自室の、ゴミ箱に投げた所までは普通だった。
だが、投げたはずの消しゴムは宙に止まった。そう、これは六眼もあるし、無下限呪術だと確信したキッカケだ。
「......アビドス高等学校って、何処だよ、地図に無いじゃんか」
センスがあったのかは知らないが、蒼による座標の圧縮...つまり瞬間移動も集中したら近距離で意外と成功した。
恐らく遮蔽物があったら虚しく潰されていたと思う、ばにたすばにたす。
まあ無下限の話は良い出来事だった。
だけど次の問題は深刻で、つい頭を抱えてしまう。
学 校 が 見 つ か ら な い。
黒服にあの場所が一番近いって言われていたが、結局は何も変わらない気がする。
制服を着て、外に出るまでは良かったが、完璧に迷った。
目は六眼でもあり、別に悪くはないのだが、学校が目視出来ない...最悪、詰みの可能性もある。
そんな時に。
「おーい!!」
「...ん?」
遠くから桃色のショートヘアと、青と黄色のオッドアイの少女がやって来た...って、ホシノだった。
「えっと...」
「ど、どした...?」
ホシノは視点を右往左往している。
そんな彼女を横目に、詰みかけていた僕は一瞬、案内してくれるんだ、と淡い期待を持っていた。
「学校、どこか分かりますか?」
その希望は打ち砕かれ、僕は跪いた、終わった。
後ろめたく、全ては往々にして虚しい...とか言っていそうな思考に埋め尽くされた中、一つのアイデアが頭に浮かぶ。
「上から見てみますか...」
「え...?どういう意__「ごめん、荷物持ってて欲しい」
荷物を急に渡され困惑している彼女だが、取り敢えずスルーし、空に移動ゆっくりと移動する。
無論、無下限を応用した移動と固定を駆使してだが。
「ッ...ちょっとまだ慣れないな...高いし...」
その後、無事...まあかなり遠くだが学校を発見し、ゆっくりと降下して着地する。
「あの...今のはどういう__「そこそこ遠いから担いでいくね」......へ?」
正直後でボコされそうなのでやりたくなかったが、安全に一緒に移動するならこの方法しか無かったのでホシノをお姫様抱っこし、「うへ?!//」と言っていたがスルー。
彼女と僕に呪力を流し、保護。
そして学校がある位置に方角を定める。
「ちょ!?離し、やめっ__
座標圧縮は正直距離があると怖いので...最大出力の蒼で飛んでいった。
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「よし...!ついた!、いやー間に合いそうで良かっ__
なんて呑気に言っていると、視界の下に白目で失神しているホルスさんがいた。
(...絶対殺されるわ、後で命乞いしようかな)
「おーーい!!!二人共ー!」
ホシノと対照的に高身長で何かとは言わないが大きく、髪は膝ほどまであるロングヘアーで緑がかった薄い水色の少女。
そう、梔子ユメだった。
「あ、故人の五条英一で~す!」
明るく元気に挨拶したつもりだったが、ユメの顔が赤く染まっていった。
(?...ズボンのチャックでも閉め忘れたかな__「えっと...なんで失神してる女の子をお姫様抱っこしてるの...?」
「あ」
そう言えば忘れてた、マズイ。
完璧に僕不審者じゃないか。
「ご、誤解です!2人で歩くより僕が担いだほうが速かったので、こうして来ただけですよ!」
「あらー!めっちゃラブラブじゃん!!お似合い〜」
「...チッ」
「えっいま舌打ちした?!」
...ホシノが起きたらコイツも道連れだな。
ホシノも暫く起きなさそうだし...しかも、ユメ先輩は「入学式の準備をする」とのことで、暇な時間の中、考え事をしていた。
昨日の続き...このキヴォトスの「ハッピーエンド」を組み立てることにした。
1つ 全生徒の幸せならオーケーです状態。
2つ なるべくシナリオ通りの過干渉すぎないようにする。
3つ ユメ先輩死亡イベの時...その時助け僕が死んだように演出する。
4つ 今後の活動の為、先生の補佐見たいな感じになる必要がある。
5つ そもそも先生が...この世界に来る必要がある。
6つ 連邦生徒会長を最終編を利用して救う。
(こんなもんかな...)
思考を閉じようとする僕に、何かをせかすようにノイズが急に流れ込んだ。
【あなたのせいじゃないよ、■■■。】
...頭痛がする。
そんな片頭痛を疑っている僕の側で、ふとホシノが目を覚ました。
「あ、おはよう」
「...うへ?!」
体育館で準備をしているユメ先輩に起きたと伝えようと歩き進める。
すると、側面から飛んできた本気の打撃が僕の頰を凹ませた。
「痛ッ!?」
ホシノに殴り飛ばされた。
だけど、良く考えたら僕は凄いセクハラ行為をしていたと思い直す。
その事実に声を張り上げながらホシノは叫ぶ。
「何してるんですか!!!変態!!!ぶっ殺◯ますよ?!?!」
「ごめんなさぁああいい!?」
「なにやってるの二人とも...?」
奇声を聞きつけ来たユメ先輩の視界には、恐らく情けなく倒れている僕とそれを踏み続ける真っ赤なホシノの姿があっただろう。
そしてこれは、後々気づいたが...無下限呪術の発動を忘れていた自分はアホだった断言できるだろう。
次回「領域展開」
英一と結ばせたい人(アビドス内)
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シロコ
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ノノミ
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ユメ
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シロコ*テラー