最強孤高の青い春   作:兵器スキー

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閑話その1です。


君が、君で在る為に

~英一始点~アビドス砂漠入口付近~

 

暮色の太陽が廃ビルと砂地を照らし始めた頃、僕達は校舎への帰路である"元アビドス自治区"の高速道路を歩んでいた。

風紀委員と便利屋に関しては僕の"モノにした"座標圧縮で帰らせた。

何故僕達がわざわざ歩いているかと言うと...まあ、ちょっとした感傷みたいなものだった。

 

「そういえばユメ先輩、仕事は?」

 

僕はさっきから気になっていたが、土壇場で頭から抜けていた事を問う。

...まあ、答えに関しては大体予想がついているが。

 

「あっ...とね、そのぅ...」

 

目を泳がせ、僕の顔から視線を逸らすユメ先輩。

 

"...!"

 

だけどそんなユメ先輩をまるで庇うようにして...僕が背負っている先生が目を覚ました。

 

「...先生、起きたのか、おはよう。」

 

表情には出さないつもりだったけど、思わず安堵の色が出てしまった。

まあ、目を覚まして凄く安心したのは事実だけど...心配させたくなかった僕は内心焦る。

 

"...英一?"

 

ひきつった表情の先生は、僕の頬を後ろからペタペタと触った。

存在を、体温を確かめるように。

 

「...大丈夫、みんな無事さ。」

 

"...後で、無理にとは言わないさ。話をしてもいいかい?"

 

そう安心させる為に口にするが、先生は完全には納得していない様子だった。

 

「勿論...ではないけど...いいよ」

 

少し説教の予感がしたが、断る理由が特にないので、笑顔で承諾をした。

 

「...みんな、伝えたかった事があるんだ」

 

勝手に口をついて出てきた言葉が、全員の視線を自分に向けた。

心に溜まっていた何かが、言霊に変換されている気がした。

 

"どうしたの?"

 

「どうかしましたか~?悠二さん...いえ、今は英一先輩ですね♪」

 

「な、なによ急に!」

 

「ん、流れは知ってる。これは愛の__「シロコ先輩、違いますよ...」

 

「...うへ、そんな笑顔でどうしたのかな...英一」

 

ゆっくりと、口を開いて...廃ビルの合間から見える夕日を仰ぎ、力強く、だけどできるかぎり優しく紡いだ。

 

「ユメ先輩...赦してくれて、ありがとうございます。」

 

 

 

 

「そしてホシノ。また迷惑をかける事も...まぁ、あると思う。だから__

 

 

 

 

___その時はまた、こんな僕の腕を引いてやってくれ。」

 

白い幽霊の下(白雲)言葉を忘れた神の夢(銀河)星の涙が流れつく場所(大海原)

その手を伸ばす先に居る(アロナ)にも、届くように。

 

「勿論だよ...ただ、私も万が一止まれなくなったら...」

 

「英一が受け止めてよね?」

 

「えっ?」

 

でも、そんな何気ない約束が...僕達の青春に輝きをもたらすことを。

 

 

 

 

 

 

(...祈ってるよ、程々にね。)

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

~アビドス高等学校~校舎~

 

"...英一、私の言いたいことは分かったかな?"

 

「先生、一応聞くんだけど怪我h__"返事は?"__...はい、理解致しました。」

 

アビドス高等学校、皆が帰宅したその校舎の中にある多目的室で僕と先生は対峙していた。

対峙していると言っても、正座()VS仁王立ち(先生)の状態だ、なぜこうなったのかも、ちゃんと分かっている。

最初は僕も先生の言うことに反発したが、さすが大人と言うべきだろうか...全て弾かれ、返され、虫の息で正座している現在に至る。

 

"..."

 

「...?」

 

先生は何かを苦いものを咀嚼するような顔をして、僕を見下ろす。

だけどたった今、先生はしゃがみ込んで視線が重なった。

 

「...どうしたんですか」

 

"二つ()()()()()"ことがあるんだ。"

 

「...?」

 

先生の言葉の意味が理解できず、僕は疑問符を浮かべた。

二つ、というのは理解できる。

だけど確認?質問のほうが意味合い的には近いのではないかと、そこだけが確信を得られなかった。

 

"一つ目、ホシノの事は好き?"

 

「ブフォ゙っ!?」

 

突然投下されれた爆弾に、説教の途中に渡された水を吹き出してしまう。

拡張術式で先生と座っている床に無下限バリアを付与したことによってなんとか飛散を防ぐが、正直危なかった。

 

"大丈夫?"

 

ハンカチを素早く取り出した先生、恐らく生徒達にモテる理由である対応力の高さの一つであり...じゃない。

とりあえずハンカチを受け取り、床の上に浮く水滴を拭く...いや、吸収ことにした。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「えっ、と...真面目な質問ですか?」

 

"勿論さ。先生として助けたい気持ちもあるし、節度は守ってほしい気持ちもあるんだ"

 

先生は神妙であり柔らかい笑みを浮かべ、言った。

 

「...正直...結構好き、ですね」

 

僕が少し顔を赤らめ継ぐ後、コンマ数秒の沈黙が訪れた。

ただその静寂は、先生が立ち上がり行った言葉に、すぐ打ち破られた。

 

"...その言葉、私じゃなくて...ホシノに、しっかり伝えるんだよ。"

 

 

"2つ目は...また今度ね。"

 

つい僕の六眼が先生を見据え、固まってしまった。

その表情は、記憶の何処かに一度刻まれていた。

 

(...父さんに、似てるな)

 

でも、それに気付いた時には先生は教室を後にしていて、廊下からは先生の革靴が地面を叩く音がした。

再び訪れた静寂が教室と1人の僕を覆ったが、その静けさもまた、すぐに破られた。

 

「...やっぱ、先生には叶わないなぁ...」

 

そんな他愛もない呟きは、夕日を超え、月明かりの刺す教室にただ、木霊した。




私は「小説書きたいなぁ」と思った時に執筆を進めているのですが、自身がテンション、眠気、モチベーションやその他諸々によって地の文の雰囲気が著しく変化する点は理解しているのですが、未だに直せていません。早く改善していけるように努力していきますので、今後とも宜しくお願いします...
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