最強孤高の青い春   作:兵器スキー

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閑話その2ですが、短くてすみません。
次回で閑話は終わるハズ?

-投稿直後の追記-

全然閑話じゃないですねこれ、ある意味めちゃくちゃ重要な話でした。
勘違いさせてしまい申し訳ございません...


笑顔の理由 

~英一始点~アビドス高等学校~屋上~

 

一段、二段と徐々に階段を登っていく。

手すりは少しざらざらしていて、懐かしい手触りだった。

窓からはこの世界特有の空に広がる青き光輪が、雲を透かし、優しく光っていた。

 

(屋上、一回前はいつ行ったっけな...)

 

確か何度か...ホシノと自分が1年生の頃だっただろうか。

ユメ先輩に秘密で行った覚えがある。

だけど、その情報以外は思い出せない。

そんな侵食された記憶が、逆に自身の視覚に新鮮さを刻んだ。

 

そして登りきった先にある扉を、軋む音共に開いた。

青いフィルターを世界にかけたかのような月光に照らされて、ほんのり冷たい風が、僕の頭髪を靡かせる。

見渡せば、教室を四つ並べたほどの広さの屋上。

デコボコな地平線に色づく、月に照らされたサファイヤ(砂地)だった。

 

「...」

 

そんな屋上にどうしてきたかと言うと...いや、理由は"さっきの"流れからして明確だろう。

そもそも先生に説教されたのも、"ホシノ以外の対策委員会達が帰宅してから"だ。

シロコに関しては、少し顔を赤くし会議室のロッカー隠れていたが、神秘でバレバレ...此処に来る前にわざわざ僕が追い出した。

そう思いながら、ふと少し前のことを思い出す。

 

(説得大変だったなぁ)

 

 

 

__ん、卑猥なことは許さない。

 

___そんなことしないって!

 

____英一はホシノ先輩と####(自主規制)する気?

 

_____はぁ!?何いってんだ!?

 

______ん、そもそも...

 

 

 

(...もう思い出したくもないかもしれない)

 

天を仰ぎ、この世界のシロコは原作より大胆だなぁ、と思いに耽る。

だが、今自分がやらなきゃいけないことをハッキリさせなくてはいけない。

そう覚悟を決め、再び歩いた。

屋上の端であり、視界の奥でこちらに背中を向けているホシノに話しかける為だけに。

 

やがて彼女に近づくたび、心臓の鼓動が大きくなっている気がした。

でもそんな動揺を、押し殺して言った。

 

「...ホシノ、来たよ」

 

「...」

 

彼女はただ、その小柄で、僕よりも遥かに頼もしい背を向けたまま沈黙を貫いた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

~三人称視点~

 

「ありがとね...英一、ここに来てくれてさ」

 

「,..当たり前だろ?だって__」

 

英一は自分の冷静さを保つために、ホシノを軽くからかおうと思っていた。

だけど、その思惑を見透かし、からかわせないと言わんばかりにホシノは先に口を開いていた。

 

「...率直に聞くよ。英一はなんで、私を何度も助けてくれるの?」

 

ホシノの声は静かな夜を破るように、屋上に響いた。

 

「っ...」

 

「助けてもらってるのに失礼かもしれないけどさ、別に助けなくても良い時でも気、使ってなかった?」

 

英一は言葉が詰まり、いつの間にか振り向いていたホシノの目を見た。

彼女の瞳は、片方は暮夜のような青色で、もう片方は夕暮れのような橙色だった。

そんな彼女の瞳も、英一のほんのり赤い頬を捉え、ふと口元が緩む。

 

「ほっぺ、ちょっと赤いよ?...あ、更に赤くなったね?」

 

からかうように言った言葉に、英一は"ジロジロ見んなって..."、そう言ってそっぽを向く。

ただ、紅く染まりきっている耳は隠せていなかった。

 

「それで、さっきの質問の返事は?」

 

ホシノのさらなる追撃に、英一の肩が焦るように揺れる。

だが、彼の視線がゆっくりとホシノに向き直り、少し俯いた。

 

だけど、ふと、風が吹いた。

 

その風は英一の背中を、優しく押していた。

 

英一は風に乗るようにゆっくりと、段々と、想いを形にしていく。

 

「...ごめん、詳しくは言えないんだ。」

 

 

 

 

でも。

 

 

 

 

そう言って、英一は横顔に笑みを浮かべ、続けた。

 

 

 

 

「ホシノが笑ってると...空っぽだった心が満たされるんだ。」

 

 

 

 

「それが、僕が笑える理由だから。」

 

 

 

 

「放っておいたら...きっと、後悔すると思ったから。」

 

 

 

 

「...僕は、ホシノのこと、が...好きだか、ら。」

 

 

 

 

時間が、ただひたすらに流れた。

 

 

 

 

月夜はただそれを、見届けていた。

 

 

 

 

黄昏を越えた、その返事(告白)に、続きは存在しなかった。




次回「私の背中を、あなたに。」

誤字等あれば過去の話であっても、どんどんご報告くださると嬉しいです!
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