大道の劫火。
ビナーは、ミサイルに似た自立兵器を四発発射した。
ヘイローのない人間始点で見れば、まず即死。
...良くて瀕死レベルの高殺傷弾頭。
──尤も、彼のような異端を除けば、の話だが。
ドカンと、大きな爆発音、衝撃波、そして破片が英一を襲う。
大蛇は距離を置き、爆煙越しに着弾点を見ていたが、完全に油断状態だった。
理由は明確で、相手はヘイローのない一般人だと判断したからだった。
負けるはずがない、劣るはずがない。
その思考回路が可笑しいと気づいたのは、ミサイルが着弾して間もない時だった。
────甲高く、金属が摩擦と共に、強引に捩じ切られる様な轟き。
直後、ビナーの胴体と胴体が、火花を散らし"ずれる"。
突然の出来事、予想外のダメージにダメージコントロールシステムが最大の警告が鳴り響かせる。
「グギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」
即座に損傷を把握。
距離を取るため、砂漠の乾いた空気を揺るがす咆哮を英一に放った。
だが、効いている様子がまったくない。
──否、どんな火力であれ、届かせることすらままならない強靭な絶対防御、不可侵領域。
「...お前は、僕の先輩を...あり得たはずの世界を消しかけた、クズなんだよ。」
酷く冷たい声で英一は言い放つ。
"だから、大人しく眠ってろ。"とも付け足して。
だが、それで引き下がるビナーではなかった。
点滅していたヘイローを再び輝かせ、水が...液体が、まるで蒸発するような音を"切断面"から響かせる。
「...重装甲でもあり、再生装甲もあるのか...精々時間稼ぎにしかならないだろ。」
──なぁ、そう思うだろ?
再び轟く甲高い音。
空気が引き裂かれ、遥か後方にあるビルがビナーと共に、一刀両断された。
「グギャァァァァァァァァァァァァァァァァァ」
「...もう、終わりか。」
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┌──────────内部システム─
│⚠ WARNING ⚠
│被害状況_63/100
├─────────────────
│射撃補正システム_停止
│弾丸供給_停止
│メインリアクター_停止
│視覚システム_動作
│エネルギーコア_動作
│特殊跳弾装甲_全損
├─────────────────
│動力維持可能時間:59.1/sec↓
│残存射撃可能回数:1/回
└─────────────────
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
それでも、ビナーの頭部処理機構が導き出した答えは──
──抵抗...ただ、それだけだった。
[アツィルトの光]
直後、空気が焦げた。
英一の瞳を、太陽の輝きを一束に集めたような煌めきが襲う。
「っ、まさか────ッ!?」
その言葉は紡ぎ終わることはなかった。
一線の光線が、不可侵領域を"削って"いる。
空間が裂け始める、本来"中和"でもされない限り、突破されることはない英一を取り巻く術式、絶対防御。
だが、その絶対防御が、超高密度の"正のエネルギー"に悲鳴を上げた。
「────ッなんて奴!!」
ギャリギャリと、英一にとっては理屈の分からない攻撃。
もし動けば、自分の術式で守られている温度が崩れ、絶対に死ぬ。
──守りに徹するしか無い。
その確信が英一にはあった。
だが、その常識を...合理的な判断を突き破る一握りのセンス。
バシュンと、座標を圧縮し攻撃から逃れる。
その移動先は──
──ビナーの、首元であり...攻撃範囲外であった。
「グギャ゙___
打撃との誤差0.000001秒以内に呪力が衝突した瞬間
空間は歪み
呪力は黒く光る
「黒、閃ッ゙!!!」
「グギャァァァァァァァァァァァァァ.........」
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その場に残ったのは
"頭部"が黒閃の余波により爆散し。
"胴体"が4枚下ろしにされ。
"頭上"にあった大きなヘイローが消え。
冷却水らしきものと火花が散る......
白い大蛇の残骸、もしくは亡き三番目の預言者であった。
「...ふぅッ、結構危なかったな。」
その吐息は、ただ流れゆく風に溶けていった。
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流石に居ても立っても居られなくなったホシノは準備を急いで整え、学校を飛び出した。
「....先輩...怒っちゃいましたよね.......私のせいで........」
そう言い下を向きながら歩いていた。
「ホ......ち.......」
かすかに聞こえた、今一番聞きたかった声に顔を上げると。
こっちに走っているユメ先輩が目に写った。
「ホシノちゃん!!!!!!」
「ユメ先輩!?!?」
ホシノとユメは抱きしめ合い、謝り合っていた.......が
「...英一は?」
ユメの後ろについてきてる様子でもない、だからといって校舎にもいない。
「......英一君...大丈夫、ですよね...?」
「ぁっ...」
「ユメ先輩!!!!」
ユメ先輩はその言葉を聞いた瞬間顔は青ざめ、「えいいちく、ん...」と言い直後に倒れてしまった。
「まさかッ....!!!」
急いで電話を掛ける。
だけど、受話器を握る右手は最悪の場合を否定しながらも、冷汗が滲んでいた。
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「英一!!!」
「ホシノ...なんで電話なんか、掛けてきたんだ。」
「早く戻って来て下さい!砂嵐が──「ごめんな」──は?」
「…!なんで!!まだ間に合いますッ...だから、帰って来てください!!」
─英一さぁ...
「僕のことは搜索しなくて良い......多分地下深くに埋もれて、見つからないと思うからな。」
「なん....で....?冗談ですよね…?」
「謝っても許されないとは思う...でも、本当にごめん。」
──おじさんとユメ先輩と君で
「嘘だッ!...えいいち...かえってきてよ......」
「ホシノ。」
「...」
───いつか話した、アビドスの未来の話を
「....大好きな人が居たんだ。」
「たとえ世界が...滅んでも、僕がその人だけでも守って、幸せにすればいいと思った。」
────覚えてるかな?
「....その人が守られたいのは、僕じゃなかったのかもしれないのにな。」
「何がどうあれ、ホシノが"幸せなら僕の願いは叶ったも同然"だ。最期がこのような形になってしまってごめん。」
─────あの時は
「...後輩がもしできたら、優しくしてやれよ?」
──────ユメ先輩もいたしさ
「だめっ....はやくかえってきて...!」
───────恥ずかしくて
「ユメに伝えてくれ、今まで迷惑かけてごめん、そしてホシノ。」
「えいいちっ…まだお別れ、も………」
────────伝えられなかったけど
「──頼むから、ずっと笑顔でな。」
─────────君のことが...
「まってっ!!だめッ!!!!」
──────────好き、だったんだよ?
「...ごめんなさいっ......ごめんなさいっ...謝るからぁっ......ぜんぶわたしのせいで...私の......せい...で.....」
───────────でも、今は嫌いだし...なにより許せないんだよね
【相手の電話が圏外になりました。】
────────────私のこと...また、置いていったからね
英一と結ばせたい人(アビドス内)
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