ことね「元アイドル志望にVtuberは荷が重いデス……」   作:とるてぃーや

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第二章 平田編
第10話 ASMRって……なに?


 ……どうしてこうなったんだろう。あたしの隣でニッコニコの詩歌を見ながら、そう思う。

 

 いつものように詩歌の様子を見に家に行って、夕飯と作り置きを用意してあげて。あとは軽く打ち合わせだけして帰るつもりだったのに。

 

 なのに、あたしは配信中の詩歌の部屋に閉じ込められて。ちゃぶ台の前に座らされて。その上には色とりどりのお菓子が置かれていて。

 そしてその真ん中に……バイノーラルマイクだと詩歌が教えてくれた横長の箱に円盤と耳をくっつけたようなマイクが目の前に置かれていた。

 

(……ほら、ことちゃんも。聞こえますかー? って)

 

 マイクをミュートにしたまま、詩歌が小声で促してくる。

 

(~~~っ、い、いや……だって……っ!)

 

 恥ずかしさで顔が爆発しそうになるのを我慢しながら、詩歌に文句を言う。けど、詩歌は微笑むだけでなにも言ってくれない。

 あたしの呼び方もそうだけど、最近めっちゃ図々しいなコイツ……まあ、遠慮しなくなったのはちょっと嬉しいケド。

 

 そんな風に現実逃避しながら、あたしはこの状況になるまでのことを思い返していた。

 

***

 

 朝の6時過ぎ。それも、夏休みの真っただ中。朝練があるとかでない限り、大体の高校生はまだ寝ている時間。実際、あたしも少し前までの休日はそうだった。けど、今はちょっと違う。

 

「はっ……はぁ……はっ……くぅ……っ!」

 

 息が苦しい。8月だからしょーがねーけど、朝でも半端ない暑さだわ。汗がダラダラと流れ、トレーニングウェアもびっしょりと濡れている。

 今すぐにでも足を止めたい誘惑を振り払いながら、あたしは必死に近所の運動公園の外周を走っていた。

 

 くっそ……! だいぶ戻ってきたけど……! 体力ってこんなに早く落ちんのかよ~~っ!

 

 今年の3月までは毎日欠かさずやっていた朝のランニング。それを何ヶ月もやってなかった今のあたしの体力は、信じられないレベルまで落ちていた。

 まだ当時の半分くらいの距離なのに、既にペースがヤバい。速度をさらに緩めて、腰のボトルのスポドリで水分を補充する。

 

 これでも、再開したばっかよりはかなりマシだけど……これじゃあ激しいダンスの曲じゃ保たねーかも。

 ……いや、デビューするって決めたわけじゃねーケドさ。

 

 MVが公開されてから既に1ヶ月近く経っている。MVによるPRは完全に大成功で、詩歌のVtuberとしての数字はバケもんみたいな伸びを見せ始めた。

 登録者数はもちろん、サブスクの登録も順調で、今は急いでサブスクの限定コンテンツの準備を進めている。

 

 とにかく、十分……というか予想の数倍の人数が集まったことで、峰岸さんもグッズやらボイスが出せるって喜んでいた。

 

 ちなみに、ボイスってなんですか? って聞いてみたら、なんかシチュエーションに合わせたセリフのボイスデータを販売するのがVでは定番らしい。

 最初それを聞いたとき、新手の拷問!? ってマジで思った。サンプルの台本も読んだけど、あんな恥ずかしいセリフを録音して、売るって……想像しただけで、恥ずかしくて死ぬかと思った。

 ……いやだから、デビューするって決めてないケドね?

 

 そもそも、なんで『スタッフK』があんなに盛り上がってるんだか。あのときは、声も形もなかったってのに。

 詩歌がMVの振り返り配信でスタッフKが事務所の友だちスタッフだってバラしやがってからは、余計なコメントが増えたし。

 

 ──Kは過去に引退した有名アイドルだ、とか。

 ──元々デビューする為にスタッフとして事務所にいたんだ、とか。

 ──Kに配信に出てほしい、とか。

 

 ……有名どころか、その真逆だよコンチクショー!

 

 大体、配信に出てほしいってなんだよ。ただのスタッフが配信に出てなにが面白いんだよ。

 ……って思ってたのに、そんなあたしを上手いこと登場させたのがまさかの詩歌だった。

 

 最初は、ただのインタビューだった。MVについて語る配信で呼ばれて、質問に答えるだけ。練習のときの詩歌の様子とか、演出と振り付けの意図とか、そういうの。

 まあ、これは分かるよ。こういう裏話って面白いし。

 

 次は、ダンス練習の公開配信だった。これは詩歌というか、峰岸さんのアイデアだった。

 でも、絶対にグルだ。リアルタイムのモーションキャプチャーのテスト配信がしたいだけって言ってたけど、2人ともめっちゃニヤニヤしてたし。

 機材は詩歌が使ってたからあたしは指導の声だけだったけど、それでもコメントは大盛り上がりだった。声しか出てなかったのに。

 

 それからも、ちょいちょい詩歌に呼ばれては、配信にお邪魔した。あまりにもお邪魔するもんだから、峰岸さんが勝手に用意した仮のアバターを使うようになった。

 狐の面を着けた、正体不明の和装の女キャラだ。前のテスト用のモデルをベースに作ったらしいけど、妙に準備がよかったのが気になる。

 

 まあ、一応そういうことをする余裕ができたってことでもあるけど。事務所はやっと崖っぷちから抜け出して、でっかくなるチャンスを掴んだ。それこそ、2人目のライバーを待ち望まれ、検討されるくらいには。

 

「はぁ……っ、はあ……! あと、一周……!」

 

 考え事をしていたおかげで、だいぶ苦しさを誤魔化すことができた。

 ラストスパート……っ! と自分を励まして、棒みたいになってきた足を前に出し続けた。

 

***

 

 朝のランニングを終えた午後。いつものように事務所に向かい、事務仕事を終わらせる。少し前までは事務作業なんてあってないようなもんだったけど、最近は結構忙しい。

 

「このボイスのデータは……まだ確認してないか」

 

 詩歌から届いていたボイスデータをイヤホン越しに聞いて、問題がないかを確認する。

 

『──先輩、お待たせしてすいません……! ……え? 別に待ってない? ふふ、先輩ってほんとに優しいんですね』

 

 ……自分の声じゃないけど、友だちのこういうセリフ聞くのって結構ハズい。仕事だからしょうがないけど。

 

 にしても、詩歌……すごいなぁ。演技はちゃんとしてるし、恥ずかしそうな感じもないし。

 

 最近の詩歌の頑張りはマジですごい。ボイスの収録はどんどん終わらせてくれるし、配信でも色々と新しい挑戦をしてる。

 なんか最近は『ASMR』ってのを限定配信でやってみたいって言ってたけど、なんだそれ? って感じではある。今度聞いておかないと。

 

 まあ、人気が出たことで普通のアンチとかも増えたけど、トークとか注意喚起とかブロックを上手く使ってしっかりと対応してる。

 それこそ、あたしたちがそこまで介入しなくてもいいくらいに。

 

 なんか、あのときの決意が空回ってるみたいで複雑だけど、順調なら別にいっか。

 

 もうそろそろ終わりそうだなと思っていたころ、スマホに通知が出る。確認してみると、詩歌からのメッセージだった。

 

『今日ってどれくらいで来れるの?』

 

 もうすぐだよとだけ返信する。ついでに、夕飯になにが食べたいのかも聞く。唐揚げがいいらしいけど、揚げもんはめんどくさいから却下した。今日も暑いし……冷しゃぶにしよ。大葉とミョウガたっぷりの。

 

 最近はこうやって、ちょくちょく詩歌の家にお邪魔することが増えた。仲がよくなったってのもあるけど、あれから定期的にライバーとしての詩歌の様子を確認するようにしている。

 

 元々は困ってることがないかとか、見えない問題がないかとかの確認のつもりだったけど、最近はどっちかって言うと生活面が心配で見に行くようにしてる。

 

 だってさぁ、家にはインスタントばっかだし、いっつもサンドイッチとかハンバーガーばっか食べてるっぽいし。1日カップ麺1食だけとか、ふざけてんのかって思ったわ。昔のあたしだってもうちょっとバランス考えてたっての。

 

 そんなわけで、あたしは最近あまり事務所にいない峰岸さんに終わりの連絡だけ入れると、事務所を閉めてからスーパーを経由し、詩歌の家に向かった。

 

 家に着いてから献立にブーブーと文句を言う詩歌を無視して、夕飯を用意した。食べ終わってしばらくゆっくりした後、配信の時間になった。

 

 そろそろ帰るか……なんて思いながら、今日はなんの配信やるの? と聞いたら、詩歌は待ってましたと言わんばかりの満面の笑顔で、こう言った。

 

 ──ASMRだよ、と。

 

 

 思い返してみれば、ここでさっさと帰ってればよかったと思う。

 

 ちょっと見てほしいものがあると言われて詩歌の部屋に行ったら、部屋が薄暗くなっていて、なぜかもう配信の準備ができていたのだ。

 

~【ASMR】いろいろささやいたり、食べたりする配信 with K~

 

コメント

  :『ご飯食べ終わったら開始。今日はゲストでKが隣にいます』

 

  :きた!

  :きたー!

  :2回目早くて助かる

  :ケイがいる!?

  :ことカスとKのASMR!?

 

 ……この配信タイトルは、なに……?

 

 待機画面を見た瞬間、詩歌にハメられたと気づいた。そして、わざわざ用意されたちゃぶ台に置かれている、見たこともない形の機材の耳のような部位を見たとき、なぜかそれがマイクだと直感した。

 

「……ねえ、詩歌。今更だけど、ASMRってなに?」

「んー? それはね~」

 

 詩歌はそれはもう楽しそうにマウスでなにかを設定すると、あたしにイヤホンを着けさせる。

 

 ──次の瞬間には耳に息を吹き込まれ、背筋がゾワッとした。

 

「ひゃっ……! な、なに……!?」

『こうやって……特別なマイクでことちゃんの耳元でささやくことだよ』

 

 詩歌のささやき声。それも、かなり近い。耳がくすぐったくて、身をよじる。

 

 どうやら、詩歌がその変なマイクに向かって息を吹き込んだり、ささやいていたらしい。しかも、声の距離とか位置とかも反映されるっぽい。

 そのくすぐったさに我慢できなくなって、自分からイヤホンを外した。

 

「……面白いでしょ? 今みたいな声とか音を、リスナーにお届けする配信なの」

 

 ボイスの売り上げ使って買ってみたんだぁ、なんて暢気なことを言ってるけど、あたしの頭には入らなかった。

 

 ……えと。これって……つまり?

 

 

 そして、今に至る。

 

『こんにちは~。聞こえてるかな?』

 

コメント

  :こんちわ~

  :ことカス~

 

(……ほら、ことちゃんも。聞こえますかー? って)

 

 マイクをミュートにしたまま、詩歌が小声で促してくる。

 

(~~~っ、い、いや……だって……っ!)

 

 詩歌があまりにも平然としてるから、あたしの方がおかしいような気がしてくる。コイツ、配信だとマジでビビんねぇのかよ。

 

コメント

  :ケイは~?

  :わくわくw

  :しゃべってほしい~

 

 コメントの矛先があたしに向く。こうなったら、もう逃げられない。物理的にとかじゃなくて、エンタメ的に。

 

 うぅ~~チクショー!! 後で覚えてろよ、詩歌……ッ!

 

 意を決して、詩歌とは反対側のマイクの耳の部分に顔を近づける。ただの機械って分かってんのに、本当に誰かの耳元に口を寄せてるみたいで……なんか、アレな雰囲気だ。

 

 音が入らないように静かに息を吸って…………少しまごついてから、ささやいた。

 

『きょ……、~~っ! こ、こんちわ~』

 

コメント

  :噛んだw

  :かわいいw

  :恥ずかしそうw

 

 死にたい。死のっかな。というか、いっそ殺して。

 

 コメントの追い打ちに、早くも心が挫けそうだ。

 

『ふふ。そういうわけで、今日はケイさんにゲストで来てもらいました~。みんながリラックスして楽しめるように、2人でがんばるね?』

 

 詩歌はなにごともなかったかのように引き継ぐと、置いてあったお菓子の1つを手にとる。ごく普通の板チョコがバラになってるやつ。ただし、直前まで冷凍庫で冷やしてたやつ。

 

『それでね、今日は色んなお菓子を用意してみたから、食べてみようと思います。というわけで、最初は定番のこれ。チョコレートで~す』

 

 コメントが一通り盛り上がったのを確認した詩歌は、「いくよ?」と言ってからそれを口に入れて……ゆっくりと口を動かした。

 薄い氷が割れるような、小気味のよいポリポリとした咀嚼音。あたしがそれを聞いてもなんとも思わなかったけど、リスナーは違うらしい。

 

コメント

  :おお~

  :めっちゃポリポリしてるw

  :脳にひびく~

 

 よ、喜んでる……?

 わかんねー、なにがそんなにいいの、コレ? あたしには理解不能な世界だ。

 

『ちょっと恥ずかしいね。じゃあ次は……これにしようかな。はい、ケイちゃん』

『ぇ……あたしも……?』

 

 詩歌から受け取ったのは、スティック状のじゃがいもの揚げ菓子。それの、少し柔らかいやつ。皮の部分とか振ってある塩の結晶まで、よく見える。

 

(なるべくゆっくり、しっかり噛みながら飲み込んでね)

 

 詩歌の言葉の1つ1つが、呪いのようにあたしを追い込む。ただのじゃがいもスティックが、ゲテモノかなにかに見えてきた。

 けど、いつまでもこうしてるわけにはいかない。配信の流れを悪くするのは、一番よくない。こちとら元アイドル志望だ。やりたくない仕事だろうと、やりきってやる……!

 

 『ぃ……いきまーす……』

 

 先っぽの方からポリポリポリ。サクサクとした食感がする。続けて口に広がる適度な塩味とジャガイモの旨み。詩歌の注意を守って、高級レストランでの食事のつもりでゆっくりと咀嚼する。口の水分を吸って、芋が柔らかくなっていく。

 

 うう……食べてるだけ……食べてるだけなのに……っ。

 

コメント

  :いい音~

  :サクサク~

  :心地よい音だ~

 

 これガチのマジで恥ずかしいんだけど~~~っ!?

 

 咀嚼中にコメントが目に入るけど、今さら止められない。頭の中を空っぽにして黙々と口を動かし、最後に飲み込んだ。喉を通ったときの感触が、やけにはっきりと残っている。

 それに対してもコメントは盛り上がっていて、もうどうにでもなれと思った。

 

 それからも他のお菓子を食べたり、コメントのリクエストのセリフをささやいたり、詩歌と一緒に左右からふー、っと息を吹き込んだり、それはもう散々な時間を過ごすのであった。

 

 

「や、やっと終わった……」

 

 配信開始の1時間後、ようやくあたしは解放された。ゼーハーと、息も絶え絶えのまま床にへばりつく。

 

「お疲れ、ことちゃん。みんなすごく喜んでたね」

「~~っ! もう二度とやんねーかんな! せこい真似しやがってぇ!」

 

 羞恥心を誤魔化す勢いで詩歌に文句を言う。

 

「えへへ、ごめんね。でも、前に限定でやってみたとき、わたしも1人だと少し恥ずかしくって。だから、ことちゃんに甘えちゃった」

 

 ……ちくしょう。そういう言われ方すると、もうなにも言えなくなる。あたしはチョロすぎるし、詩歌は強かだし。

 

 時間を確認する。もうこんな時間かぁ。夏休みだからそこまで気にする必要ないんだけど、そろそろ帰るか。

 

「ねえ、ことちゃん」

 

 帰ろうとしたところを詩歌に呼び止められる。

 

「どうだったかな? 配信に出てみて」

「どうって……」

 

 ただの地獄だったけど? そう返そうと思ったけど、詩歌のまじめそうな顔を見て、それをやめる。

 

「つまんなかった?」

「いや、そういうわけじゃないけど……」

「じゃあ、楽しかった?」

「ん……と……」

 

 考える。楽しい……楽しかったのか? あれは?

 他の配信にお邪魔したときのことも考える。と言っても、ホラーゲームの配信で通話を繋いでるだけとか、ガチャ配信の付き添いとか、そんなんばっかだったけど。

 

 けど……ホラーゲームで詩歌が怖くて動けなくなったところを励ましたり、ガチャですり抜けが起きて追い課金しようとしたところにツッコミを入れたり。

 ほんとにちょっとしたタイミングで茶々を入れてただけだけど……その度に、コメント欄では『草』とか、『ぐう正論w』とか、必ずなにかしらの反応があった。

 あの妙な一体感を眺めているのは……まあ、ちょっと楽しかったかも。

 

「リスナーのみんなも、ことちゃんが配信にいると嬉しそうにしてくれるんだよ?」

「いやいや、詩歌のリスナーっしょ? それでいいわけ?」

「うーん……でも翔くんが言ってたんだけど、箱として見ればプラスだし、今後はコラボとかコンビとかやっていくのも大事なんだって」

 

 コンビって……あたし、まだデビューしてるわけでもないのに。なんかあたしの知らないとこでどんどん話が進んでる気がする。詩歌もずっとノリ気っぽいし。

 

 でも、そこまで言われると……なんだか……ちょっと、フワフワとした気持ちになる。少しずつ、少しずつ、影から光の方へ手を引かれるような……そして、あたしもそれを強く拒絶してない。

 

「会ったばっかりのときは、ことちゃんに居場所取られちゃうかもって不安になったりもしたけど……今はとにかく、一緒に配信できたら嬉しいなって感じかな?」

「……ほんとにそう思う?」

 

 一瞬の間。

 あたしが恐る恐るその言葉をこぼした途端、詩歌は目を白黒とさせていた。だけどすぐに言葉の意味を理解したのか、嬉しそうにあたしの目の前にやって来た。もし詩歌が犬だったら、絶対に尻尾を振りまくってると思う。

 

「ほんとだよ! それに、あたしはことちゃんのダンスがみんなに見られているとこを見たい!」

「ダンスが見てーわけじゃねーのかよ……」

「それも見たいけど……! みんなが驚いてる反応が見たいの!」

 

 照れ隠しで言ったつもりの言葉もまるで通じてない。ってか、あたしの方がカウンターくらったまである。

 

 そこまで言ってくれるなら……まあ……あたしでもいける……のか?

 

 自己評価だけだと、まだあまり自信はない。でも、詩歌の言葉を疑うつもりなんてない。これでも、あたしのファン1号の大事な友だちだし。

 

 やって……みようかな。ほんとに最後に……もう一度だけ。

 

 詩歌が隣で大はしゃぎするのを適当にあしらいながら、密かにそう思い始めるのであった。

 

 ……けど、こういうときに限って、タイミングって嚙み合わないもんなんだよなぁ。

 

 後日、峰岸さんに個人Vからウチの箱に所属することになったと言われて顔合わせした、あの同級生の平田の敵意丸出しの顔を見ながら、そう愚痴ってしまった。

 

 

 




申し訳ないけど、さすがにしばらくバナンザ
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