ことね「元アイドル志望にVtuberは荷が重いデス……」   作:とるてぃーや

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第4話 自信を持って、と言ってあげたくて

 詩歌を遊びに連れ出すのは想像以上に難儀した。遊びの誘いくらい簡単に乗ってくれるだろうと思っていたけど、最初に返ってきた返事は『行きたくない』の一言だった。

 

 そこから何度かメッセージのやりとりを続けるも、『ゲームのアップデートがある』だの『外行きたくない』だの、あれこれ理由を付けて断られる。

 だけど、あたしも引き下がるわけにはいかなかった。どうしても、レッスン終わりのあの暗い顔を忘れられない。大丈夫ならそれでいいんだけど、せめてそれをちゃんと確認したかった。

 今のあたしは講師なんだと自分を言い聞かせて、粘り強くメッセージを送り続けた結果、日付が変わるころについに詩歌の方が根負けし、条件付きで誘いを受けてくれた。

 

 そんなこんなで、週末の午前11時ごろ。埼玉の交通の大動脈とも言える大宮駅であたしたちは待ち合わせをした。あたしとしては別に地元でも良かったんだけど、これが詩歌の言う条件だった。地元じゃない場所がいいと。

 都内も考えたけど詩歌は賑やかな場所は好きそうじゃないから、まだ割とマシそうなこっちを選んだ。都内ほどじゃないけど、遊ぶ為の場所としては十分だ。

 

 パーカーにジーンズという、いつもと変わり映えのしない格好で改札から現れた詩歌に呆れたりしながらも、あたしたちは早速遊びに出かけるのであった。

 

 お昼は駅近くのハンバーガーチェーンに行った。あたしがあまりお金を使いたくなかったというのもあるけど、そもそも詩歌が普通のレストランに行きたがらなかった。配信とかゲームの兼ね合いで、片手ですぐに食べられるものが好きらしい。

 

 それから、いくつかの店で服を見た。もうちょっと色々着てみるのもいいんじゃないかと詩歌に何着か薦めてみたけど、頑なに試着しようとせず、どうにか着てもらった一着も結局買わず仕舞いだった。どうせ家を出ないから、着る機会がないからと。

 でも、ワンピースの上にカーディガンを羽織った試着姿を褒め称えたときは、真っ赤な顔でカーテンをピシャリと閉めてしまった。

 

 ゲーセンにも行ってみた。ゲーム好きの彼女なら、リズムゲームとかをきっかけにリズム感の改善ができるんじゃないかと思ってのことだった。

 しかし、実際に踊るタイプのゲームはともかく、ボタン押したり画面タッチしたりするタイプのゲームに関しては、その道のプロなんじゃないかと思えるほどの腕前だった。あたしも偶に遊ぶことはあったけど、まるで歯が立たなかった。

 どうやら、リズム感がないというより、リズムに合わせて体全体を動かすということが苦手らしい。思ってたのと違った結果だけど、逆に問題なのは運動面だけという朗報でもあった。

 

 そして、休憩がてら飲み物を買って広場に円状に配置されているベンチに並んで座る。週末だけあって、親子連れがあちこちに見える。どうやら奥で子供向けのイベントをやっているらしく、陽気な音楽がスピーカー越しに響いてくる。

 そんな中で、購入したカフェオレを飲みながらチラリと詩歌の様子を伺う。彼女もちょうど買ったばかりのコーラを開けて、口を付けていた。

 

 ーー少しは元気出たかな?

 

 詩歌の希望は都度確認してたけど、ほとんどあたしが連れ回していたようなものだった。それでも、先日のレッスン終わりに見せていたような暗い雰囲気は霧散しているように見えた。

 

「ごめんね~、あちこち連れ回して。あたしもこういうの、久々だったからさ~」

「ううん……わたしも、こういうの久々だったから……思ってたより、よかったかも」

「やっぱ配信やってると家出なくなるもんなの?」

「えっと……わたしはそれよりも前に、ゲームばかりするようになったから……昼夜も逆転してたし。最近は、レッスンの為に少し頑張って起きてるけど」

 

 そういえば、最初会ったときも夕方に布団潜ってたんだったのを思い出す。よくよく考えると、ゲームや配信なら何時間でもできるのか。すごい集中力だなぁ。

 あたしは再度、缶を傾ける。

 

「でも……ありがとう、誘ってくれて。同じくらいの子とまた遊べるなんて、思ってなかった。ーーそれと、ごめんね……覚えが悪くて」

「ンンッ!? っ、ごほッ! ごほっ!!」

 

 このタイミングでそう来るとは思わず、飲み物が変なとこに入って咽る。

 

「あ、ご、ごめんね……急に変なこと言って」

「こほっ、こほ……いや、大丈夫……てゆーか、いきなりどうしたの?」

「だって……自分でも、あまり上手になってないって自覚あるし……」

 

 詩歌は缶を持つ両手の指を離したり付けたりする。その際、アルミ缶がベコベコと軽く音を鳴らす。横顔が、あの日の詩歌に戻っていた。

 

「……わたしね、もうずっと学校にも行ってなくて、部屋に1人で引きこもってゲームばっかりしてて……そんなとき、翔くんがVtuberやってみないかって言ってくれて……」

 

 周囲の様子を探る。幸い、近くに座っている人はいないし周辺も賑やかなので、話を聞かれる心配はなさそうだ。

 それだけ確認してから、詩歌の話に集中する。

 

「最初はすごく怖かったし……あんまり上手に話せなかったんだけど、それでもプレイを褒めてくれる人がいて……少しずつリスナーも増えてきて、それがとても嬉しかったんだ」

 

 初配信のことや、同接が初めて100を超えたときのことなど、これまでのエピソードを1つずつ語ってくれる。それはまるで、子供のころの大切な思い出が詰まったアルバムのページをめくっているかのようだった。

 

「だから、3DのMVを作りたいって翔くんに言われたときも……あまり自信はなかったけど、リスナーがもっと喜んでくれるかもって思って……頑張ってみようかなって。

 ことねちゃんのダンスを見たら、すごくキラキラしてて……かっこよくて……こんな風に踊れたらなって思ったの」

 

 声が明るいのはそこまでだった。しばらくの沈黙の後、「でも……」と呟く。

 

「でも……全然ダメで。ことねちゃんにもたくさん迷惑かけちゃってて……」

 

 どんどん声が沈んでいく。底なし沼のようにゆっくりと、どこまでも。

 違う、そういうことを言って欲しいわけじゃない。

 

「だから、わたしには無理なのかもって……」

「でもさ、少しずつだけど体力は付いてるし、上手くなってるじゃん」

「でも、翔くんはがっかりしてた」

 

 詩歌の声は震え、上ずっていた。それに、その目は微かに潤んでいるようにも見えた。ハンカチがポケットに入っていることをこっそり確認する。

 

 ……そっか。あの顔、見えてたんだ。いや、そりゃ見えるよね。確かに、本人の目の前で見せていいような顔じゃなかった。あとで、注意しとかないと。

 

「翔くんは元々、ことねちゃんをライバーとして誘ってたんだよね?」

「そうだけど、最初に断ってるよ。だから詩歌の講師やってるんだし」

「それってつまり……最初のダンスの動画は、ことねちゃんにお願いしようと思ってたってことだよね?」

 

 ーーなにそれ。なにが言いたいの? なんで、無理って言う為の理屈ばっか並べるの? それは、まるで……。

 

「っ……」

 

 知らない内に、指が痛くなるほどスチール缶を握り込んでいた。これ以上、詩歌にしゃべらせちゃダメだ。

 

「だったら、わたしじゃなくてやっぱりことねちゃんがやった方がいいんじゃ……」

「ーーううん、それは違う」

 

 あたしは続きを無理やり遮った。

 飾り気なしの低い声。雷に打たれたように彼女の肩が跳ねたのが見えた。

 

 ーーあたしみたいなこと言うなよ。あたしとは違ってあんたは凄いんだから。

 

「何回でも言うけどさ。あたしは初星ではただの落ちこぼれで、デビューすらできなかった。ライブなんて、バイト先の商店街のイベントの小さなステージの1回だけ」

 

 あたしが、「それで何人集まったと思う?」と聞くと、苦手な授業で指されたときのような表情で「100人くらい……?」なんて言う。いくらなんでも盛りすぎでしょ、と口角が歪む。

 

「んなわけないじゃん。片手で数えられるくらいだったっての」

「え……でも、あんなにダンスが上手……」

「だからそれが間違いだって言ってんの。あたしより上手いやつはいくらでもいたんだって。じゃなきゃ、とっくにデビューしてないと変っしょ」

 

 最近調子がよくてダンスの動きにもキレがある気はするし、褒められるのも嬉しいけどさ。

 

「でも、あんたは違うでしょ? あんたは配信で毎回100人以上のファンを集めてるし、それでお金だってもらってる。あたしはステージに立ったときはタダ働きだったんだよ?」

 

 その上でステージに立つ決断をしたのはあたしだけど、別におひねりも貰えなかった。

 

「……ほらね? 詩歌の方があたしよりも何倍も凄いんだよ。それをちゃんと分かりなよ」

 

 気持ちが伝わるように、ちゃんと詩歌の目を見て語る。同性から見ても長いまつげはまばたきで上下に揺れ、丸い瞳が小刻みに動く。

 一方のあたしは、自分でも驚くほど平静だった。

 

 自分を卑下することは昔からあった。でも、それはつまりは自分を守る為の言動でしかなくて。「大丈夫だよ」みたいな言葉を心のどこかで期待していたから。存在を、許されていたかっただけ。

 

 でも、今は少し違った。ただただ詩歌を励ましたいという気持ちから語った過去だった。褒めてくれたのが嬉しかったからか、あるいは彼女の姿が少し前までのあたしと重なって見えたからか。

 ーーもう少しだけ頑張ってみればよかった。そんな風には思ってほしくない。少なくとも、それだけはあたしの紛れもない本心だ。

 

「レッスンについてはあたしにだって責任はあるよ。ごめんね、不安にさせて。でも今度は諦めたりしないから。多分、時間はかかるよ。でも、急がなくたっていいから」

「……ことねちゃんみたいに踊れる日、来るのかな」

「どーせなら、あたしのことくらいとっとと抜いてやる! くらい言っちゃえば?」

「ええ……それは、ちょっと……」

 

 多少は元気は取り戻せたかな? 声の調子が、さっきと比べれば幾分か明るい。

 

 ……それはそれとして、詩歌はあたしに幻想を抱きすぎな気がする。最初に見せた見本がダンスなのがよくなかったのかも。あたしにとっては比較的マシでも、詩歌にとっては最も苦手な部類だろうから。

 

 気が進まないけど、やっぱ行くしかないかぁ。

 

「……ねえ、詩歌。まだ時間あるよね?」

「? うん、平気だよ。配信は夜の予定だから」

「だったらさーーカラオケ、最後に行かね? 見せたいもんがあるからさ」

 

 

 会員証を持っているチェーンのカラオケ店に入ったあたしたちは、ラッキーなことにすぐに空き部屋に案内された。少人数用の小部屋で、角にL字型で設置されているシートのそれぞれの側に1人ずつ座った。

 

 カラオケが好きだったという峰岸さんの話は嘘ではなかったらしく、予約こそ入れようとしないがあたしよりも先に端末をいじり始めている。

 

「あたしもカラオケは久々だな~。あ、1曲目、あたしが最初に入れてもいい? 一応、それ目的だし」

「あ……うん、大丈夫」

「サンキュー。えーっと……よし、これかな」

 

 端末を受け取り、目当ての曲を予約する。当然他に予約が入っている曲はないので、すぐさまその曲の再生が開始する。

 マイクを手に取り、立ち上がる。一方、イントロを聞き、画面に映った曲名を見た詩歌は「あ……」と声を漏らす。

 

「これって……」

「そ、いつものやつ。まあとりあえず、ちょっと聞いてみてくれない? あたし、マジで歌うから」

 

 マジという言葉を聞いた詩歌の目の色が変わる。心なしか、姿勢も良くなった気がする。

 

 きっと期待してるんだろうなぁ……ダンスを褒めてくれたときみたいに。

 

 マイクを握る手のひらから汗が滲む。こっそり呼吸を深くしているが、心臓がバクバクとうるさい。まるで最終試験のときのようだ。詩歌があのときの審査員のように見えてくる。

 

 結果は分かりきっている。ただ……それで失望されたらどうしよう? 怖い。やっぱやめたい。そんな考えがグルグルする。

 喉が渇き、頭が真っ白になる。このまま歌い出したら、結果以前の問題だった。

 

 ーーそんなときだった。

 

『……その…………上手だった。とても綺麗で……すごかった』

「ぁ……」

 

 急に、初めてのレッスンのときの光景が浮かび上がった。初めて受けた尊敬の……輝きを追い求める眼差し。きっとかつて、あたしが一番星に向けた眼差し。

 

 ーーそっか。これが、ファンの視線なんだ。

 

 どうあれ、詩歌はあたしのダンスを褒めてくれた。なら、彼女はあたしのファン1号なんだ。そう、あたしは思うべきなんだ。

 だったらせめて、堂々と歌わないと。

 

 間もなく、イントロが終わる。いつの間にか汗は引いていた。背筋を伸ばして、マイクを構えた。

 

「ーー、♪~」

 

 ポップなリズムに合わせて歌を乗せる。歌い出しで、いきなり音を外した。勢い余って上手く調整できなかった。

 詩歌の表情が変わったのが分かった。多分、ダンスのときとは違う理由で。だけど、あたしは気にせず歌い続ける。

 

 何度も何度もミスをした。音程を合わせるのに必死で、固有の表現なんて全然できていない。カラオケの採点システムで高い点数を取る為だけの歌い方。これをいきなり聞いても、アイドルを目指してたなんて思わないだろう。

 

 それでも、笑顔を向けるのだけは忘れない。体を左右に揺らしてリズムを取り、手のひらを詩歌に向けて差し出す。

 

 そして歌い終わり、音楽が止まって静かになったころには、なんとも言えない張り詰めた空気が漂っていた。画面にデカデカと『82点』という数字だけがやかましく映っていた。

 

「……どうだった?」

「え!? …………その…………っ、上手……だった」

「いや別に、お世辞なんていらねーって。下手だったっしょ? めっちゃ」

 

 言いづらそうにしていたので、あたしの口からはっきりと言う。めちゃくちゃ困った風に、眉を吊り下げている。

 その様子からして、間違いなく詩歌の方があたしより上手いのだろう。

 

「デビューもしてない初星の落ちこぼれなんて、こんなもんなんだって。あたしの肩書にそんなビビんないで、もっと自分に自信持ちなよ」

「ことねちゃん、その……」

 

 なにかを言いたげに口を開く。だけど、それは言葉になることはなかった。頭を振ると、力強い視線をあたしに返す。顔の険は、綺麗さっぱり消えていた。

 

「……ううん。ありがとう……わたし、やっぱり諦めたくない。わたしにとって、あそこは大切な場所だから。もっと、みんなに喜んでほしいから」

「うん、それがいいよ。あたしも、もっとサポートできるように頑張るから」

 

 ……よかった。赤点ギリギリかもだけど……どうにか講師らしいこと、できたかな? やっと……やっと、肩が軽くなるのを感じた。

 

「ーー難しい話はこれで終わり! じゃあ、あとは好きに歌おっか。せっかくだし、詩歌の歌も聞かせてよ」

 

 詩歌にもう1つのマイクを持たせる。

 

「うん、そうだね。わたしも、カラオケは久しぶり」

 

 そんな彼女が選んだのは、あたしが歌った曲と同時期に出ていたくらいの、ソロシンガーの曲だった。その歌唱力が話題になって、今でもそれなりに人気を維持しているシンガーだ。

 シンプルでテンポもゆったりしている分、歌うのも難しかった筈だ。だけど、座ったままマイクを構えている詩歌は落ち着いているように見える。

 

 ーーもしかして。脳裏をよぎったあたしの予感に対する答えは、すぐに現れた。

 

「♪~~♪~~」

 

 ぶわり、と駆け抜けた風があたしの髪を揺らした。空気が、喜びに震えている。

 

 ーーうんま。掛け値なしに、そう思った。

 

 肺活量が足りないのか、声量や声の伸びが少し物足りなく感じることはある。それを差し引いても、詩歌の歌唱力は圧倒的だった。

 抑揚による感情表現、ビブラート、音の繋げ方……どれを取っても、初星の生徒にだって負けていなかった。

 

 ここまで上手いのは……峰岸さんも知らなかったんじゃ。知ってたら、あたしが加わる前からもっと前面に押し出してないとおかしい。少なくとも、あたしには最初から伝えてる。

 

 これなら……! もしかしたら、時間をかけなくとも今からなんとかなるかもしれない。峰岸さんには、相当な負担がかかるかもだけど。

 

 あたしは歌が終わると同時に、詩歌の近くに飛びついた。「ひぃ!?」とマイクを通して悲鳴が響く。

 

「詩歌、めっちゃ上手いじゃん! なんでもっと早く言ってくれなかったの!?」

「えっ、ええ……っ!? あたし、別にそんなに……」

「そんなことあるんだって! やっぱもっと自分に自信持った方がいいって! ね、詩歌、やっぱりこのあとも時間ある? ちょっとだけ事務所に寄れない?」

「う、うん……最悪事務所で配信すればいいから。でも、急になんで……?」

「試したいことがあるの! っふふ、峰岸さん……あとでびっくりさせてやるからな~」

 

 ぐふふ、と笑いが止まらない。誰かの活動を支えるというのも、案外悪くないのかも。

 

 まずは試して、準備して、峰岸さんに見てもらって……それに、詩歌の歌ももっとパワーアップさせたい。

 基礎トレはともかく、それ以上はあたしには難しい。一度でいいから、歌が分かる人にもっと見てもらいたい。

 そうは言っても当てなんて……と思いつつもメッセージアプリの連絡先を確認してみる。流石に元クラスメイトのあいつらは論外だし……というか、手毬は別の意味で論外だし。

 

 ーーあ、この人なら……もしかしたら。

 

 画面をスクロールさせていた指が、ある名前を目にしたことで止まる。基本的に、ただの連絡事項の為に登録した連絡先。でも、覚えはそんなに悪くなかった……と、思う。

 どうしようか。その連絡先を指でゆらゆらと上下させながら考える。

 

 非常に失礼ながら……100プロに所属してない可能性は高い。でも、あたしと同じように地元に帰っている可能性はある。

 

「ことねちゃん……?」

 

 スマホを凝視したまま黙りこくったままのあたしを不思議に思ったのか、詩歌の声がかかる。その声が先ほどの歌を思い出させて、あたしの背中を押した。

 

 ダメで元々。聞くだけ聞いてみるか。

 

 そう決心したあたしは、その連絡先ーー『有村麻央』先輩宛てのメッセージを打ち込み始めた。

 

 

 

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