滑り台のような通路を下り、きらりと杏の二人は二体のモビルスーツが置いてある地下倉庫に着いていた。
「なるほど、きらりが杏をかかえて二人で通路を通ったのはそういう理由だったか。
今日はガンタンクの日ね、なるほどなるほど。働きたくない日だったから助かる。」
「杏ちゃんは毎日働きたくないって言ってる気がするにぃ。」
「働きたくないって毎日言ってたっけ?
きのせいじゃない?
たしか月に何日かは
くちにだしてない日も
なんとなくある気がする。
いも。」
「働きたくないって言ってない日は
きっと休みか
たいき任務とかで
いわなくても仕事が無い日
になってる気がするにぃ?
いも!」
「それじゃ、言ってるのは毎日ではない気がするけど働きたくないのは毎日ということで。
とりあえず立ち話もなんだから乗ろうか。
杏がガンタンクでいいよね?」
「りょーかい!ガンタンクちゃんは乗ったことないから、杏ちゃんにまかせて、きらりはゴッグに乗るにぃ。
メガ粒子砲が故障中だから遠距離攻撃はあんまりできないけど、接近戦ならどかーんってしちゃうにぃ☆」
「おっけー、そんじゃガンタンクに乗るよ。
コックピットに座って、ベルトも固定完了。
ガンタンクがいれば、今日もだらだらできる。
最高だよね。今日はきらりと一緒だから敵に襲われる心配もしなくていいしさ。」
「杏ちゃんのガンタンクちゃんもすっごい強いって聞いてるにぃ?」
「カタログスペックだけど射程距離が300キロ超えだから最大射程だけなら最新型のモビルスーツにも負けてないかも。当たるとは言わないけど。敵をちゃんとねらって撃てる距離なら並み以下かな。あの数値はミノフスキー粒子の効果が無い前提での射程距離だからね、いまどきそんな理想的な状態ないし、ミノフスキー粒子無しだったらほかのモビルスーツだって何百キロくらいなら当ててくるだろうし。
それでも射程が長いことになってるから、砲塔を向けたら宣戦布告と変わんないよ。当たるかどうかは別として。
だから、ケンカにならない程度に、どこかに敵の気配が!ってジオン軍の勘がいいニュータイプとかアイドルを焦らせる。それが杏の役目。楽でいいよね。
まあ敵に見つかったら本気で潰しにくるだろうし、仲間に見つかってもたぶん解体にくるだろうし。ニュータイプやアイドル相手に勝てる性能ではないんだけどさ。まず超遠距離攻撃はモビルスーツ相手では一発目でまぐれ当たりする以外ではめったに当たらないだろうし、相手がアイドル以上なら確実に当たらない。
適当に撃った単発弾なら避けれるでしょ?超遠距離からでわかりやすい軌道で来るとすれば。」
「きらりも、モビルスーツに乗っててはぴはぴ状態の時には避けられると思うにぃ。」
「そうそう、めったに当たらないけど邪魔、くらいなんだよね。ふつうなら。
基地みたいに動かないものに何回も攻撃して嫌がらせ、くらいならできるけど、100キロくらいまで近寄られたら普通のモビルスーツにも勝てない。
あと重要施設ならほとんどは普通のモビルスーツの攻撃くらいなら多少は耐えるくらいの対策は取っている。
で、ガンタンクの射程は長いけど視界がその分広くなってるわけじゃないからミノフスキー粒子が散布されている環境では敵拠点の場所がわからない。だからどこに撃てば当たるのかわからない。
その条件で基地の重要な部分に一点集中のダメージを与えて対策を貫通するまでどれだけ年月と弾薬がかかりますか、っていう話。攻撃が一か所から続くならどこから来るかくらいすぐわかるだろうから当然反撃もあるだろうしね。
ぶっちゃけ接近戦用モビルスーツをたくさん用意して殴りに行ったほうが速い。ビームサーベルとかなら近寄って一点集中で切りまくればダメージは通るだろうしね。」
「仲間がいっぱいいれば安心だにぃ。」
「まあいっぱいいればそれだけ面倒な仕事が割り当てられるのがオチだけどねー。
弱いからいやがらせしかできませーんってやっとくよ。ほかのこと指示されるまでは。
そろそろ時間だからミノ粉散布よろしくー。」
「りょーかい!ミノフスキー粒子を撒きます、きらきらー。
完了ばっちし!」
「ありがと。そしたら杏の出番だね!
ガンタンク起動!
1.2.3.4.5秒。はい出番終了。あとは休憩ー。
全力でだらだらするという重要任務に戻ろう。予定時間まで。
それで今日の仕事は終わり。明日はほかのモビルスーツで防衛任務かな。
ガンタンクの起動の後は偵察部隊が来ることが多いから休めないだろうし。
理想を言えばガンタンクと同じくらい休みたいんだけどねー。5秒働いて何日か休むのくり返し、最高だよね。あこがれる。」
「きらりだったら、起動もしないで基地に置きっぱなしにされるのはさみしくてしゅーんってなっちゃうかもにぃ。5秒しかなかったらにょわーって言うだけで過ぎちゃうにぃ。
それじゃきらりは予定通り湖の周りを見回ってから帰るにぃ。帰ったらはぴはぴぱわーを充電するために杏ちゃんをはぐしにいくにぃ。」
「それではきらり隊員には寮まで帰り道、杏の配達という重要任務を任せたい。ハグはしていいからそのあと運んでね。受付まで戻ってから運んでもらえるの待ってるから。」
「りょーかいであります杏隊員!きらりが運んであげゆ☆」