座に刻まれる位の悲しみを体験させたマスターと体験させられたサーヴァント達の(非)日常   作:ガジュマルさん

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サーヴァント、誰を出そうかな……。


愛故に

「キャスターによくわからんプリテンダーと来た、次はなんだバーサーカーか?」

 

「知らないわ」

 

 

 と冷酷にバッサリ切り放つプリテンダー。

 いや原因はあんたらなんですけれどもね。

 

 

「キャスター」

 

「あっはははー……いやぁ、その。マスター様のご縁の数だけ、と申しますか……ね?」

 

「ね、じゃないが」

 

 

 そんな縁を結んだ覚えはございませんと。

 というか案外あっさり認めたなぁキャスターさん?

 

 

「プリテンダーなる御仁が、ほぼ答えを仰ってしまわれましたたからね。これ以上隠す手立ても理由もありません」

 

「自分一人か、バラされてなかったら隠し通すつもりだったと」

 

「……はてさて。異なる私のことは存じ上げません故!」

 

 

 おい、いやおい。

 可愛い笑顔と勢いで乗り切ろう! じゃないっての。

 

 

「久々に振り回されてる感覚だよ全く」

 

「おや、過去にも振り回されたことがお有りなのですか?」

 

「まあ、とんでもない奴に」

 

「ほうほう」

 

 

 明らかに興味津々、と言った様子のキャスター。

 わかりやす過ぎだろ、ちらちらこっちみてる程度なプリテンダー見習っとけ。

 

 

「不都合がなければ、お聞きしてもよろしいでしょうか!」

 

「……」

 

「話すってもなー」

 

 

 あいつは人から聞くより見て体感した方が簡単なのだが。

 

 

「特段悪い思い出でもないが、あまり自ら関わろうとも思わない。その程度の奴だよ、あいつは」

 

 

 語ること、というものが極端に少ない。

 言語化し難いというのも多分にあるけど。

 

 

「……では、話す情報をこちらから質問する、と言う形式ではどうでしょう!」

 

「いやそんなに聞きたい?」

 

「ええそれはもちろんのこと! マスター様のことはどれだけでも把握しておきたい、と言うのが本心ですので」

 

「ああそう……素直じゃない方のサーヴァントもそれで良いか?」

 

「……?」

 

 

 誰のことだろうかとキャスターの方を見ながら逡巡しているプリテンダー、いやお前のことだが?

 キャスターが素直かどうかはさておき、この場にサーヴァントはキャスターとプリテンダーの二騎しかいない。

 

 

「……っ!? べ、別にどうでも良いわよ、そんなこと!」

 

「ちらちら見てたのにか」

 

「そんなつもりで見てた訳じゃ    

 

「そうかい。じゃあそれで良いよ、答えられることなら答えとこう」

 

「っ〜!!」

 

「あ、あっはっはー。……ではでは、まず私から質問させて頂きますね!」

 

 

 気になります! という気持ちを全身で表しているキャスターから。

 見ず知らずの奴の何を聞くんだろうか。

 

 

「その方は女性ですか、男性ですか?」

 

「女だよ」

 

「ほほう。ではプリテンダーさんどうぞっ!」

 

「ちょ、そんないきなり!? ええと、その……そいつとの馴れ初めを教えて」

 

「うちの家の性質として顔が広いってのがまず一つあったのと、そもそも俺の父さんがあっちの父さんと個人的に仲が良かったってのもある」

 

「……放任されているのに?」

 

「幼い頃、何度か知人の家に連れ回されてた時期があったんだよ」

 

「ふーん」

 

 

 行き先を考えてたんだろうな。

 まあそこは父さん達が考えるだろうからほっといて、次だ。

 

 

「その方は、具体的にどうとんでもなかったのでしょうか」

 

「魔術師としての才能が、だよ」

 

 

 とんでもない、ですらあいつの凄さを形容するには足りない。

 全てを知ってる訳じゃないが、あれは災害だろうよ。

 

 

「例えるなら、俺みたいなのがネズミとすると」

 

「……ネズミ?」

 

 

 俺の言葉にプリテンダーが訝しげに反応する。

 

 

「まあ、いいわ」

 

「なんだよ」

 

「大層なネズミがいたものだって、思っただけよ」

 

「ノーコメント。んで話を戻すが」

 

 

 昔本人にも言ったことがあるが、中々に不評だったなこれは。

 

 

「あいつはアフリカゾウだ、とびっきり大きい個体のな」

 

「なんと!」

 

「ええ……?」

 

 

 どちらも俺を基準にしているだろうに、反応は二者二様。

 キャスターはシンプルに驚いていて、プリテンダーは疑念を強めている。

 

 

『……相変わらず、ひどい例えね』

 

「ほっとけ。お前の例えも大概だろー」

 

「? ええと、今のは……」

 

「気にしなくていい」

 

「今のって」

 

「そう言うことだ」

 

「……人間って、何なのかしら」

 

 

 プリテンダーお前、やっぱり真名とんでもなさそうだよな。

 神代の魔術師か、はたまた準魔法使いレベルなのか。

 

 

『カエルって可愛らしいじゃない』

 

「あんな奇抜なのに例えられてもな」

 

『……ヤドクガエル、綺麗よね?』

 

「おうそうだな、いつか毒殺してやるよ』

 

『ふふ、その時はちゃんと踏み潰してあげる』

 

 

 そう言い残して、あいつの気配は完全に消え去る。

 言いたいことだけ言って逃げやがったな。

 

 

「???」

 

「現代の神秘でやってはいけないレベルな気がするのだけど、ソレ」

 

「あいつにそんな常識は通用しないんだ」

 

 

 だから言っただろう、とんでもないってな。




????→主人公はヤドクガエルみたいな男。

主人公→????はアフリカゾウみたいな女。
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