陰の実力者になりたくて!星に愛された者 作:0.The_Fool
ある日を思う、面白そうという理由で面倒ごとに首を突っ込むのは、どこかでさらなる面倒を呼ぶと。
~~~ミドガル王国時計塔~~~
月と街の明かりが照らすこの国を一望できるこの場所に一人の男と、その後ろに並ぶ7人の少女。その傍らにはこの中でも一番の年長者が壁に寄りかかり男のほうを見ている。
シャドウ
「静かな夜だ。今宵はわれらの世界となる。そうだろう?エリス」
エリス
「えぇ、もちろんそのための舞台は整ってる。あとは動くだけ、簡単でしょう?」
この街に潜伏している全員がこの夜に溶け込むかのような黒いスーツを着ており、この場にいる9人を除けばみな似たような服装だというのはすぐにわかる。8人とその部下であろう者たちはこの組織の長たる男が動くのを待っているのだ。
シャドウ
「そうか、ならば答えは一つだーーー妥協は許されないッ!」
アルファ
「心配ないわ、すでに包囲は完了している。奴らに逃げ場はない」
一人の少女の言葉に彼女たちの言葉は続く、完璧に整えられたこの舞台に降り立つそのために。
エリス
「さて、頑張りますかぁ~」
しっかりと立ち上がり、背を伸ばす彼女は彼と7人の少女たちを見つめる。彼女たちの覚悟をすでにエリスは知っているかのようだった。
ガンマ
「全て主様とエリス様のご賢察通り」
ベータ
「その遠慮深謀には、感嘆の言葉しか浮かびません」
デルタ
「久しぶりの大きな狩り! 楽しみなのですっ!」
ゼータ
「容赦はしないよ。思いっきりいく」
イータ
「……うんうん」
イプシロン
「皆、主様たちの号令を待っています」
シャドウ
「…フッ良いだろう」
男は手に魔力を集中させ、その魔力を握りつぶす。
シャドウ
「われらが目指す頂はただ一つ! ーーーーゆくぞ」
空へ飛び出す男に続き7人の少女も続く。エリスと呼ばれた存在は時計塔の頂上に立つ。7つの光が月夜に照らされるこの国に駆ける。
星々がエリスを照らすかの如く後ろで月と同等の光を放つ。数えきれないほどの星を背に彼女はここに言葉を残す。
エリス
「弟は相変わらずだなぁ、それに加えてあの子たちも、フフ、楽しそうで何より。死にさえしなければ何とかなるからみんな頑張って。まぁそれはそれとして、おねぇちゃんもがんばりますか!
シャドウガーデン『
エリスが飛び立つと星々を潜り抜ける黒色の星が空に駆ける。彼女たちがいなくなった、そこに残るのは夜を飾る星々の輝きと、満月の光だけであった。