【完結】俺を好きなやつの魔力を吸い取って奇跡を起こせる件。奴隷少女よ、だからといってそんなに俺にくっつくな 作:羽黒楓
休憩用の部屋として教会が個室を用意してくれた。
ダブルベッドのある部屋。
隣にはなぜかココがいて。
ダブルベッド、個室、ご休憩……。
そして女の子……。
「どういうことだよ!」
おもわず一人で突っ込んでしまった。
「あら! シャワー室までついてますわ! しかも温水シャワー! 高価な魔石がいるのに! 至れり尽くせりですわね、うふふ! トモキさん、ご厚意に甘えて休憩いたしましょう、……一緒に。うふふ」
「まじでどういうことだよ!」
また突っ込んでしまった。
さすがは産めよ増やせよの教義を持つテネス派の教会だな……。
いちおう愛を誓い合った相手としか『いたして』はいけないらしいが……。
「ではトモキさん、お先にシャワーをどうぞ」
俺はココに無理やりシャワー室に押し込まれた。
まあしょうがない、せっかくだからきちんと体を洗うとするか。
ええと、大事な息子もよく洗っといたほうが……いいよな?
俺がシャワー室からでてくると。
ココは実際疲れ切っていたのだろう、ベッドの上で寝息を立てていた。
「ま、寝かせといてやるか」
ココに毛布をそっとかけてやる。
長い金色の髪がシーツの上になだらかな曲線の模様を描いていた。
かわいい顔してるよなあ。
そのリラックスしきった寝顔を眺めていたら、俺も眠気がやってきた。
俺もココの隣に横になり、ココの寝息を聞いていたら、そのまま眠り込んでしまった。
★
ふっと目が覚めると、ココが俺にくっついていた。
俺の胸のあたりに顔をうずめ、くーくーと気持ちよさそうに眠っている。
あったかくて柔らかい。
なんだか、石鹸のいい匂いもする。
よく見てみると、え、これなんだ、毛布をかぶっているからわからなかったけど、ココの奴、裸だぞ……?
どうやら、俺が寝ていたあいだに置きだしてシャワーを浴びたっぽいな。
と、その時、ココがパッと目を覚ました。
俺と目が合うと、
「ふふふー」
と笑って俺の首筋に顔を突っ込んでくる。
そしてクンクンと鼻を鳴らすと、
「トモキさん、いい匂いがしますわ……」
「多分同じ石鹸の匂いだぞ……」
「いえ、トモキさんの匂いがしますわ」
言っとくが、俺もシャワー上がりでバスタオル一枚腰に巻いていただけだ。
寝ている間にそれもいつのまにか外れちゃってる。
つまり、今俺たちは一枚の毛布の下で、素っ裸でくっつきあってる。
ココの肌の柔らかさと温かさが心地よすぎて、俺の脳みそがとろけそうになってしまってるぞ。
俺はココの背中に手をまわして、ゆっくりとなでてやった。
感動するほどすべすべの肌だ。
「くふふ。トモキさん、もっと……もっと撫でてください……」
ココは猫みたいに目をつむると、俺のなすがままにされてる。
そしてポツリと言った。
「トモキさん、私、ライラネック家の令嬢じゃ、なかったみたいですわ……」
「いや、女王陛下が認めたんだ、お前はライラネック家の令嬢だぞ」
「はい……。トモキさんと出会ってから、いろんなことがありましたけど……生きているのがどんどん楽しくなってくるの……それまでは、ほんとはいつ死んでもいいって思ってたのに……。このまま、奴隷として一生を終えるんだろうかと思って、そう思ったら、あの部屋のあの絵の前でいつも泣いてしまってましたわ。……これ、見てください」
ココは俺から少し身体を離す。
そして、胸に彫られた奴隷の刻印を俺に見せた。