【完結】俺を好きなやつの魔力を吸い取って奇跡を起こせる件。奴隷少女よ、だからといってそんなに俺にくっつくな   作:羽黒楓

9 / 93
第9話 死んだんだな

 ココが投げたのはただの土だったはずだ。

 しかし、今やそれはとんでもないスピードと威力を持つ、とんでもない数の砲弾となっていた。

 数百の光の玉が空気を切り裂いてダークドラゴンへ向かっていく。

 これが飽和攻撃ってやつか。

 

 ドラゴンの目に驚きの感情を見た気がした。

 やつは大きく口を開き、炎のブレスを吐こうとするが、光の玉のほうが早い。

 光球はドラゴンの防壁を障子みたいに簡単に破り、そしてドラゴンの巨体を貫いた。

 真っ黒だったドラゴンの身体。

 そこに、数百の穴が開いて、向こう側の空が見えた。

 即死だろうことは誰の目にも明らかだった。

ドラゴンの頭上にあるステータスが変化した。

 

●SSS⇒N/A

▲SSS⇒N/A

■SSS⇒N/A

✿SSS⇒N/A

★K⇒N/A

 

 それを見て、ああ、死んだんだな、と確信する。

 

 

 空を飛んでいたダークドラゴンは、重力に引っ張られるようにほとんど垂直に落下して、まだ燃え盛っている麦畑の中へと墜落した。

 ズゥン、と音がして、地面が揺れた。

 あとに残ったのは、屋敷が激しく燃えるバチバチという音。

 麦畑もあちこちでまだ燃えていて、あたりのそこかしこから煙が立ち上っている。

 

「やった! やった! やった! ほら、ほら、ほら、ほらね、私の言った通りですわ、ほんとうに救世主様です! 絶対、絶対、絶対、いつか救世主様が私を……私たちを救いに来てくださると、ずっと信じていたのですわ!」

 

 ココは恍惚とした表情で俺の顔を見る。

 その場でひざまずいて俺の手の甲にキスをした。

 ココの衣服は乱れていて、胸元も開いてしまっていた。

 俺は思わずそこを覗き込んでしまう。

 いや、別によこしまな気持ちはない。

 ……ごめん、少しはあったけど。

 でも、そこに見えたのは、なにかおどろおどろしい文字とマークが彫られた、入れ墨だった。

 ああそうか、これがきっと奴隷の証だ。

 

 シュリアはその場にへたりこんでいた。

 

「まさか……今まで誰も倒せなかったダークドラゴンを……あんなあっけなく……。本当に救世主様……?」

 

●C

▲A

■A

✿C

★B⇒S

 

 シュリアのステータスが変化する。

 

「そんな……まさか……馬鹿な……信じられん……。我が国最高の攻撃魔術師でも倒せなかったのだぞ……」

 

 ガルニもそう呟いて呆然と立ち尽くしている。

 

●A

▲A

■C

✿ENP

★D

 

 ガルニのステータスは変わらない。

 そのガルニが俺に近づいてきて、言った。

 

「客人、いったいあなたは……? 今のはあなたの魔法……だよな?」

「いや俺はなにも……この子では?」

 

 俺はココを目で指し示す。

 

「まさか! その奴隷はなんの訓練も受けていないんだ。検査したが素質も認められなかった。それに、奴隷として胸元に魔法で彫った入れ墨を入れている。魔法封じの刻印だ。魔法を使えるわけがない。絶対にだ。だから、今のは……あなたの魔法のはず……」

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。