寄生世界 -PARASITE WORLD-   作:NIGHTMARE⭐︎

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12 圧縮した熱気

巨大な自己進化体のせいで本来のルートを探索できない東組。そこでヨナギが考えたのは花火を打ち上げて自己進化体の気を引き、その隙に探索を終わらせるという作戦だ。他に方法もないため、全員で花火を探すことになった。

兵士たちがばらけていく中、あの長髪の気弱そうな少女がヨナギに駆け寄った。

「あの…さっきは言えなかったけど…助けてくれてありがとう…」

「え?あー全然いいの。私もアイツが癪に触ってたし!」

「私、ナルカラって言います…あなたの名前を聞いても…?」

「私ヨナギ。これからも協力していこうね、ナルカラちゃん」

「…はい!」

ギャクラが不満そのものな表情で2人を見つめている。

「あんたらが考えた計画だろ!早く探しに行けよ!」

今回ばかりはごもっとも。ヨナギはナルカラと共に遊園地のさらに奥へとすすんでいった。

ナルカラは不安げに辺りをキョロキョロと見ている。その身長はヨナギの顎くらいまでしかない。

「自分で言ったんですけど…花火なんて本当にあるのかな…不安になってきた…」

「大丈夫だと思うよ…多分遊園地の真ん中…だから…観覧車のあたりにあると思う!」

ヨナギはナルカラを励ますような明るい声で言った。ナルカラは少し笑顔を取り戻し、ヨナギの後を追った。

 

観覧車はヨナギの読み通り園内のほぼ中心に位置し、小高い丘のような地形の上に配置されている。錆びついている上に侵食で黒く染まり、いくつかついている電飾もかえって不気味さを際立たせている。なぜか今でも動いているらしく、軋むような音がかすかに聞こえてくる。

「観覧車まで…結構距離あるね…見えてるのに全然距離が縮まらないや…」

「ですね…。でもさっきから横に見えるアトラクションは全然違うから同じ場所ループしてるわけではなさそうだよ…!」

「…え?」

その時、聞き覚えのあるギシギシというメアノイドの関節が軋む音が聞こえてきた。

「来る…!私の後ろに隠れてて!」

「いや…私も戦えますよ…」

「あっ…」

ヨナギはつい自分が姉になったような気分になっていた。だが、ナルカラは守られなくても戦える兵士だ。その手には赤いステッキのような棒が握られている。

瞬間、メリーゴーランドの中から2体の寄生体が姿を現した。人間の寄生体のようだが、頭の部分には壊れかけの着ぐるみの頭を被っている。胴体は大きく裂け、口を構成している。そして手には金属のラッパのようなものを持っている。その土地にあるものを真似して適応した固有地寄生体だろう。おそらく本部のデータにはない。

 

固有地寄生体の一匹が首を妙な方向に傾けながらヨタヨタと走って接近してくる。行動は通常の人間へ寄生した寄生体のMarenoidManに似ている。

ヨナギは銃を構え、即座に発砲する。固有地寄生体は胴体を貫かれて吹き飛ばされた。もう一体が先ほどよりも速い速度で接近してくる。そのラッパがヨナギに振り下ろされるが、ナルカラがそれを赤い棒で受け止めた。そして棒の先を相手に押し当てる。

バンッ!

銃声とも違う破裂音が棒から響き、寄生体は倒れた。

「ふぅ…倒しましたね…」

「え?何その武器…」

「これですか?ファイヤスタッフです…!圧縮した熱気を放って攻撃する武器です!遠距離でも近距離でも使えますよ〜。」

スタッフの先に空いた熱気を発射する金属製の穴を見せながら自慢げに話すナルカラ。

「ナルカラちゃん強いんだね…等級いくら?」

「二級です…!」

「あ、私と同じ」

「ふわぁぁ!…っていうか先進もっか…?」

「ああ…そうだね!」

2人は観覧車に向かって進んでいく。

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