寄生世界 -PARASITE WORLD- 作:NIGHTMARE⭐︎
ヨナギとナルカラは、花火を探して観覧車へ向かっていた。
2人は丘のすぐ目の前まで来ていた。下から見上げると観覧車は余計大きく見える。まるで上から襲いかかってこようとする怪物のような威圧感がある。
「あ…この丘を登ったら観覧車だね!」
「ええ…そうですね…!もうちょっと!」
丘にかけられた木製の階段を登る2人。後少しで登り切る…というところで、ヨナギが急に立ち止まった。ナルカラがそのままヨナギに衝突し、ポフっと跳ね返った。
「ふぇぇ…どうしたんですか…?」
「…話し声がする」
「話し声…?メアノイドじゃないから大丈夫では?」
「死地にはたまにいるんだよ、スカベンジャーが。中に取り残された宝石とか現金とか価値あるものを狙って死地に違法に出入りしてる奴らが。」
ナルカラはいつもにも増して不安げにヨナギを見つめている。だが急に考え込むような表情に変わった。
「…遊園地に宝石…?」
「とにかく!もしスカベンジャーだったら危険なの!」
ヨナギはさっと体勢を低くして丘の上を観察し始めた。見たところは誰もいなさそうだが…。
「聞き間違いじゃないんですか…?観覧車が軋む音とか…」
一応ヨナギの真似をしてうつ伏せになったナルカラが囁く。しかしヨナギの目は一点に釘付けになっていた。
「そこか…。」
観覧車の柱の一本の根本、影になった場所に3人ほどの人影が見える。
「ど…どうしますか…?花火はきっとこの辺にあるはずなのに…」
「気づかれないように探すしかないかな…」
最悪な状況でさらに最悪なギシギシ音が背後から聞こえた。
「うわっ!」
先ほどと同じ固有地寄生体が2人に向かって走ってくる。
「タイミング悪すぎでしょ!」
「戦えないんじゃないですかこれ!?私のファイヤスタッフもヨナギさんの銃も音が鳴っちゃってスカベンジャーに気づかれちゃいます!!」
「あわわわわ」
「落ち着いてくださいヨナギさあん!!」
「…銃の音なんかの前にあんたらの声がデカすぎて気づいちゃったよ…?」
黄色と黒の危険色の髪色の女性が2人を見下ろしていた。
「あ…。」
とりあえず固有地寄生体を撃ち倒すヨナギ。
「あんたらメアノイド対策本部の人間?…アホなわけ?」
ヨナギもナルカラも微動だにしない。
「えっと…。」
「とりあえず私らの邪魔するなら斬っちゃうから〜。」
危険色の女性が武器の持ち手をキリキリと動かして刃を出した。まるでカッターナイフ。かなり時代遅れな武器らしい。
「…それいつの武器?」
「うっ…うるさいっ!」
「ルキナ団長〜どーしたんすかー」
やる気のなさそうな男が後ろから現れた。危険色の髪色の女性…いや、ルキナはカッターナイフみたいな武器を構えて今にもヨナギ達に斬りかかりそうだ。
「うぇ…決闘…?だっる…」
男は静かに去っていった。ルキナが武器を威嚇するように振り、ヨナギとナルカラも武器を構える。
「私たちに気づかれないように侵入してアレを取り返そうって魂胆ね!そうはさせないから!!」