寄生世界 -PARASITE WORLD- 作:NIGHTMARE⭐︎
「ヨナギ、生還しましたぁ…!」
すっかり安心感を感じるようになった東組の兵士たちが一斉にこちらを向いた。
「ヨナギさああああぁぁん!!!」
ナルカラが絶叫しながら飛びついてきた。その目からは涙が次々に溢れていく。あれ…?私も泣いてる…?
ヨナギはそばにあった瓦礫に座り込んだ。疲れが一気に押し寄せてきた。
「生還…よかっ…生きてる…うぅぅ…!」
ナルカラはもはや言葉が聞き取れないほどに泣いているが、ヨナギが疲れていることに気づいて抱きついたりはしなかった。
「おかえりなさい。言葉で形容できないほど立派です。作戦を成功させ、約束もしっかり守る。兵士…いや、人間の理想系みたいですね。」
マキルがニコッと微笑んだ。
フルガは安堵の表情を浮かべて、ヨナギの右に座った。
「…お疲れ様だ。」
ただ一言だったが、その気持ちは十分伝わった。
ギャクラは少し離れた場所でショットガンでメアノイドを撃ちまくっている。ヨナギが帰ってきたことに気づいていない。
「それで…?探索結果はどうだった…?」
ヨナギが消えそうな声で尋ねた。
「ああ。もはや探索の必要があったかどうかだが、ここには自己進化体がいた…」
「…ですね…。」
「だが、キミが時間を稼いでくれたおかげでたくさんの興味深いデータを収集できた。本当に感謝するよ。」
フルガが柔らかな微笑みを浮かべた。同時に、車のタイヤの音がかすかに聞こえた。輸送車が到着したらしい。
「西組にも確認を取ったが、1人の死者も出なかったそうだ。あのままだったら間違いなく全員が最高警戒対象に殺されていただろう…。」
「アレは本当に強かった…。」
「あれれ〜?生還したの〜?」
ギャクラがようやくヨナギが帰ってきたことに気づいたらしい。フルガが威嚇するように彼を睨んだ。
「別に撃ち抜いたりなんてしないよ。話したいだけさ。」
ギャクラがヨナギの左側に座った。その表情は相変わらずニヤリ笑いが張り付いているが、普段ほど嫌味には見えない。
「帰って来れてよかったね〜。」
言葉を選んでいるかのような無言のあと、気のせいかもしれないが少し落ち着いた口調で言うギャクラ。もう平手打ちする必要は無さそうだ。ギャクラは少し体勢を変えた後、いつもの嫌味な目つきでナルカラを見つめた。
「にしても!仲間が花火を打ち上げるってのに何も考えずにファイヤスタッフを持ってったバカがいたねぇ〜。」
ヨナギの平手打ちが炸裂した。
その後、全員で死地を出て迎えにきた輸送車に乗った。
ここに来た時とは違い、ヨナギの周りは安心感と賑やかさでいっぱいだった。