寄生世界 -PARASITE WORLD- 作:NIGHTMARE⭐︎
21 マニオーガ
ヨナギが自室で休み始める2時間前…
動物園のある街が取り込まれた中型死地、マニオーガ死地。長らく放置されていたこともあり中の様子は不明のままだ。そんな死地の探索に駆り出されたのは複数人の兵士。死地の広大さに対して明らかに少人数だった。そしてその中には、黒いドレスを纏った女性…マキルもいた。彼女は休むと言うことを知らないのだろうか。
「それではすぐに死地へ入ろう。今回の目的は死地内の全貌の捜索、危険度を正当に割り振ることができる程度の情報収集だ。」
顔の全てを対侵食ヘルメットで覆った男がこもった声で言った。彼は今回の作戦長である一級兵士、灼猛(シャクモウ)だ。顔は見えないがある程度の信頼はある人物らしい。
「きゃはは!楽しみ〜!」
狂気じみた表情の少年がぴょんぴょん跳ねている…このメンツだと、マキルは相対的に普通に見えてしまうかもしれない。
灼猛が先陣を切って死地の中へ足を踏み入れた。黒く侵食された街というのが第一印象。生活感すら感じるほどに街の面影が強く残っている。他の死地と違って崩壊もそれほど進んでいない。
1ミリも肌を出していない灼猛は、いかにも侵食への耐性が高そうだ。その手には拳ほどの大きさの円柱形のものが握られている。
マキルは周囲を警戒しつつ、ふわふわと進んでいく。
その時、数体のOnnerが路地裏から飛び出す。MutantOnnerではない通常のOnner。だがマキルはその一体を素手で軽く受け流し、受け流されて吹っ飛んだOnnerは兵士の1人に撃ち抜かれた。さらに複数のOnnerがマキルに飛びかかるが、マキルは表情ひとつ変えずに右足でそれを蹴り飛ばした。
「…君案外攻撃的な戦術なんだな。」
「本気の時はまた違いますよ。」
全員がさらに奥へと進んでいく。
(…ディッパー死地とは違って弱いメアノイドがたくさんいる感じですか…。)
少し進むごとにOnnerが現れる。なかなか先へ進むことができない。
「やったー!遊び放題ーー!!」
後ろの方で少年が拳に装備したメリケンサックでOnnerの群れを殴り飛ばしまくっている。
「先を急ごう。時間は無限じゃないんだ。」
灼猛が声を張ると、少年は跳ねるように近寄ってきた。
マキルはそんな様子を眺めながら、あることを気にかけていた…。それこそが、この死地にある動物園。中にいた動物たちが侵食され、寄生体へ変貌している可能性が高いのだ。そしてもし本当にそうなっていた場合、間違いなく地獄絵図が広がることになるだろう…。