寄生世界 -PARASITE WORLD- 作:NIGHTMARE⭐︎
死地の奥深く、動物園の中心付近でマドレットは通信機で連絡をしていた。
「なかなかスカベンジャーは見当たらないし対象の勧誘も失敗した。これって作戦変えるべき?」
「マキルの協力は得られなかったか。ならば敵だ。殺して死地に捨てても構わん。心配するな、寄生されてメアノイド化するから証拠は残らない。」
「りょ〜かい。」
マドレットは通信機の電源を切った。
(これでだいぶ動きやすくなるね〜。無理に本部と協力する必要も無くなったわけだし!出会った人間全員殺していけばいいってことだね。)
マドレットは明るく笑い、どこかに歩いていった。
マキルたちはスカベンジャーを追跡していた。野放しにしていればメアノイドかマドレットに殺されるので、いち早く死地から出させる必要がある。その上スカベンジャーのボスは、ろくに話を聞こうとしなかった。
(厄介ですね…。これもあの人、マドレットの策略ですか…。)
スカベンジャーたちは死地の中の価値あるものを探して走り回っている。彼らがマドレットに遭遇していないのは偶然でしかない。
「うわぁぁあああ!!」
マキルは叫び声を耳にした。声の主はあのスカベンジャーたちだろう。
「マドレットに出会したんですかね…。」
「ならすぐに行かねば…!マドレットが敵意を見せた場合は武力行使も許可する…!」
灼猛が斧を振りかぶりながら叫んだ。マキルを先頭に全員が声の元へ走っていく。スカベンジャーたちが襲われる前に…!
しかしその前に、スカベンジャー全員が全力疾走でマキルたちをすれ違っていった。
「ああ…自力で逃げてきたんですか…。」
「め、メアノイドだ!化け物みたいにデケェ!」
スカベンジャーの1人が叫んだ。
「メアノイド…マドレットではなかったんですね。」
「にしても化け物みたいにでかいって…。まさか新手の最高警戒対象か…?」
マキルは足を止める。
「なら引き返した方が良さそうです。」
「それも手だな。どっちみちスカベンジャーを追わないと。」
一同は元来た道を戻り始めた。
その様子を、崩壊しかけた施設の上からマドレットが眺めていた。
「うーん…。想定より頭いいなぁ…。最高警戒対象を倒そうとするかと思ったのに…。」
マドレットはひゅっと施設から飛び降りた。
スカベンジャーたちは、メアノイドから逃れようと全力で逃げていた。ボスが先頭で部下を跳ね飛ばしながら走っている。
「ボ…ボス…メアノイドは追ってきてませんぜ…」
「あ?ふう…逃げ切ったってわけか。」
ボスはようやく足を止めた。ガタイのいい体に大量の汗が流れた。
「…にしてもなぁ…メアノイド対策本部の奴らが来てやがる。行動がし辛えよ…。」
ボスがヘルメットを調整しながら言った。部下たちはどこかから拾ってきたような金属片やらを持っている。市場で売り捌くことが目的らしい。
「にしてもボス…。なんかさっきの本部の奴らが、ここは危険だみたいなこと言ってましたけど…アレってマジだったんすね…。」
「あの化け物メアノイドか。あいつは本部の奴らに始末してもらおうぜ。」
ボスが意気揚々と言った時、背後から楽しそうな声が響いた。
「やっほ〜。ぶっ殺しにきたよ〜。」