寄生世界 -PARASITE WORLD- 作:NIGHTMARE⭐︎
32 潜入大作戦!
赤髪のスーツの女性、アーミアは当たり前のように「スペクトルレイダーの本部へ潜入する」と宣言した。
「頭おかしいと思う。」
サキサが真顔で言った。アーミアはあららー。みたいな表情で立っている。だがヨナギもサキサに同意だった。流石に無謀がすぎる。
「私も命知らずすぎると思います…。失敗したら最悪スペクトルレイダーが本部の全員と敵対することになるから…。」
ナルカラが言った。
「えー?じゃあ失敗しなければいいんじゃないの〜?」
アーミアは至極当然というような顔で立っている。
「私は潜入捜査官だよー?その手のことはプロなわけ!ほぼ必ず成功させると誓うよ〜。」
ヨナギは何も言わずに俯いていた。彼女に任せるのはもちろん楽だ。ただ、あの団長の威圧感を思い出すと待つだけというのも納得いかなかった。
「…本当に誓えるのね?」
サキサが両目を閉じて聞いた。アーミアは間髪入れずに得意げに頷いた。
「…なら協力しなくもないわ。」
サキサが決断を下した。ナルカラもそれを見て決意したらしい。
「わ…私も行きます…!」
「じゃあ私も…」
「だめ」
ヨナギが言い切る前にサキサが静止した。
「あなたは最近働きすぎ。しばらく休むべきよ。」
ヨナギはサキサをじとーっと見つめる。それでもサキサは全く引く気はなさそうだ。
「…わかったよ…。」
ヨナギはしぶしぶ呟いた。しかし不安はますます強くなる。仲間2人が危険な任務へ向かうのを自分は見ているだけだなんて…。
「…心配いらないわ。きっと彼女がどうにかしてくれるはずよ。」
サキサがヨナギの心を読んだかのように言った。その声にはサキサの本来の優しさが含まれていた。ヨナギは立ちあがろうとしていた腰を下ろし、再びソファに座り直した。
「それじゃあこの3人と…あともう1人で行くね〜。」
アーミアが明るく言う。彼女は任務を遠足か何かと勘違いしているのだろうか…。
「もう1人?」
サキサが聞き返す。アーミアは脱力気味な笑顔で頷いた。
「彼。」
アーミアがすらっと細い指を伸ばす。その先にいたのは1人の少年だった。一部が水色に光っている黒い銃を持ち、銀髪で黒いジャケットを羽織っていた。未来戦士のような出立だ。
アーミアが近づくと、少年は冷めた目つきで彼女を見つめた。
「出発だよ〜。」
アーミアが少年を2人の元へ半ば強制的に連れてきた。
「彼はコルオン!今回の任務のもう1人の参加者!」
「…よろ。」
コルオンは1人で先にロビーを出ていった。
「あらら…。」
ナルカラが呟いて後を追いかける。サキサもそれを追った。
「…上手くいくといいけどねえ。」
アーミアがふっと微笑んで小声で呟いた。