寄生世界 -PARASITE WORLD-   作:NIGHTMARE⭐︎

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33 出発!

アーミアに続いて、ナルカラ、サキサ、コルオンがメアノイド対策本部から出た。

「それじゃ早速向かおうか〜!」

アーミアが明るく言った。コルオンが無言で見つめている。

「…場所はわかっているの?」

サキサが聞く。アーミアは軽く頷くと、肩にかけた小さな鞄から何かを取り出した。どうやら広範囲を表示するマップの機器らしい。

「こんなものが…。」

「潜入捜査官専用機器だよー。これで死地一つ分以上の地形情報と建造物がわかっちゃう!」

「…潜入捜査官ってほんとだったのね。」

アーミアは力の抜けた笑い方でマップを起動した。

「スペクトルレイダーの本部はここだよー。」

「…海の上?」

「いや、海の中。海中に沈められて絶対気づかれないようにしてるんだけど…このマップで見れば丸見え〜。」

サキサが息を吐く。

「どうやって入るの。」

「さあね。私が突き止めると同時に時間稼ぐからその間に入っといて。」

「ノープラン?」

「プランは今言った。」

アーミアはメアノイド対策本部の裏に向かって歩いている。

「…どこ行くんですか…?」

ナルカラが不安げに尋ねる。アーミアはそのセリフを待ってましたとばかりにニヤリと笑った。

「今回の移動手段は輸送車じゃないからね。なにせ正式な任務じゃないから。私のバイクで行くよ〜。」

「4人も乗れるもの…?」

「…乗れない。だからもう一台仲間のやつパクる。」

本部の裏の少し土地が低くなっている広い駐車場。本部の地下が地上に一部露出するようになっている。多くの輸送車やよくわからない乗り物がある駐車場の端に、赤くメタリックなバイクが停めてあった。アーミアはそれに近づきエンジンを起動する。

「ただのバイクじゃないんだな〜これが。」

アーミアは楽しそうにその隣の黒いバイクのエンジンもかける。絶対無断でやってることだとわかった。

アーミアは赤い方にまたがる。エンジンが待ちきれないとでも言うように爆音を立てている。アーミアは首に下げていたゴーグルをつけながら、サキサに後ろに座るよう手招きした。

「…二人乗りは危ないわ…。」

「敵の本部に潜入する方があぶないわー!」

サキサは呆れ返ったように無言の無表情になる。そしてゆっくりと赤いバイクへ近づく。アーミアが得意げにハンドル部分を捻ったりしている。サキサはアーミアの後ろへまたがった。黒いバイクにはコルオンとナルカラがすでに乗車していた。

「そんじゃ行くよ〜。」

アーミアがアクセルを捻り、バイクが動き出す。明らかに音がやばい。本部の何人かは音で気づいてしまいそうだ。

「…上官にバレたらどうするの?」

「逃げるー!」

バイクが駐車場を抜け、本部の横の道路に出た。アーミアはそこでバイクを止めて、何か特殊な操作をしている。ガチリというレバーのような音と共に、バイクの後ろ側、つまりサキサが乗っている部分の少し後ろに上を向いて付いていた鋼の翼が広がった。垂直尾翼のような後ろ羽もすーっと伸びていく。バイク全体がどことなくサメのように見える形状になった。

「わああ。」

ナルカラが気の抜けた声を発しているのが後ろから聞こえる。

「はーい、じゃあ改めて出発〜。」

アーミアが再びアクセルをひねると、翼の根元に付いたジェットエンジンのようなものが大きな音を立てて振動した。次の瞬間にはそこから収束された炎?のようなものが噴き出し、バイクを高速で発車させていた。

「ひとっ飛びだ!」

アーミアが言うや否やバイクの車体がふわりと浮き上がった。

「え?」

バイクはジェットエンジンを盛大に起動させて空へ飛び立っていった…。

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