寄生世界 -PARASITE WORLD-   作:NIGHTMARE⭐︎

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39 怒りを覚えた彼女は

サキサが先導してスペクトルレイダーの本部の廊下を走る。早く脱出しなければ。たった今脱出した部屋からは、メアノイドが暴れている衝撃音が聞こえる。

「こっちだったはずよ…!」

サキサが自身の後を追う3人に叫ぶ。ナルカラは焦り、コルオンは冷静、そしてアーミアはあっけに取られたような嬉しいような中途半端な表情をしている。

4人は白い廊下を走り、その強固な入り口へ辿り着いた。白く光沢のある両開きのスライドドアだ。ただ問題があるとすれば…

「スイッチがない。」

コルオンが静かに呟く。彼のいう通り、ドアを開くためのスイッチやレバーが見当たらない。

「破るしかないってことですかぁ…?」

「武器持ってきてないわ…」

潜入調査のつもりだったため、怪しまれないよう武器は持ってきていない…この際なら持ってきていてもあまり変わらなかったかもしれないが。

「…私に任せて」

アーミアが珍しく真剣な表情で、手に持った鉄製の何かを見せる。サキサは少しアーミアの態度が気になる。

「それ…爆弾ですか…!?』

「御名答⭐︎」

その瞬間には、すでにいつものおちゃらけアーミアに戻っていた。アーミアが爆弾を扉の下にぽいっと置き、3人にはなれるよう促した。アーミアが爆弾の側面を指で押し、自身もすぐに離れる。

「これで帰れますかね…」

「返すはずがないだろう」

何者かの声が後ろから聞こえる。反射的に振り返ったサキサの目に映ったのは、金髪が片目を覆い隠した中性的な人物…カミラ。その後ろには大勢の兵士が立っている。

「大人しくしようか。無駄に抵抗をすることは苦しむだけ…」

同時に爆弾が炸裂し、とてつもない音を響かせた。サキサたちは体勢を低くしたが、そうしなかった兵士たちは爆風で吹き飛ばされていった。瓦礫が散らばり埃が立った。

「今のうちに行っちゃおう!」

アーミアが瓦礫を乗り越えて外の世界と繋がった大穴へ向かう。サキサもうなずき後を追いかけた。

そのときバチンと電撃のような音が響き、ナルカラの横あたりの瓦礫が真っ二つに両断された。

「はっ…!?」

振り返ると、カミラが何事もなかったかのように同じ場所に立っていた。その両サイドには電気をまとった鞭のようなものが浮いており、4人を狙っている。

「あれで目眩しのつもりか」

カミラがサキサに向かってその鞭を振り下ろす。サキサは焦り、逃げる判断が遅れた…。

熱い血が瓦礫に飛び散った。

サキサの前にアーミアが割って入っていた。鞭が右腕に深く食い込み、血が滴り落ちる。

「っ…」

「アーミアさん…!」

サキサが珍しく動揺してアーミアを凝視する。アーミアが左手をすっと動かす。「逃げろ」。

コルオンはうなずき、取り乱すナルカラの腕を掴んで外へ逃げていった。サキサは…立ち止まったままだ。アーミアが責務を全うしたかのようにがくりと膝をついた。

「馬鹿か?」

カミラが鞭をひゅるりと振り下ろした。しかしそれよりも速くサキサが動く。

怒りを覚えた彼女は誰にも止められない。

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